はじめに
自動車メーカーの中には、2030年の到来と、そこに向けた世界的な内燃機関の強制排除を前に、1990年代のIT関連企業が2000年問題に戦々恐々としていたのと同じような感覚にさらされているところもあるだろう。しかしながら、これを千載一遇のビジネスチャンスと捉えるメーカーも、わずかながら存在する。
欧州のEV市場のごく初期に、好ましいi3で小さいながらも注目に値する位置を占めたBMWは、短期間でゼロエミッションカーの数々を投入するべく、明らかに忙しい日々を送ってきた。これが白紙からのスタートというわけではなかったが、それでも2030年までに、BMWグループ全体で販売台数の50%を完全電動モデルにしようとしているのだから、それも無理のないことだ。
電動化に本気の世界で、もしも必勝法があるとすれば、主義主張を明らかにした車を用意することだ。そう、今回のテスト対象のような。
BMW iXは、EV専用の完全新設計プラットフォームをベースにした、電動フラッグシップモデル。投入の目的は、競合する電動SUVを圧倒することだけではない。ゼロエミッション時代の高級車を再定義するのも狙いだ。また、電気自動車につきまとう不満を吹き飛ばすことも目指している。
もっともパワフルなバージョンは、600psの一線を超え、公称航続距離は650km近く、価格は11万ポンド(約1705万円)以上となるiX。現在のマーケットにある電動SUVで、これを凌ぐものはほとんどない。今回はもう少し普及版寄りのモデルで、この新たな姿のBMWの実力を検証してみたい。
意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
フルサイズSUVの高級EVは、2015年にテスラがモデルXを投入して以来、各社こぞって導入するカテゴリーとなった。しかし、BMW iXほど大胆な構造と多くの要素が盛り込まれた例はほとんどない。
構造的な基本要素は、新開発のEV専用プラットフォーム。これは今後、BMWグループのトップレベルのモデルに使われる予定のコンポーネンツだ。ベースとなるのはアルミスペースフレームで、随所に軽量なカーボンFRPのパネルが組み込まれた。フレームレスのドアや、サイドに回り込んだテールゲートを開くと、カーボン素材の織り目が確認できる。
BMWがスペースフレームと言っているのは、一般的なプレス材や鋳造材ではなく、アルミ押し出し材がほとんどの軽量なアンダーボディ構造であることに言及するためだ。
巨大なレーシングプロトタイプなどでは、チューブラーフレームのほうがおなじみだと思うが、iXのフレームシャシーはそれらと異なる。2003年のロールス・ロイス・ファントムや、さらに遡って1999年のBMW Z8などで謳われたほうのスペースフレームだ。
iXの場合、この構造スタイルにより、ほかの工法より軽量・高剛性に仕立てられた。とはいえ、それとは別の理由によって、軽いとは言えないクルマになってしまった。全長は5mに迫り、全高は1.7m目前という巨体で、床下には駆動用のリチウムイオンバッテリーが敷きつめられている。総容量は、エントリーグレードのxドライブ40が77kWh、上位グレードのxドライブ50とM60が111kWh。さらには、全車とも2モーター式4WDだ。
そのため、もっとも軽量な仕様でも2365kgに達する。テスト車の実測値は2593kgで、xドライブ50 Mスポーツのカタログ値より83kg重いが、これは英国仕様に標準装備されるエアサスペンションとアクティブ四輪操舵システムによるところが大きそうだ。
2017年に計測したベントレー・ベンテイガのディーゼルモデルに比べれば、ちょうど50kg軽い。とはいえ、足を轢かれて無事で済むような重さではない。
ところで、2022年現在、10万ポンド(約1550万円)級の高級EVになにを求めるだろうか。スーパーカー並みのパワーというなら、618psのM60がある。0-100km/h加速の公称タイムは3.8秒だ。これまでの水準を塗り替えるような航続距離がほしいというなら、xドライブ50がおすすめだ。WLTPサイクルのテストデータは、最大629kmに達する。
4WDによる全天候型の走行性能や、SUVならではの室内の広さと万能性は、いずれのグレードにも備わっている。いずれをとっても、iXは期待に応えてくれるはずだ。
