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ホンダ「CB400SF」の魅力を伊藤真一さんが徹底解説!【試乗インプレ2020年・ロングラン研究所】

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ホンダ「CB400SF」の魅力を伊藤真一さんが徹底解説!【試乗インプレ2020年・ロングラン研究所】

1992年のデビュー以来、モデルチェンジと熟成を繰り返しながら400ccロードスポーツの雄として君臨するCB400SF。伊藤真一さんにとっても思い入れのある1台は、その能力を遺憾なく発揮した!

語り:伊藤真一/まとめ:宮﨑健太郎/写真:松川忍/モデル:大関さおり

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ホンダ「CB400 SUPER FOUR」試乗インプレ(伊藤真一)
4バルブに切り替わるとトルクは一段と増強。そのエンジンとフレームとの一体感は感動レベルにある

この連載「ロングラン研究所」でCB400SFを取り上げるのは、2018年以来になりますね。1992年に初代モデルがデビューし、ハイパーVTECを採用した2代目が1999年…。それからもモデルチェンジを受け続けて20年以上販売された人気モデルだけあって、抜群に出来が良いバイクだな、と今回のテストでも思いました。熟成され尽くしているという感じで、アラ探しするのが難しいくらいです(笑)。

前回の試乗では、エンジンについては特に2バルブ作動時のフィーリングがとても良かったことを覚えています。ただ前回は高回転で4バルブ作動に切り替わったとき、演出なのかな? と思わせるくらいに荒々しさを感じたのですが、今回はそのラフな感じはありませんでした。

CB400SFの気持ち良い走らせ方は、自然とスタートしてからすぐに6速までシフトアップするような操作になります。早めに6速に入れると、スロットル操作に対する「ドンツキ」が薄れるので、乗りやすさが際立つようになりますから。

5速と6速ばかり使っていたのですが、6速で30km/hでも2000~3000回転くらいエンジンが回っています。この低速域で高いギアでもスナッチもなくノッキングする気配もなく、トップエンドまで気持ち良くエンジンが回ります。CB400SFのハイパーVTEC Revoは、6速ではスロットル開度に関係なく6750回転で2バルブから4バルブに切り替わる設計ですが、切り替わりは本当に音でしか判別できず、トルクの谷などを感じることはありません。音が変わって、トルクが一段と増える感じですね。

これは高い技術と抜群のセッティングによるもので、減速時の燃え方も非常にフィーリングが良く、エンジンについての不満はまったくないですね。

車体については、これも前回の試乗で感じたことと一緒なのですが、不思議とダブルクレードルの鉄フレームに、4気筒エンジンが載っかっていることを意識させないですね。CB/CBRの250や400系の、ダイヤモンドタイプの鉄フレームとエンジンの組み合わせは、フレームにエンジンが吊り下がっている感覚や、鉄フレームならではの「遅れ」をハンドリングに感じたりするのですが、CB400SFにはそれが全くないのです。

鉄のダブルクレードルフレームだからか? とも考えましたが、自分が所有している80年代のCB750Fは同じダブルクレードルではあるけれどやっぱりエンジンの存在感というか、機関重量を乗っていて感じます。

例えるならCB400SFは、変な話に聞こえるかもしれませんが、ツインスパーのアルミフレームに各所がリジッドマウントされているような、エンジンとフレームの一体感を覚えますね。アルミスイングアームも2本ショックですが、リンクサスのような動き方で微小ストロークから非常に自然な作動感が得られます。

フロントサスペンションは一般的な構成で、スーパースポーツ用のBPFフォークなどではありませんが、正立フォークのスタンダードな感じの良いフィーリングがあります。自分はロードレースで長年、ショーワさんの足回りに親しんできたこともあり、この「ショーワ」のフィーリングがCB400SFにとてもマッチしているな、と感じました。

フレームとエンジンの組み合わせ、そして前後サスペンションの仕上がり…。このCB400SFの車体の完成度に、文句をつけられる人はいないと思います。

今回の試乗で特に、足回りで興味深かったのは、前後に扁平率60のタイヤを履いていて、これだけ上手く操縦安定性をまとめていることでした。タイヤのエアボリュームが少ないと、コーナリングで限界が突然来たりするものなのですが、CB400SFにはそういう感じがないのです。

120km/hまでのパフォーマンスや心地よさ…。日本国内の道路事情や免許制度に最もマッチしている!

扁平率60のタイヤを採用したのは、ハンドリングのキビキビ感を出したかったからだと思います。フロントを70にすると、ハンドルが重くなりますから。フロントリムも3.50サイズですが、「よくぞここまで上手くハンドリングをまとめ上げた!」と感心しました。本当に自信を持って、多くの人にお勧めできるハンドリングです。

自分は90年代を中心に人気があったネイキッドモデルでのロードレース体験はないのですが、10年以上前にレーシングスクールの先生役でCB400SFでサーキットを走った経験はあります。そのとき思ったのですが120km/hまでの速度域はサーキットを走っていて楽しいけど、それを超えた速度レンジではエンジン的にも車体的にも、CB400SFで「これ以上頑張っても…」という気持ちになったのを覚えています。

