■中途半端な「海老名起点」その先は
東名高速のバイパスとして活躍する「新東名高速道路」。海老名南JCT・伊勢原JCTから豊田JCTまでの全通まで、未開通区間はいよいよ残り「1区間」だけとなっています(新秦野~新御殿場)。
ところで、新東名は海老名が出発点。中途半端な始まりかたです。東名が大和周辺で大渋滞しているのもあり、もっと都心のほうへ伸びてほしいものです。
実は新東名も、都内への構想ルートは存在します。いまその構想はどうなっているのでしょうか。
その「新東名の東京ルート」とは、海老名から横浜泉IC(仮)を経て、東京都内の玉川IC(仮)へ到達するものです。
この構想は、日本における高速道路整備の土台となる、1966年制定の「国土開発幹線自動車道建設法」における「予定路線」のひとつに挙げられています。そこで新東名にあたる路線は、東京~愛知で設定されています。
この法律では7600kmにおよぶ予定路線が決定されており、優先順位の高い路線から「基本計画路線」「整備計画路線」に昇格していき、少しずつ少しずつ事業化され、開通を迎えていきました。今や、気が付けばほぼ全てといっていいレベルまで事業化に漕ぎつけられ、あるいはその一歩手前の状況となっています。
それらの全国の高速道路の「基本計画」で、最後の最後まで取り残されている路線が、この新東名の「東京ルート」なのです。
ではなぜ、今までこの構想路線は放置されたままなのでしょうか。まず考えられる理由が、「別の高速道路の計画が、このルートと重なっている」という点です。
湘南方面~横浜市内陸部~玉川というルートでピンと来た人がいるかもしれません。
今まさに、圏央道の横浜区間が大詰めを迎えています。藤沢ICからさらに東進し、栄IC・JCTを経て釜利谷JCTあるいは戸塚方面へつなぐ「高速横浜環状南線」「横浜湘南道路」です。
ここから有料道路を乗り継げば、新保土ヶ谷ICから横浜新道・第三京浜を経て玉川ICまで到達します。これらはほとんど、当初「新東名」の一部として想定されていたネットワークをなぞっている形になります。
とはいえ、新東名の延伸の話が完全に消えたわけではありません。たとえば神奈川県は「まずは海老名から横浜泉までは実現したい」というスタンス。これは2025年目標の10か年整備計画「かながわのみちづくり計画」で明らかにされています。
なぜ横浜泉までなのか。実は「横浜環状南線」は、現在工事中の終点・戸塚IC(国道1号と接続)から、さらに北へ延伸する構想「横浜環状道路 西側区間」があるのです。これは最終的に、都筑区のあたりで横浜北西線へ接続することになっています。
この「横浜環状道路 西側区間」が横浜泉を通過するルートになっているため、新東名の延伸線がそこに接続すれば大団円、というわけなのです。
東京都は今のところ、まちづくりプランなどで「新東名が都内まで来てほしい」というスタンスを特に明らかにしていません。
つまり新東名は、将来的に横浜泉まで伸びることはあっても、玉川までやってくることは無い。現時点で、そのような動きとなっています。
では、横浜泉まで延伸するのはいつになるのでしょうか。神奈川県は「海老名以東への延伸」について、定期的に国に要望をおこなっています。しかし、事業化までの「お膳立て」となる概略ルートの検討などの動きは、全く見られません。
神奈川県はその理由を明らかにしていませんが、まずは新東名の「新秦野~新御殿場」の開通が何よりも最優先。地元としてバックアップし続けているなか、海老名以東の話に予算を割り振っている余裕は無いのかもしれません。
先般、2024年度予算の概要が発表されましたが、海老名以東の検討についてはやはり触れられていません。もちろん要望活動などの小規模予算は継続されると思われますが、踏み込んだ動きは次の1年間も特に無さそうです。
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みんなのコメント
現実的にはあとちょっとの横浜環状南線の開通にかけるしかないな。