ただし、エレガントさや控えめなデザインを最優先するなら、話は違ってくる。このクルマの登場以来、そのスタイリングは賛否両論を巻き起こしてきた。もっとも、このロードテストはあくまで客観的指標に基づく検証を旨とするので、主観的な解釈についてはこれ以上触れないことにしておこう。
ただし、このクルマにきわめて根本的なレベルで買いたいと思えないものを感じているという読者は、きっとお気づきだろう。そう思っているのは自分だけではない、ということに。
内装 ★★★★★★★★★☆
フレームレスドアを開け、乗り込んだキャビンは、外観ほどどぎつくはない。むしろ、ちょっとばかり普通すぎるくらいだ。
大柄なフロントシートはヘッドレスト一体型で、座面はかなり高く、脚を曲げてペダルを踏むポジションだ。前方視界はいいが、肩越しと後方はそれほどでもない。
前席周りや両サイドのパネルとコンソールのデザインテーマは、華やかさが際立つというものではない。目が眩むほどクロームを乱用したり、手の届くところが軒並みタッチパネルになっていたりする類の高級車とは異なる。
デバイスのサイズはほどほどで、マテリアルと仕上げは魅力的な高級感を放つが、やや控えめで、円満にバランスの取れた雰囲気だ。集中力を削ぐものはなく、スマートで魅力的。しかも、くつろがせてくれる。
iXのキャビンには、先行したオール電化モデルのi3との共通性が確かにある。フラットなフロアは、前席のフットウェルが左右繋がっている。スカットルは低く感じられ、ステアリングホイールは2本スポークで、高さのあるセンターコンソールは2段式でストレージが設けられている。
いっぽう、メーターパネルとインフォテインメント用画面が一体化したディスプレイはi3より幅広く、曲面を描く。ドライバーの方へわずかに傾けたそれは、ダッシュボードの上面に大きく広がっている。
居住スペースに関して、不足はほとんどない。後席は、フルサイズサルーン並みのレッグルームがあり、ヘッドルームでは凌いでいて、乗降性にも優れる。ただし、クッションはサルーンのリアシートより短くてフラットだ。
ほかの高級SUVのようなスタジアムスタイルにはなっていないが、それでも後席からの眺めは良好だ。携帯デバイスの充電をしようという場合には、目の前の前席シートバックにポートが備わっている。
対して荷室は、サイドまで回り込んだテールゲートから想像するよりやや幅が狭く感じる形状だ。とはいえ、ウインドウのラインより下の荷室容量は、後席使用時でも500L確保されている。3分割の後席シートバックを倒して、天井近くまで荷物を積めば、一般的な3ボックスセダンでは太刀打ちできない積載量を発揮する。
走り ★★★★★★★★★☆
iXのカットガラスを用いたセレクターレバーは、たしかに魅力的だが、やや小ぶりで扱いにくく、ブラインド操作はしづらいので、クルマとの一体感が湧きづらい。また、他社のEVは多くがステアリングコラムに回生ブレーキの効き具合を調整するパドルを装備しているが、BMWは相変わらずそれを取り入れるする気がないらしい。
回生ブレーキのセッティングは、インフォテインメントディスプレイ経由で変更することはできる。けれども、この電動パワートレインに、マニュアルで働きかけることのできる部分はあまりない。
それでも、元気が足りないことはない。そこは期待通りだ。スタンディングスタートは非常にスムースで、粗さやエネルギーの無駄遣いを感じさせるところはない。これだけ大きなクルマとしては、かなり活発な走りだ。
全開にすると、4.4秒で97km/hに、10秒ジャストで161km/hに達する。われわれが実用加速性能のベンチマークとしている48−113km/hは3.4秒だ。先に名前の出たトリプルターボのベンテイガ・ディーゼルと比較するなら、トルクはベントレーのほうが13.3kg−m上回るが、タイムは最初の項目が1秒以上、次が2.5秒、最後が4.6秒、それぞれ余計に要した。
さらに競合モデルを引き合いに出すなら、アウディE−トロンSクワトロは、3モーターを搭載し、ベントレー以上のトルクを発生するが、3つの加速スコアのうちふたつでBMWの後塵を拝する。なぜそうなったのだろうか。
電動車や、そのモーターについて、どれも同じような項目を引き合いに出してパフォーマンスを比較しがちだが、iXに関していえば再考が求められる。
搭載する電気励起モーターは、ペダル操作へのレスポンスや加速性能に優れるのみならず、スタミナもある。単なる永久磁石モーターに比べ、高速道路の速度域以上に入っても大トルクを出し続けることができるのだ。
