この記事をまとめると
■クルマの外装の経年劣化は避けられない
じつは塗料は基本同じ! 高級車のボディカラーが色褪せない理由とは
■今回はイサム塗料の「BEAST」を紹介
■劣化したPPバンパーのリメイクにも最適な塗料だ
塗膜の不均一さを逆手にとって個性的なルックスに!
クルマの平均車齢、つまり使用年数が長期化する傾向は続いており、1台のクルマを長く乗るドライバーは増えているようだ。しかし、大事にしていても使用していれば劣化は避けられない。エンジンや駆動系、足まわりなどは定期的なメンテナンスが必要だが、外装は保管状況や使われ方によっても傷み具合に大きく差が出る。そのため、アフターマーケット業界ではクルマの外装を補修するアイテムで溢れかえっている。
イサム塗料のBEAST(ビースト=野獣)は、個性的な雰囲気にボディの表面を仕上げることにも使える強靭な塗料だ。以前からジャパントラックショーに出展し、その機能性をアピールしてきたが、ここにきて存在感が高まっているようだ。そもそもクルマに使われる塗料とは、物体に付着することで塗膜を形成し、色調や平滑性を実現して高級感や耐候性を実現している。そんなこれまでの概念とは、BEASTはかけ離れた存在なのかもしれない。
なぜなら塗膜の不均一さを逆手にとって、個性的な表情と耐久性を実現しているからだ。これによってトラックや軽トラの荷台を守るだけでなく、バンパーやボディパネルに塗装することで、ワイルドでタフなイメージを与えることができる。
また、古くなって劣化したPP(ポリプロピレン)バンパーのリメイクにも最適な塗料となっている。PPバンパーは古くなると成形したときの樹脂の射出による縞状の模様が浮き出てくることがある。また、分子が壊れて粉を吹いたように白くなるのも、PPバンパーの難点だ。
ヒートガンで炙るのも解決策のひとつだが、BEASTを使えばPPの素地とは異なるものの、凹凸のある風合い豊かな仕上がりにすることもできるのだ。しかも使い方は普通の塗装と同じようなもの。粘度を調整したりスプレーガンも通常の塗装とは違うが、普通の板金塗装の一種として扱うことができる。
また、チッピング塗装を実現していることもBEASTの強みのひとつだ。チッピング塗装とは、わかりやすくいえば不均一な塗装面を実現することで塗膜を厚くして衝撃に強いコーティングとするもの。ボディの下まわりにペイントするシャシーブラックもチッピング塗装の一種だが、BEASTはシャシーブラックよりも数段強靭な塗膜を実現する。従来の塗装は均一な塗膜を目指して塗装し、仕上げに研磨することで平滑性を高めるが、BEASTは特殊なスプレーガンを使って高粘度な塗料を吹くことにより、凸凹とした分厚い塗膜を作り上げる。
BEASTが誕生したきっかけは、荷台に敷くデッキの木材が高騰したことから、デッキを守るための塗料としてウッドプロテクトが開発されたこと。そもそもベッドライナーとして開発されたのだが、これを改良してボディの表面にも使うことで、ボディの保護や個性的な表情を出すことができるようになったのだ。
下まわりに塗っても、荷台に塗ってもクルマを傷や錆から守るだけでなく、バンパーやコーナーパネルなどボディ表面に塗っても独特の雰囲気でワイルドなカスタムに使えてしまうのがBEASTという塗料なのである。
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みんなのコメント
結局は塗装屋さんに有る塗料でお安く仕上がる結果となる。