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【プラットフォームも一新】ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEVへ試乗 フェイスリフト

掲載 更新 6
【プラットフォームも一新】ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEVへ試乗 フェイスリフト

登場から2年半でのフェイスリフト

text:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】ヒュンダイ・サンタフェ 欧州で競合となるSUVと比べる 全132枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


4代目ヒュンダイ・サンタフェの登場から2年半。7シーターのSUVが早々にフェイスリフトを受けることになった。急いで変更したい部分があったのだろうと、勘ぐってしまう。

2018年後半に英国での販売が始まった現行のサンタフェだが、デザインはリフレッシュされ、プラットフォームはほぼ真新しいものに置き換わっている。エンジンのラインナップも、電動化技術が幅広く導入された。

ヒュンダイの戦略の方向性が変わったのだろう。同時に自動車業界は、信じられないほどのハイスピードで変化している。その流れを読むヒュンダイは、じっとしていられなかったのかもしれない。

CO2の排出量が比較的高かった、2.2Lのディーゼルエンジンは終了。小排気量のガソリン・ハイブリッドに置き換えられた。さらにN3と呼ばれるプラットフォームを採用することで、製造効率も大幅に向上させているようだ。

サンタフェが競合とする、中型SUV市場は競争が激しさを増している。プジョー5008にランドローバー・ディスカバリー・スポーツ、トヨタRAV4、ホンダCR-Vなど、いずれも実力派が顔を揃えている。勝負は楽ではない。

エンジンとプラットフォーム以外にも、変更点は少なくない。ホイールベースは2765mmと変わりないが、2列目シートの足もと空間は34mm広がっている。車内の幅も広がり、空間には一層ゆとりを感じるようになった。

実用性や車内の快適性は高い

2列目シートは前後にスライドも可能で、3列目シートの空間と譲り合うことも可能。またボタンに触れるだけで、ほぼ完全なフラット状態に折り畳まれる。シートレイアウトの多彩さでは、サンタフェはこのクラスの中でも上の方に属するといえる。

運転席周辺の基本的なデザインは、フェイスリフト前と大きな違いはないが、センターコンソール付近はすっきり整ったように思う。肉厚で、滑らかに傾斜しダッシュボードと融合する。その頂部には、10.3インチのタッチモニターが置かれている。

メーターパネルは、12.3インチのモニター式が標準装備。車内パネルの多くはソフト加工されており、触れた時の感触は良い。硬いプラスティック製部品も残ってはいるが、フィット感や仕立ての水準は充分に高いといえるだろう。

シートの質感にも優れ、運転席からの視界も良好。このクラスとしては、快適さや居心地の良さでは不足のないインテリアだと思う。

一方で、サンタフェの動的な性質に目立った訴求力はない様子。ヒュンダイがスマートストリームと呼ぶ新しい1.6Lのガソリン・ターボエンジンには、58psの電気モーターが組み合わされている。トランスミッションは自社製の6速ATだ。

ちなみにプラグイン・ハイブリッド(PHEV)版もあり、そちらの電気モーターは91psに強くなる。

特長に欠けるハイブリッド・システム

サンタフェはエントリーグレードでは前輪駆動となるが、試乗車の場合は四輪駆動。前後のタイヤ間でトルクを50:50に分配して走行できる。

フェイスリフトに合わせて、スノー&マッドなどのテレイン・モードも新しくアップデートされている。ただしアプローチ・アングルやデパーチャー・アングルが深くはなく、オフロード性能を自慢するタイプではない。

ハイブリッドらしく、デフォルト状態でアクセルペダルを踏み込むと電気モーターのみで加速する。トルクが太く、レスポンスが良く扱いやすい。操作系の重み付けや反応も好感触。姿勢制御にも余裕を感じさせ、安心感を持って運転できる。

少し残念なのが、エンジンの洗練性が足りないところ。駆動用バッテリーが尽き静かなEVモードが終了すると、エンジンが目覚めて低回転域から小さくないノイズが響いてくる。

電気モーターからの交代は滑らかながら、強みにはなっていない。フィアット500に載っている、ツインエア・エンジンに似た印象を受けた。

システム総合での最高出力は230ps、最大トルクは35.6kg-mがうたわれるが、数字ほどの力強さも体感できない。同等に小排気量のターボディーゼルの方が、たくましさでは勝ると思う。

安定した高速巡航を叶えてくれ、マナーも悪くはない。しかし、特長といえる部分はないだろう。燃費も14.3km/L程度に留まっている。

魅力度を比べるとライバルに及ばず

フェイスリフトでサンタフェは最新のプラットフォームを獲得しているものの、乗り心地は平均点どまり。重い車重を隠せてはいないようだ。

不快なほどではないものの、アダプティブではないサスペンションは、特に低速域での落ち着きが足りていない。速度を高めても、明確に改善されるわけでもない。

広々とした実用的な車内と、大胆なスタイリング、全般的な実用性を兼ね備えた7シーターのSUVを探しているのなら、ヒュンダイ・サンタフェは充分候補に入ってくる。フェイスリフトを受け、従来より各部分で改善を受けている。

一方で燃費や動的な魅力度などを比べると、ハイブリッドのヒュンダイ・サンタフェはライバルに一歩及ばないことは確か。標準装備は充実しているが、価格価値でも強い訴求力は感じられにくいと思う。

ヒュンダイ・サンタフェ1.6T-GDi HEV 4W(英国仕様)のスペック

価格:4万1935ポンド(629万円)
全長:4785mm
全幅:1900mm
全高:1685mm
最高速度:186km/h
0-100km/h加速:9.1秒
燃費:14.3km/L
CO2排出量:159g/km
車両重量:1842kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:230ps/5500rpm(システム総合)
最大トルク:35.6kg-m/1500-4500rpm(システム総合)
ギアボックス:6速オートマティック

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みんなのコメント

6件
  • ガラパゴス化に拍車がかかってる現代と起亜だけに、存在感をアピールする姿は滑稽にしか映らない。
    全世界で700万台!というマヤカシに似た数値も、生産計画台数の数値が、そのまま売り上げ目標数値に変わり最終的に半数は在庫として全世界の留置場に山積みに成る廃棄物。
    現代と起亜の組立自動車は未だに、EU圏内のメーカー車のようなキャンバスシステムなど車輌全般の総合制御管理システムを導入してなくエンジンならエンジンだけのECUで制御し、個別制御しか出来ない古いタイプ。
    まぁ、そんな古世代の組立自動車だから、EU圏内の自動車メーカーのカタログの中で現代車の欄が有ったが今では殆ど消える寸前までに成っているよね!
    どんどんガラパゴス化に至る事を選んだくせに、日本にアピールすれば自分たちを助けて当たり前!という考えは捨てた方が良い。
  • パクリはウリジナルか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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