しかしながら、それが現実的な状況における高級車の走りにおいてどのようなかたちで表れるのかといえば、話はシンプルだ。推進力と速度のコントロールが、超絶優れたものになるのである。
iXは目を見開くような速さを秘めているが、そのポテンシャルをフルに引き出せる機会はめったにないはずだ。スロットルペダルを軽く踏んだだけでも、瞬間的にドライバーの意図へ反応し、音もなくといっていいほど、みじんも苦労することなく思い通りに走らせることができる。じつにみごとだ。
もしも注文をつけるとすれば、先に触れた回生ブレーキのセッティングに関する部分だ。より手軽にアジャストできるようになれば、ドライバビリティをさらに改善できるだろう。
BMWが用意したアダプティブ回生モードは、同種の設定の多くがそうであるように、ときとして予期せぬ遅れが生じる。たとえば、レーンチェンジや、コーナーやジャンクションにアプローチする際の、接近車両の検知などにおいてだ。
高級車には、予測性や一貫性が不可欠だ。その点、iXには若干の改善が求められる。
使い勝手 ★★★★★★★★★☆
インフォテインメント
iXには、BMWの最新インフォテインメントシステムであるオペレーティングシステム8.0が搭載されている。エンタテインメント系のコネクティッド機能に、不足はまったくない。
操作方法は複数ある。まずは14.9インチの曲面タッチ式センターディスプレイ。これは明るく鮮明で、反応もいい。次におなじみiドライブ式のダイヤルで、BMWのシステムの使いやすさを支えるこの入力デバイスが引き続き採用されたのはじつに喜ばしい。
さらに、ステアリングホイールのリモコンと、音声入力も用意されている。つまり、視線を路面から画面へ向けてカーソルを動かしてもいいし、腕を伸ばしてスワイプやタップをするのがイヤなら、それをしないでも済ませることもできる。
悪い話もある。エアコンの操作系もディスプレイに盛り込まれていることだ。空調を操作するには、メニュー画面を一度余計にスクロールしなければいけないのはちょっと残念だ。
とはいえ、実体のショートカットボタンも十分に用意されているので、慣れれば比較的複雑なシステムを簡単に扱えるようになる。ホーム画面が好みに合わせて設定を変えられ、スワイプでメニューを切り替えできるのも、使い勝手を高めている。
燈火類
テスト車は、オプションのレーザーライトを装備。このアダプティブLEDヘッドライトは、照射範囲もアダプティブ機能もすばらしい。対向車の眩惑防止には上々の効果を発揮するだろう。
ステアリングとペダル
広々としたフットウェルには、十分なサイズのペダルが絶妙に配置されている。ステアリングコラムの電動調整は、可動域が大きく取られている。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
このBMWがパワフルで速いのはたしかだが、その定義づけはなによりもまず高級車であることで、パフォーマンスは二の次になるクルマだ。いついかなるときも、操縦は楽で、無駄な労力を必要としない。
低速での俊敏さや取り回しやすさ、運転しやすさは、これほど大きなクルマとしては驚くほどだ。また、高速域での確かな足取りやスタビリティにも同じことが言える。なだらかなカントリーロードでのボディコントロールは、精確で落ち着きあるものだ。
ほとんどの点で、iXのハンドリングは間違いなく、楽に大きなボディを扱えて役割をこなすことができるものだ。しかも、安心感やくつろぎ、快適さを求めた、ダイナミクスの狙いにも忠実に沿っている。
ステアリングの手応えはほどほどで、フィルターを通したようなフィール。標準装備のインテグラルアクティブステアリングシステムは、高速域での切りはじめを低速での取り回しの際より穏やかにするが、ロックトウロックは2.5回転を切るのでかなりダイレクトだ。
このシステムのよくできたチューニングにより、ラウンドアバウトやタイトなジャンクションへ速いペースで入っても、思ったより小さく軽いクルマに乗っている感覚で運転できる。いっぽうで、高速ランプを曲がっていくようなときには、より安定した走りをみせる。もっとも、これはいまや目新しいものではなく、競合するSUVが同様のデバイスを持ち合わせていないというわけでもない。
とはいうものの、この操舵系と、コーナーでの粘りをもたらすに十分な横グリップとボディコントロールを併せ持つシャシー、アペックスを過ぎて加速するにつれリアタイヤがフロントよりもちょっとばかり余計にがんばるトルク配分との相乗効果で、5m近い全長と2t半の重量を持つ電動ラグジュアリーSUVが、BMWらしいハンドリングを発揮するさまは、なかなかのものだ。
