Mercedes-Benz GLC 300 e 4MATIC
メルセデス・ベンツ GLC 300 e 4マティック
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メルセデスの看板車種、PHVの追加で商品力を強化
メルセデス・ベンツはミドルサイズSUVのGLCに、プラグインハイブリッドの「GLC 300 e 4MATIC」を追加すると本国で発表した。
Cクラスをベースに2008年に登場した「GLK」を前身として、2015年に現在の「GLC」の名前で2世代にモデルチェンジしたミドルサイズのクロスオーバーモデルは、2019年に“大規模なマイナーチェンジ”を敢行。「ハイ、メルセデス」でお馴染みの自然対話型音声認識機能や最先端の運転支援装備、最新直列4気筒ユニット、48V化への対応と、「新世代メルセデス基準」を全方位に採用している。
本国での市場投入は2019年7月に開始したばかりだが、早速新たなグレードとしてプラグインハイブリッドシステムを積んだ「GLC 300 e 4MATIC」を追加した。
パワートレーンは2リッター直列4気筒ガソリンユニットをベースに、出力90kW/トルク440Nmのモーターを搭載。システム最高出力は320hp、システム最大トルクは700Nmに達する。0-100km/h加速は5.7秒と、同じ2リッター直4ガソリンエンジンを積むベースモデル「200 4MATIC」よりマイナス2.2秒、「300 4MATIC」比でマイナス0.5秒、それぞれタイムを短縮した。駆動には前後50:50の固定トルク配分の「4MATIC」を採用し、けん引能力は2000kgを誇る(コンベンショナルエンジンの300 4MATICは1588kg)。
バッテリー容量は13.5kWhで、EVモードの航続距離はWLTPモードで39~43km。モーター単体でも130km/h以上の最高速を実現した。ハイブリッド燃費は40~45.4km/リッターが公称値。
GLCは開発初期の段階からバッテリー搭載を想定していたため、リアアクスル周りやボディシェルにその収納空間を設けていた。荷室への影響は最小限に抑えており、通常状態で395リッター、後席を倒した状態で1445リッターの荷室容量を確保している(コンベンショナルエンジン搭載モデルは550~1600リッター)。
2020年までにPHVを20車種以上へ拡大
メルセデス・ベンツは電動化推進にあたり、4つの看板を掲げる。すなわち、フルEVを展開する「EQ」、48Vのマイルドハイブリッド機構を搭載する「EQブースト」、プラグインハイブリッドの「EQパワー」、そしてF1に搭載する高性能HVであり、今後はメルセデスAMGにも展開予定の「EQパワープラス」だ。
なかでも、メルセデス・ベンツは市場のニーズやCAFE(企業別平均燃費基準)へ対応するために、プラグインハイブリッドは可及的速やかな解決策のひとつと捉えている。同社が独自に「eモビリティ」に関心の高い層について調査したところ、彼らが考える“1回の旅程”の90%は「50km以下」であり、「100kmまで」だと96%に相当するという。ちなみにこの平均データは各地域によってバラツキがあり、eモビリティに敏感なオランダではプラス27kmほど距離が伸びるようだ。
いずれにしてもメルセデス・ベンツ最新のプラグインハイブリッドであればEVモードのみでかなりの部分を消化できる。同社のPHV搭載車種拡大路線に確信をもたせるデータのひとつといって良さそうだ。メルセデス・ベンツは2019年以内にプラグインハイブリッドモデルを10車種以上、2020年には20車種以上へ展開すると明言している。
メルセデス・ベンツの2018年の世界累計販売台数は238万3000台。うちGLCをはじめとするSUVが82万9000台と、セダンの販売台数を軽くダブルスコアで上回る。いまやSUVはメルセデス・ベンツのようなプレミアムブランドにおいても、販売台数の1/3を占める中心的存在になった。
とくにGLCは過去10年間で(GLK時代を含めて)メルセデス・ベンツ史上もっとも売れたSUV。今回のプラグインハイブリッドの追加により、中核モデルであるミドルクラスSUV、GLCの商品力を一層拡大した恰好だ。日本市場への導入は未定。
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