日本発売は来年 4代目LX初公開
執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
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編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)
10月14日。レクサスは、新型「LX」をサウジアラビアとアラブ首長国連邦で世界初公開した。日本での発売は、2022年初頭を予定している。
LXは、小さい方からUX/NX/RX/LXとラインナップされる、レクサスSUVのフラッグシップ・モデルだ。
1996年に北米で発売されて以来、これまでに世界で50万台を販売。4代目となる新型は、先日日本発表された新型NXに続く次世代レクサスの第2弾という役割も担う。
世界的に続くブームにより、日本でも軽自動車からプレミアム・ブランドの輸入車まで、最近デビューするモデルは圧倒的にSUVが多い。
しかも近ごろは少し落ち着いてきたコロナ禍の反動か、1000万円以上のプレミアム・ブランドの輸入車、それもSUVの売れ行きが伸びているという。これは「リベンジ消費」と呼ばれ、外出自粛期間に抑えられた消費が、“海外旅行にも行けないなら良いクルマでも買おう”と活発化した行動の一端だ。
高級SUVといえば、かつてはレンジローバーかゲレンデヴァーゲンくらいしか思い浮かばなかったが、ポルシェが2002年にカイエンを投入したころから、多くのプレミアム・ブランドの参入が続く。
いまやロールス・ロイスやベントレーといった超高級ブランドまでモデルを投入し、あのフェラーリでさえSUVを計画中であるという。
そんな活発な高級SUVマーケットに、日本を代表するプレミアム・ブランドのレクサスが新たに送り出す新型LX。4人乗りの独立シート仕様「エグゼクティブ」が加わり、スペシャリティ性を高めた新型の概要を紹介していこう。
スピンドルグリル 存在感アップ
LXは、本格オフローダーとしての走破性を考慮しつつ、圧倒的な存在感を狙った、上質で洗練されたプロポーションを目指している。
エクステリアでは、力強さを感じさせつつも細部にこだわった見応えのある造形とした。
フロントピラーを車両後方へ引くキャブバックワード・デザインとし、レクサス最大となる22インチ・タイヤ&鍛造アルミホイールも設定。プラットフォームは後述する新開発のものだが、2850mmのホイールベースや対地障害角は従来型から継承されている。
レクサスのアイデンティティであるスピンドルグリルは7組のフローティングバーで立体形状に構成。サイド・ラジエターグリルも開口部が大きく、冷却性を高めながら整流効果も高い形状に。ヘッドランプはL字型のクリアランスランプ(デイタイムランニングランプ機能付き)を立体形状とし、インナーレンズを二重化している。
サイドビューは、フロントからはじまる骨太で水平軸のトルソー(胴体)をリアまで貫き、ルーフからバックウインウドへ絞り込んだクォーターピラーと、ロッカー下端からリアタイヤ後方へ駆け上がるアンダーの流れによって、強い塊感を表現した。
リアの中央に配置されたブランドマークは、新型NXと同様に従来のL字型から「LEXUS」ロゴに変更。リア・コンビネーションランプは、L字型と一文字を組み合わせたデザインとして、シャープさを強調している。
フラッグシップの内装とは?