このiXのハンドリングバランスは控えめで、敏捷性についてはおとなしいが、背が高く、幅広く、重いクルマとしては注目に値するものがある。とはいえ、それはこのクルマの運動性能において一番の強みではない。そのサイズ感は無視できないし、広い車線とスムースな路面のほうが向いているので、シャシー性能を試す場所は慎重に選ぶ必要がある。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★★
快適性と静粛性こそ、iXの優秀さが真に発揮される分野だ。ノイズや振動を生む内燃エンジンを積まない高級車であれば、それは当然と考えるかもしれない。しかも、ロードノイズを抑える助けとなる大きなホイールアーチや、路面のバンプをスムースにいなすエアサスペンションを備えているのだから。
しかし、多くのハイエンドEVがこの10年ほど、本当に革新的な走りの洗練性を提示しそびれてきている。その理由はひとつならずある。対してiXは、そのポテンシャルを示したばかりか、それ以上といえるほどの結果を見せつけた。
テスト車は22インチもの大径ホイールをを装着していたにもかかわらず、80km/h走行時のロードノイズと風切り音を合わせた室内騒音は、たったの58dBAだった。これは、2020年に計測したロールス・ロイス・カリナン・ブラックバッジと同レベルで、さらに2年前のジャガーIペイスよりたっぷり5dBAは低い。
運転席にいると、ドアミラー周辺からわずかな風音が聞こえてくるが、シーリングのしっかりしたボディのおかげでロードノイズはほとんど耳に届かない。より高い速度域では、波長の長い入力の処理も上々で、このクルマの落ち着きを乱すことはまったくない。より尖っていて、突如として入ってくるそれも、ホイールのスペックを考えると驚くほどうまく角を丸めてしまう。
反響や虚ろな感じ、エアサスペンションにありがちなバウンドする感覚もない。ホイールコントロールも、一貫してよくできている。
これは、わざとソフトな感じにして、ふわつかせているクルマではない。それよりやや引き締まった感じで、落ち着いたフィーリングだが、しなやかで安定している。それに気付かされるのは、シャシーが前に突き進み、旋回軸を中心に回るにつれて、前後どちらかのアクスルがもう一方より余計に機能するときだ。
しかし、それは主に、背の低いセダンよりロール軸がずっと高い、SUV本来の性質によるものだ。iXの乗り心地はほとんどの点で、筋が通った非難を受けるようなことがないほど、非常に優れたものに仕上がっている。
購入と維持 ★★★★★★★★★☆
エントリーグレードのxドライブ40の価格は、7万ポンド(約1085万円)以下から。マーケットですでに地位を確立しているプレミアムブランドの電動SUV、メルセデス・ベンツEQCやジャガーIペイスとの競合が考えられる。対して上位グレードは、もっと風変わりなモデル、テスラ・モデルXプレイドやアウディE-トロンSクワトロのライバルとなるだろう。
テスト車両が見せたパフォーマンスや洗練性、万能性や広さを考えると、フルサイズのレンジローバーと同程度の9万6905ポンド(約1502万円)という価格は、リーズナブルだというのが大方のテスターの感想だ。ただし、この高価格を正当化できる商品力があるのか、疑問を呈する声があったのも事実だが。
このiXは、2022年における電動車を走らせる上で最大の障害をクリアできてはいるのだが、期待したほど安心して乗れるものではないかもしれない。寒い中でのテストでは、高速道路を114km/h巡行した場合、100%充電で航続距離が441km、80km/hで525kmだった。
平均電費は、動力性能計測も含めて3.9km/kWhだ。ジャガーやメルセデス、アウディのライバル車には水を開けているが、おそらくそのマージンは期待値に届いていないといえるだろう。
DC急速充電は、最大200kW対応が標準仕様だ。10~80%チャージの所要時間は、30分以下に抑えることが可能だが、あくまで最大値での充電が可能な施設を使えば、という条件付きの話だ。
スペック
レイアウト
BMWは、iXの構造体をカーボンケージと呼ぶ。7シリーズのカーボンコアとは異なるものだということだ。これはアルミ押し出し材のシャシーに、CFRP部材を組み合わせたもの。ボディパネルも軽量素材を用いる。
