現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > メルセデス・ベンツが独自に追求した「安全なシート」への進化と固定方法

ここから本文です

メルセデス・ベンツが独自に追求した「安全なシート」への進化と固定方法

掲載 更新 1
メルセデス・ベンツが独自に追求した「安全なシート」への進化と固定方法

あらゆる事故に対応する世界最高レベルの安全

 自動車のシートは快適であり、安全な運転姿勢がとれる事も必要ですが、もし万一事故の際には「乗員を保護」するものでなければなりません。ところが、快適で安全な運転姿勢や乗車姿勢を作り出すための「シートアジャスト・システム」など可動部分が多いほど、衝撃を受けてシートが壊れる確率が高くなります。

シートベルトは乗員を守る命綱! 「メルセデス・ベンツ」は1950年代から乗員の安全を追究

 また、事故のデーターではシートベルトを着用していてもフロントシートが後方に倒れ、後面のリアウインドウを突き破って車外へ放出されるという事例があるのも事実。過去の事故例での割合は少ないものの、メルセデス・ベンツの安全性から言えば、決して見逃すことは出来ません。

 そこで、メルセデス・ベンツはフロントシートをスライドさせる「ガードレール」をモノコックボディの強化された部分に取り付け、そのガードドレール上に非常に頑丈な鋼鉄製シートサブフレームを設置して対策しています。 さらに、フロント・シートバックの角度を調整する「リクライニング・システム」も、一般にはシートの片側にギアを備えたものが多く見られ、衝突時の衝撃でシートが倒れるといった事例があります。メルセデス・ベンツでは、ギアシステムを左右・両側に備えて強度をアップ(上写真/下段)。事実、筆者は2011年にEクラス(E250/W212)のフロント・シートバックのパーツを撮影し、左右・両側のギアを確認しました(電動モーター位置も確認)。

 そこで、さらに詳しくメルセデス・ベンツのシートについて解説していきましょう。

莫大なデータをもとに蓄積されたノウハウ

 まず、メルセデス・ベンツのフロントシートのガードレールは、モノコックボディの強化された部分に取り付けられ、しっかりと固定されています。写真の赤い部分がモノコックボディの強化された部分で、シートはしっかりと”緑”の丸印箇所に固定されているのがわかります。

 また、筆者が室内より取り外し撮影した230E(1985年式)のドライバーズシートは当時、シートの前後スライドや高さは手動式。レバーを手で持ち上げながら調整し、リクライニングについてもダイヤルを手で回し、確実に微調整できるようになっていました。

 さらに、同じく230Eのドライバーズシートを確認すると、右下部にはシートを前後スライドさせるレバーが存在。裏側を見ると、ガードレールをモノコックドボディの強化された部分に取り付ける穴があります(赤丸印の部分)。

 こうした対策により衝突時にフロントシートはしっかり固定され、シートベルトの効果を最大限に発揮。これらのシステム強度は法規制に合わせたものではなく、メルセデス・ベンツがクルマの破損や乗員の状況を約3000項目にわたって調べる体制を整え、これまで4000件もの事故調査やクラッシュテストにより独自に設定したものなのです。

 いま、クルマはCASE時代に突入しています。CASEとは、メルセデス・ベンツが2016年10月のパリモーターショーで発表した中長期の経営ビジョンで、「Connected(インターネットを介して外とつながる)」、「Autonomous(自動運転)」、「Shared(所有せず共有する)」、「Electric(電動化)」の頭文字をとったもの。4項目すべては、本当の産業革命を起こすメガトレンドと言われています。

 めまぐるしい速さで進化を遂げる電動化と自動運転。特に、自動運転モード中に室内は大スクリーンを見ながら全てのシートでエンターティメントを楽しめる空間となますが、より安全で快適なシートが重要となってくるでしょう。