インテリアは、乗員にとって安心感/くつろぎ感のある室内空間を実現した。
前方の道路から、ヘッドアップディスプレイ&メーターへと視線がつながる走行情報の配置。さらに、センターダッシュ上部の12.3インチ・タッチディスプレイをナビ画面として、運転中のスムーズな視線移動を追求している。
マルチテレイン・セレクトなどの走行系スイッチはセンタークラスターの手の届きやすい位置に。空調などのスイッチは人間工学の観点から機能的に整理して、ダッシュ中央の7インチ・タッチディスプレイ下に配置した。
ダイヤル、トグル、プッシュの操作方法・形状にも変化をつけ、直感的な操作性に配慮。これにより、オフロード走行時でも押し間違いを低減し、意に沿ったドライビングをサポート。また、タッチディスプレイ上端を水平にすることで、悪路走行時にドライバーが平衡感覚を把握できるようにした。
インパネは、薄く見える二段構成だ。
上段はエアコン吹出し口を左右にオーバーハングさせて、広がり感を演出。下段はインパネのロアから左右ドアアシストグリップまでつながった造形とし、乗員を包み込む安心感を提供する。
高級車として注目のシートについては、前席は優れたホールド性・快適な乗り心地を提供するため、クッションパッドに座面の安定性/圧力の分散性の高い素材を採用。腰の横揺れをおさえ、低G領域でのホールド性を確保している。
なお、新型LXには3列7人乗りも設定され、3列目は電動リクライニングを可能に。またレクサス初の「マルチシートオートアレンジ」を採用。前席も含む全シートが動くラゲッジスペース拡大機構や、2列目シートを電動で跳ね上げて3列目に乗降しやすくするウォークイン機構などを利用できる。
シャシーの変更点&悪路走破性能
レクサスLXの歴代モデルは、トヨタ・ランドクルーザーとプラットフォームを共有している。
したがって今回の新型も、今夏に日本発売された新型ランドクルーザー(300系)と同様、GA-Fと呼ばれる新プラットフォームを採用し、伝統のラダーフレームを刷新した。
最新の溶接技術の活用などで、従来型より剛性は20%アップしたフレームは軽量で、衝突安全性能、静粛性、走りの質を向上させている。ボディは高張力鋼板の採用を拡大し、ボンネット、ルーフ、全ドアパネルをアルミニウム化し、パワートレインの搭載位置を車両後方に70mm、下方に28mm移動した。
これらにより、車両重量は従来型より約200kgもの軽量化、低重心化、前後重量配分の改善を果たした。ドライビングポジションの改善とともに、軽量化によって環境性能の向上にも寄与している。
サスペンションは、フロントはハイマウント・ダブルウイッシュボーン式、リアはトレーリングリンク車軸式を新開発。前後ともストロークを従来型より拡大し、優れた路面追従性・悪路走破性を実現する。
AHC(アクティブ・ハイトコントロール・サスペンション)は、選択可能な車高ポジションを拡大。また、ショックアブソーバーとガス・油圧併用のバネ+金属バネで車高を調整する機構は踏襲。従来型では前輪のみに装着していたバネレート切り替装置を後輪にも装備し、車高調整にかかる時間を短縮している。
車高ポジションはノーマル/ハイ1/ハイ2の3種類と乗降時のローを基本とし、ドライブモードセレクト/マルチテレインセレクト/トランスファーの選択状況に応じて最適に自動調整。AHCはさらに、ピッチ/ロールといった姿勢変化にも対応し、バネレートを随時最適化して旋回・加減速時の車両姿勢を安定させる機能も持ち合わせている。
エンジン 3.5L V6ターボに
トヨタの300系ランドクルーザーではガソリンとディーゼル、2種のV6ツインターボが日本仕様では搭載されたが、新型LXでは、今のところ3.5LのV6ツインターボのガソリンエンジンのみとなっている。
最高出力415ps、最大トルク66.3kg-mというスペックも変わりない。
組み合わされるトランスミッションもランドクルーザーと同じ。発進時を除くほぼ全域でロックアップを作動させ、ダイレクトなシフトフィーリングを実現したダイレクトシフト10速ATだ。
10速化により、ギアステップのクロス化とギヤレシオ全体のワイドレンジ化を実現し、心地良い走りのリズムと、高速燃費の向上、発進加速、オフロード性能の向上も果たしている。
車体の過度な傾斜などでオイルレベルが著しく下がった場合に油面低下を検出し、ドライバーに知らせるオイルレベルセンサーも装備。登降坂および左右の車体傾斜45°までのオイル供給性能を確保する。
