関係性の分かりにくい意外な組み合わせも
ビジネスの世界では比較的一般的な異業種コラボ。自動車に関しても例外ではなく、例えばファッションブランドやアパレルブランドとコラボしたモデルであったり、SUV系の車種であればアウトドアブランドとコラボしたモデルがあったりと、どちらかというと親和性の高いジャンルと言える。
よくぞ作ってくれました! 時代を先取りした奇想天外な珍車たち【トヨタ車編】
しかし、一方で一見すると関係性の分かりにくい意外なコラボ作品が存在したのも事実。今回はそんな奇想天外な特別仕様車をご紹介しよう。
三菱 × 阪神タイガース
プロ野球チーム「阪神タイガース」が1985年以来18年ぶりのリーグ優勝を果たした2003年のこと。そんな絶妙なタイミングで三菱から発売されたのが『阪神タイガースエディション』だった。
タイガースのお膝元である近畿地区限定で販売された特別仕様車は、なんと第3弾まで登場。まず第1弾は初代の「eKクラッシィ」をベースにしたもので、球団マスコットの虎をイメージした「イエローソリッド」の専用色をまとった1台。”虎”をイメージした外装色だけにとどまらず、ドアを開けた際には、阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」のメロディが流れるオルゴールを採用するなど、まさにファン垂涎(?)の特別装備を採用した。
そして、阪神タイガースエディションの第2弾は商用バンの「ミニキャブバン」をベース。ボディサイドパネルとリヤの左側に阪神タイガースの球団マークをデザインした大型ステッカーを配したもの。第1弾のeKクラッシィに比べて地味とはいえ、トラキチな自営業者を唸らせたはず。
最後は「eKスポーツ」をベースにした第3弾モデル。成約者には番号ステッカーが2枚プレゼントされ、お気に入りの選手の背番号を貼ることが可能となっていた。さらにシートの脇にはセ・リーグ制覇記念日である”9月15日”のロゴを与えたり、ステアリングにも”HANSHIN Tigers”のプレートを備えるなど、タイガース色の濃い仕様だった。
スズキ ワゴンR × LOFT
セカンドカーや近所のアシといった割り切った使い方をされてきた軽自動車に、ファーストカーとしても使えるスペースユーティリティを実現させた「ワゴンR」。日本の自動車史の中でも長く語り継がれるであろう”名車”のひとつだろう。 そんなワゴンRと生活雑貨でおなじみの「LOFT(ロフト)」がコラボしたモデルが存在していた。当時のカタログには存在していなかった”ブラック”のボディカラーを採用したことも印象的だが、なによりも大型のガラスサンルーフが備わっていたことが”LOFT仕様”最大の特徴と言えるだろう。 なお、同時期に「セルボモード」にもLOFTグレードが設定されていたが、こちらはサンルーフは備わらなかったため、あまり知名度は高くない。
日産 マーチ × 無印良品
生活雑貨から食料品まで幅広く自社ブランドで展開する「無印良品」。そんな同社が日産とタッグを組んで2001年4月にリリースしたのが、『Muji+Car1000』だった。見ての通りベース車は2代目の「マーチ」であるが、無印良品が提案する自動車というスタンスで販売。限定1000台をインターネット経由で申し込むという、当時としては画期的な販売手法が取られていた。
車両は無印良品のコンセプトと同じくシンプルなもの。1リッター、2WD、3ドア、4ATのみの設定でボディカラーも専用色のマーブルホワイトのみ。用意されたオプションもフロアマットとシートカバーのみという割り切りっぷりであった。
ミツオカ オロチ × エヴァンゲリオン&デビルマン
10番目の国産自動車メーカーとして個性的な車両をリリースし続ける「光岡自動車」。なかでも2007年からデリバリーが開始された「オロチ」は、”ヤマタノオロチ”をモチーフとした有機的なエクステリアが特徴の“ファッションスーパーカー”であった。
唯一無二の個性が持つパワー(ルックス)は絶大で、2014年には「エヴァンゲリオン」と、2018年には「デビルマン」という人気アニメと強力タッグ。限定1台のみという特別仕様車を販売していた。 そのプライスも衝撃的であり、エヴァンゲリオン オロチが1600万円、デビルマン オロチが1968万円という設定。どちらも紛れもないオンリーワンの車両となっていたのだ。
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