こんな記事も読まれています

レクサス新型「スポーティSUV」に大反響!「デザイン凄いな」「“100万円以上”値下げはオトク」「運転面白い」の声! メーカー初の“画期的システム”専用車の「RZ」25年モデル米国で登場!
レクサス新型「スポーティSUV」に大反響!「デザイン凄いな」「“100万円以上”値下げはオトク」「運転面白い」の声! メーカー初の“画期的システム”専用車の「RZ」25年モデル米国で登場!
くるまのニュース
「すごい衝突事故…」 常磐道が一時「通行止め」! 「大型トラックが衝突、大破」し上下線ふさぐ 現場は1車線区間 福島~宮城県境は迂回必要に
「すごい衝突事故…」 常磐道が一時「通行止め」! 「大型トラックが衝突、大破」し上下線ふさぐ 現場は1車線区間 福島~宮城県境は迂回必要に
くるまのニュース
ポルシェも認めたネクセンのスポーツSUVタイヤ「N’FERA RU1」にモータージャーナリスト・島下泰久さんが試乗。その実力は?
ポルシェも認めたネクセンのスポーツSUVタイヤ「N’FERA RU1」にモータージャーナリスト・島下泰久さんが試乗。その実力は?
くるくら
国沢親方がメッタ斬り!! 直也さん、ナベさん、サクラが2位は評価が高すぎるのでは!?
国沢親方がメッタ斬り!! 直也さん、ナベさん、サクラが2位は評価が高すぎるのでは!?
ベストカーWeb
F1デビューで環境激変。一躍有名人となったコラピント、SNSから距離を置く「アレは有害だから……」
F1デビューで環境激変。一躍有名人となったコラピント、SNSから距離を置く「アレは有害だから……」
motorsport.com 日本版
6000万円超え! いすゞ新型「超スゴい“精悍”モデル」登場! 70人乗りで画期的な「段差ゼロ」&340馬力の“静音ユニット”搭載! 新型「エルガEV」がラインオフ
6000万円超え! いすゞ新型「超スゴい“精悍”モデル」登場! 70人乗りで画期的な「段差ゼロ」&340馬力の“静音ユニット”搭載! 新型「エルガEV」がラインオフ
くるまのニュース
まさかの復活! JR武蔵野線に沿う深夜急行バス 東武「ミッドナイトアロー」12月の金曜日から
まさかの復活! JR武蔵野線に沿う深夜急行バス 東武「ミッドナイトアロー」12月の金曜日から
乗りものニュース
さすがフランスの燃料メーカー! トタルのバイオ燃料は「ワイン製造の絞りカス」から作られていた
さすがフランスの燃料メーカー! トタルのバイオ燃料は「ワイン製造の絞りカス」から作られていた
WEB CARTOP
“世界最古のバイクメーカー”発「ヴィンテージ感のあるレトロバイク」が2025年モデルへ進化! 最新の「クラシック350」は快適な先進機能が充実
“世界最古のバイクメーカー”発「ヴィンテージ感のあるレトロバイク」が2025年モデルへ進化! 最新の「クラシック350」は快適な先進機能が充実
VAGUE
日産『リーフ』次期型はAWDクロスオーバーに進化! 初のデュアルモーター搭載も
日産『リーフ』次期型はAWDクロスオーバーに進化! 初のデュアルモーター搭載も
レスポンス
セルジオ・ペレス、F1引退後の”インディカー参戦”には興味なし「怪我などせずにキャリアを終えたい」
セルジオ・ペレス、F1引退後の”インディカー参戦”には興味なし「怪我などせずにキャリアを終えたい」
motorsport.com 日本版
高すぎる「クルマの税金」が大変化? 「二重課税」や「ガソリン税」解消なるか! もはや“旧すぎる”「複雑な自動車税制」現状の課題は? 電動化の今こそ「変わるチャンス」か
高すぎる「クルマの税金」が大変化? 「二重課税」や「ガソリン税」解消なるか! もはや“旧すぎる”「複雑な自動車税制」現状の課題は? 電動化の今こそ「変わるチャンス」か
くるまのニュース
全長4mに「FR」採用! トヨタの「“6速MT”スポーツカー」が凄い! “4人乗り”で実用的な「小型クーペ」にクルマ好きから反響殺到! 市販化待望の「S-FR」とは
全長4mに「FR」採用! トヨタの「“6速MT”スポーツカー」が凄い! “4人乗り”で実用的な「小型クーペ」にクルマ好きから反響殺到! 市販化待望の「S-FR」とは
くるまのニュース
いよいよ始動 首都高の「老朽海底トンネル」造り替え 使われていない“裏ルート”が本線に生まれかわる!? 都市計画素案が公表
いよいよ始動 首都高の「老朽海底トンネル」造り替え 使われていない“裏ルート”が本線に生まれかわる!? 都市計画素案が公表
乗りものニュース
新規参戦キャデラックF1、ドライバーに米国人コルトン・ハータを起用? 有力候補と取締役のマリオ・アンドレッティ認める
新規参戦キャデラックF1、ドライバーに米国人コルトン・ハータを起用? 有力候補と取締役のマリオ・アンドレッティ認める
motorsport.com 日本版
成長する私の軌跡! 2度目の参加で見えてきたライディングスクールの必要性と重要性
成長する私の軌跡! 2度目の参加で見えてきたライディングスクールの必要性と重要性
バイクのニュース
“SUV”なんて言葉は似合わない! どんな悪路も走破可能 なのに室内には高級感が漂う「ラグジュアリーなクロカン車」3選
“SUV”なんて言葉は似合わない! どんな悪路も走破可能 なのに室内には高級感が漂う「ラグジュアリーなクロカン車」3選
VAGUE
V12エンジン復活!! 最高速345km/hの大排気量5.2L! 年間生産台数たったの1000台のみ[ヴァンキッシュ]登場
V12エンジン復活!! 最高速345km/hの大排気量5.2L! 年間生産台数たったの1000台のみ[ヴァンキッシュ]登場
ベストカーWeb

みんなのコメント

1件
  • シートベルト同様に1社だけの安全性をアピールする広告のような記事ですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

894.01126.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.01130.0万円

中古車を検索
Eクラス セダンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

894.01126.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.01130.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村