また、渡河/多塵環境下でのSUV特有の使われ方を想定し、防水・防塵性能が高いベアリングやオイルシールも採用された。なお、最大渡河性能は700mmだ。
路面状況に応じたオフロード走行支援は、6つのモード(オート/ダート/サンド/マッド/ディープスノー/ロック)から選択できるマルチテレインセレクトも搭載。
凹凸の激しいオフロードや滑りやすい路面でも、ドライバーがステアリング操作のみで極低速走行が可能なクロールコントロール、急坂路での運転負荷を軽減するダウンヒルアシストコントロールなども装備した。
なお、車両後方の障害物の把握、リアタイヤと路面の確認に便利なバックアンダーフロアビューを世界初採用。これは後退時に、手前で撮影された過去の映像を合成することで、車両を擬似的に透過して後輪付近を表示するものだ。
装備/ADAS/指紋認証スイッチ
プレミアム・ブランドであるレクサスのフラッグシップSUVらしく、快適&安全装備は充実している。
300系ランドクルーザーに続き、始動ボタン中央に指紋センサーを採用した指紋認証スタートスイッチを全車に標準装備。日本でも海外でも盗難が多い、レクサスLXならではの装備といえる。
最新の音声認識機能は、ステアリングのトークスイッチ操作による起動に加え、ディスプレイのマイクアイコン操作、音声による起動を可能に。「ヘイ、レクサス」とか、あらかじめ設定された起動ワードで音声認識の起動ができる。
また、アップル・カープレイやアンドロイド・オートも設定し、前者はUSB接続に加えて、今後Wi-Fiによる無線接続にも対応する予定。また、DCMを活用したネット接続ができるWebブラウザー機能を新設定した。
音響面では、レクサス・プレミアムサウンドシステムは、大容量のサブウーファーを含む10個のスピーカーで構成。レクサス最多となる25個のスピーカーを最適配置した「マークレビンソン・プレミアムサラウンドシステム」も設定する。
先進の予防安全技術「レクサスセーフティシステム+」も搭載。
昼間の自転車・夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュ・セーフティ」の対応領域を拡大。車線内中央を走行するよう操舵支援する「レーントレーシングアシスト」、カーブ速度抑制機能を採用した「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」、ドライバー異常時対応システムなどを採用した。
また、従来のAHS(アダプティブ・ハイビーム・システム)より細かい遮光が可能でハイビームの照射範囲を広げたブレードスキャンAHSや、パノラミックビューモニターなど、優れた視界の確保で安全運転をサポートする。
「エグゼクティブ」「オフロード」
4人乗り「エグゼクティブ」登場
新型LXでは、後席空間の拡充とくつろぎに重点を置いた4座独立仕様の「エグゼクティブ」を新設定した。
NASAが提唱する中立姿勢を参考に、助手席を前方に移動させつつ最大48°のリクライニング、さらに座面の角度をコントロール。
これに加えて、助手席背面のリアシートディスプレイを倒して前方視界を確保して、開放感と最大1000mmのレッグスペースを創出する。
リアシートはエグゼクティブ専用で、頭部/腰/臀部を優しく包み込む凹形状のヘッドレスト/シートバック/クッションを採用。
カーブ・横Gや路面の入力に対し高いホールド性を確保し、振動吸収性の良いソフトウレタンの使用でオフロード走行時の不快な振動を抑えている。
リアシートは、専用の読書灯、ディスプレイ、オーディオシステムなどを標準装備し、天井のエアコン吹出し口は上部から風が降り注ぐように拡散し、後席乗員を心地良く包み込むシャワー空調機能も備えた。
後席のさまざまな機能や装備を集中管理するリアコントロールパネルは、どんな姿勢でも手が届き操作しやすい配置にされており、カップホルダー/テーブルなども、使い勝手を最優先に細部までこだわっている。
日本専用「オフロード」
また、日本向けの専用仕様となる「オフロード」が新設定されることも明らかになった。
3つのデフロック(フロント/センター/リア)を標準装備し、必要に応じてデファレンシャルをロックすることで脱出性を向上。タイヤは偏平率の高い18インチで、悪路での路面追従性を高めている。
外観では、マットグレー塗装のホイールや、ブラック塗装のホイールアーチモール、ダークグレーメタリック塗装を施したフロントグリルなどの専用装備が、力強い独自のデザインとなっている。
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