前後アクスルに1基ずつ配置した電気モーターは、リアのほうがパワフル。四輪エアサスペンションと、四輪操舵を装備する。前後重量配分は48:52だ。
パワーユニット
駆動方式:フロント・リア横置き四輪駆動
形式:励起同期電動機
駆動用バッテリー:水冷式リチウムイオンバッテリー、111.5kWh(グロス値)/105.2kWh(ネット値)
最高出力:523ps/-rpm
最大トルク:78.5kg-m/-rpm
許容回転数:16000rpm
馬力荷重比:209ps/t
トルク荷重比:31.2kg-m/t
ボディ/シャシー
全長:4953mm
ホイールベース:3000mm
オーバーハング(前):906mm
オーバーハング(後):1047mm
全幅(ミラー含む):2203mm
全幅(両ドア開き):3900mm
全高:1695mm
全高:(テールゲート開き):2220mm
足元長さ(前):最大1110mm
足元長さ(後):最大780mm
座面~天井(前):最大1010mm
座面~天井(後):最大960mm
積載容量:500~1750L
構造:アルミスペースフレーム/CFRP部材
車両重量:2510kg(公称値)/2593kg(実測値)
抗力係数:0.25
ホイール前・後:10.0Jx22
タイヤ前・後:275/40 R22 107Y
ブリヂストン・アレンザ001 B-サイレント
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:1速リダクションギア(前/後)
ギア比
最終減速比:-
リダクション比・前/後:8.8:1/11.1:1
1000rpm時車速・前/後:16.7km/h/13.2km/h
電力消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:3.9km/kWh
ツーリング:4.2km/kWh
動力性能計測時:1.9km/kWh
メーカー公表値:消費率
混合:4.3~5.0km/kWh
公称航続距離:549~629km
テスト時平均航続距離:406km
CO2排出量:0g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン、アクティブレシオ、四輪操舵
ロック・トゥ・ロック:2.45回転
最小回転直径:9.3m
ブレーキ
前:348mm通気冷却式ディスク
後:345mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:自動(センターコンソール右側にスイッチ配置)
静粛性
アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):69dBA
48km/h走行時:55dBA
80km/h走行時:58dBA
113km/h走行時:63dBA
安全装備
ABS/DSC/ASC/DTC/ASR/CBC/DBC/フェード調整
Euro N CAP:5つ星(xドライブ40、左ハンドル)
乗員保護性能:成人91%/子供87%
交通弱者保護性能:73%
安全補助装置性能:81%
発進加速
テスト条件:湿潤路面/気温7℃
0-30マイル/時(48km/h)2.1秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.5秒
0-60(97):4.4秒
0-70(113):5.5秒
0-80(129):6.8秒
0-90(145):8.3秒
0-100(161):10.0秒
0-110(177):12.2秒
0-120(193):15.2秒
0-402m発進加速:12.8秒(到達速度:181.2km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アウディE-トロンSクワトロ(2021年)
テスト条件:軽い降雨/気温10℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.5秒
0-50(80):3.3秒
0-60(97):4.2秒
0-70(113):5.4秒
0-80(129):6.8秒
0-90(145):8.5秒
0-100(161):10.8秒
0-110(177):13.7秒
0-120(193):17.6秒
0-402m発進加速:12.9秒(到達速度:173.0km/h)