最近は高速道路120km/h制限の運用が一部地域で始まっていますが、今回の試乗でCB400SFは120km/hまでの速度域で、一番楽しめるバイクであると改めて思いました。日本の国土や日本の免許制度などのバイク事情に、CB400SFは一番適化したバイクと言えるのかもしれません。

もしCB400SFの600cc版があったら? そうなるとスピードレンジがもっと高くなりますから、ラジアルマウントの制動力が高いフロントブレーキが欲しくなったり、もっと高剛性のフロントフォークが欲しくなったりするでしょうね。でもそうなると、120km/hまでの速度域で一番楽しめるバイクとしての、CB400SF的な良さは失われるでしょうから、600cc版は違う方向性を狙うことになると思います。

ずばりCB400SFは、「日本の名車」ですね。今は自動二輪車の枠では400ccのモデルが減っていますが、自動二輪全体を見てもCB400SFのように、バイクのスタンダード基準になるようなモデルはなかなかないと思います。一般にミドルレンジのバイクに対し、皆がそこまで求めないということもあるのでしょうが、CB400SFのように徹底的に手をかけて開発したモデルは非常に稀少ですね。もし自分が愛車として選ぶなら? そうですね…、好みとしてはブルーメタリックのカラーリングを選びます。

ホンダ「CB400 SUPER FOUR」注目のポイント
燃え方からトルクの出方まで、全てがパーフェクトな4気筒!

CB400SFの4気筒エンジンは、燃え方からトルクの出方まで、すべてがパーフェクトじゃないですかね? スロットル操作に対し、ちょっと意図的に"ドンツキ"っぽくしているところもありますが、これは大型車に比べ排気量の小さいモデルには必要な味付けなのでしょう。この感じがないと走行フィーリングが、マッタリしたスムーズすぎる印象になってしまうと思います。

編集部員と話していて、改めて「ああ、CB400SFは電子制御スロットルじゃないんだ」なんて思ってしまいました。確かに、戻したときに若干ですが負圧の作用でスロットルが重く感じるときがあります。でも一般の方ならば、相当意識しないとわからないレベルです。電子制御スロットルではないことに、不満を覚えることは全くないくらい、よくセッティングされていることに感心しました。

カタログスペックでの最高出力は56馬力ですが、実際に乗るとその数値の割には「速い!」と感じます。先月この連載で取り上げたレブル500とは正反対のキャラクターで、当然のことですが単室容積の大きいレブル500に比べると、線の細さをCB400SFに感じるかもしれません。ただ、CB400SF単独で評価した場合はそのエンジン性能に不足感を感じることはないでしょうね。

税込88万4400円~92万8400円という価格を高いと感じるライダーも、もちろんいるでしょうけど、自分はこの出来栄えを考えたら、CB400SFはパフォーマンスの割に高価なバイクだとはけっして思わないですね。

一般的なマウント方式の良さが光る、ABS付きフロントブレーキ

今、スーパースポーツのフロントブレーキキャリパーの取り付けはラジアルマウントが全盛ですが、ラジアルマウントがすべてにおいて優れている、というわけではありません。

一般的な(アキシャル)マウントは、ある程度しなったり傾いて倒れたりすることで、ブレーキの存在感を感じられると言いますか、コントロールの幅が出ます。CB400SFのブレーキは90年代に自分がホンダNSR500などでロードレースを戦っていた時期の「ニッシン」さんのフィーリングの良さを思い出させてくれますね。ABSとのマッチングも適切ですし、CB400SFの速度レンジに合ったとても仕上がりの良いブレーキだと思います。

ホンダ「CB400 SUPER FOUR」各部装備・ディテール解説
ホンダ「CB400 SUPER FOUR」足つき性・ライディングポジション
CB400 SFのシート高:755mm
ライダーの身長:179cm/パッセンジャーの身長:173cm

「ライディングポジション的には意外と上体が起きていて、ハンドルへの距離感はちょうど良い所にある…という感じですね。足着き性も良好ですし、不満を覚えるところは全くなありません。リアブレーキの位置も使いやすいところにあり、Uターンもとてもしやすいです。CB400SFの扱いやすさに、文句をつけられる人っていないと思いますよ」と伊藤真一さん。

大関さおりさんもCB400SFのタンデムのしやすさと、タンデムシート上での快適さを、非常に高く評価していました。

ホンダ「CB400 SUPER FOUR」主なスペックと価格
●全長×全幅×全高:2080×745×1080mm
●ホイールベース:1410mm
●シート高:755mm
●車両重量:201kg
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
●総排気量:399cc
●ボア×ストローク:55.0×42.0mm
●圧縮比:11.3
●最高出力:56PS/11000rpm
●最大トルク:4.0kg-m/9500rpm
●燃料タンク容量:18L
●ブレーキ形式 前・後:ダブルディスク・ディスク
●タイヤサイズ前・後:120/60ZR17・160/60ZR17
●税込価格:88万4400円/2トーンカラーは92万8400円

[ アルバム : 【写真21枚】Honda CB400 SUPER FOUR はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

10件
  • これはやっぱりカッコいいね!
  • 私もCB400SFは、本当に素晴らしいバイクだと思います!
    しかし、価格は絶対に高過ぎると思います!!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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