0-1000m発進加速:24.0秒(到達速度:202.5km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):1.4秒
30-50(48-80):1.4秒
40-60(64-97):1.6秒
50-70(80-113):2.0秒
60-80(97-129):2.4秒
70-90(113-145):2.7秒
80-100(129-161):3.2秒
90-110(145-177):4.0秒
100-120(161-193):5.2秒
制動距離
テスト条件:湿潤路面/気温7℃
30-0マイル/時(48km/h):10.5m
50-0マイル/時(64km/h):29.4m
70-0マイル/時(80km/h):57.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.42秒
ライバルの制動距離アウディE-トロンSクワトロ(2021年)
テスト条件:軽い降雨/気温10℃
30-0マイル/時(48km/h):10.1m
50-0マイル/時(64km/h):28.2m
70-0マイル/時(80km/h):56.3m
結論 ★★★★★★★★★☆
BMW iXのすべてに惚れ込むことはないかもしれない。しかし、高級EVとして成したことは、認めざるをえない。
まずはキャビンの大型SUVらしい快適さと万能性、そして心からリラックスできる控えめなラグジュアリーさが挙げられる。次に、世界トップレベルの洗練された走りとドライバビリティ、瞬間的で苦もなく得られるパフォーマンス。さらには、賞賛に値する実用航続距離。それらのコンビネーションは、市場に存在するどのゼロエミションSUVにも敗れることはない。
10万ポンド(約1550万円)級の高級車としては、このうえなく目的に適い、間違いなく完璧な魅力を備えている。たとえ、トップレベルのEVに期待される航続距離という点で壁を破り、誰にも文句を言わせない、というほどではないにしてもだ。
とはいえ、高級商品のデザインとしてみたとき、御眼鏡にかなわなかったとしたら、そのひとにはせっかくの優れた中身も知ってもらえずに終わる。それこそが、単純明快な問題点だ。
われわれテスター陣の中には、最近のBMWのデザインに関するアプローチが、難解な物件を送り出し続けているという声もある。
いっぽうで、このクルマに代表されるトラディッショナルさの薄い商品ポジショニングや、それを求めるオーナーについて、異なる意見もあった。それらがこのiXを、われわれが生きる先行き不透明で急速に変わりつつある時代における、やや消極的な、まさしく新しいステイタスシンボルとするのではないか、というものだ。そういうものなのかもしれない。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダース六角形のステアリングホイールが扱いにくいというテスターも多かったが、個人的にはそうでもなかった。おそらく、四輪操舵が効けば、それほど頻繁にリム上で手の位置を変えなくていいからだろう。実を言うと、運転しているうちにその角の部分も好きになった。指先を自然に置いて、休ませておくのにちょうどよかったからだ。
リチャード・レーン洗練された乗り心地と緊密なボディコントロールは、このクルマにおける最大の功績だといえる。しなやかでショックをしっかり吸収してくれるが、それでいてどことなく穏やかな緊張感を伴うのだ。
オプション追加のアドバイス
可能であれば、バッテリー容量の大きいxドライブ50を選びたい。テクノロジープラスパックは5000ポンド(約77.5万円)、コンフォートプラスパックは3900ポンド(約60.5万円)と高価だが、とにかく追加しておこう。航続距離を最大限伸ばしたいなら、最大サイズまでホイールをインチアップするのは厳禁だ。
改善してほしいポイント
・きわめて異彩を放つ、自己主張の強いエクステリアは、もう少しだけ穏やかにしたほうがよさそうだ。
・回生ブレーキの調整用パドルを、ステアリングホイールに設置してほしい。
・バッテリーの開発はさらに進めてもらいたい。どんな走り方でも巡航速度でも、掛け値なしに480km走れるようになれば、心理的な障壁がまたひとつ破られることになる。
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BMWはデザイナーをクビにすべき。