2023 AUTOBACS SUPER GT第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースが9月17日(日)(1周3586m×84周)に宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。
レース当日は朝から雲が広がり時折小雨の降る状況であったが、スタート時にはドライコンディション。全車スリックタイヤを装着してレーススタートとなった。
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やはり魔物が棲んでいた
GT500クラスの予選1位でスタートした#8 ARTA MUGEN NSX-GTの野尻は2位のマシンを着実に引き離すほど好ペースでリードを広げていく。レース距離3分の1である28周を消化して、ドライバー交代が可能となるタイミングで#100 STANLEY NSX-GT、#19 WedsSport ADVAN GR Supraが真っ先にピットイン。続いて各チームもピットインする。
首位を走行する#8 ARTA MUGEN NSX-GTは32周目にピットインを行い、給油、タイヤ交換、ドライバー交代を行った。3位スタートであった#17 Astemo NSX-GTは33周目に行なったピットインを行うまで順位をキープ。そして、ピット作業を早く終えて#8 ARTA MUGEN NSX-GTの前に出る事に成功しトップに躍り出た。
38周目に入ったところで#100 STANLEY NSX-GTが、最終コーナー立ち上がりでピットインしようとしていたGT300クラスの車両とラインがクロスしてしまい、接触したと思ったら#100はホームストレートアウト側のガードレールに大クラッシュしてしまう事態に。その後すぐセーフティカーが導入され40周目にはドライバーの救出とコース復旧の為レースは一時中断となる。
幸い救出された#100の山本選手には意識があり、検査のためドクターヘリで病院へ搬送された。この時点でまだピットに入っていない#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraが暫定1位であったが、実質的なトップは#17 Astemo NSX-GT、2番手は#8 ARTA NSX GT、3番手は#23 MOTUL MOTUL AUTECH Zだ。
レースはその後、セーフティカー先導で45周目からレース再開となり、#17、#8、#23のトップ争いが展開されると、52周目の1コーナーで#8が#17をオーバーテイクに成功して2位につける。その後#39がピットインするとついに#8がトップに。#39は4番手でコースに復帰する。
その後、2位の#17が#8に迫り数周にわたりバトルが繰り広げられ、ついに76周終わりのホームストレートでついに#17が#8を抜きトップに躍り出た。
このまま#17がトップチェッカーを受けたが、その後の再車検で車体の底面に取り付けられたスキッドブロックが削れて規定数値に足らないという違反が判明し失格となってしまった。さらに前戦鈴鹿の2位ゴールも失格となってしまう
これで優勝は#8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀 / 大湯都史樹)2位は#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生 / ロニークインタレッリ)3位は#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛 / 中山雄一)となった。
このレース終了時点でのドライバーランキングのトップは今回のレースで9位フィニッシュとなりポイントゲットした千代勝正/高星明誠組(#3 Niterra MOTUL Z)がトップをキープした。同ランキング2位であった坪井翔/宮田莉朋組(#36 au TOM'S GR Supra)は7位でフィニッシュして、その差はわずか2ポイント。また2位となった松田次生/ロニー・クインタレッリ組(#23 MOTUL AUTECH Z )はランキング3位に浮上。
GT500ポイント圏内リザルト 1位#8 ARTA MUGEN NSX-GT 野尻 智紀 大湯 都史樹 2位#23 MOTUL AUTECH Z 松田 次生 ロニー・クインタレッリ 3位 #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口雄飛/中山雄一4位 5位 #24 リアライズコーポレーション ADVAN 佐々木 大樹 / 平手 晃平 6位 #14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也 山下 健太 7位 #36 au TOM'S GR Supra 坪井 翔 宮田 莉朋 8位 #19 WedsSport ADVAN GR Supra 9位 #3 Niterra MOTUL Z 千代 勝正 / 高星 明誠 10位 #37Deloitte TOM'S GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 笹原 右京 / ジュリアーノアレジ
GT300クラスはポールポジションスタートの#96 K-tunes RC F GT3、#20 シェイドレーシング GR86 GT、#61 SUBARU BRZ R&D SPORT、#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTと順位の変化が無いままレースは進んで行く。
そして7周目にペースが落ち始めたトップの#96に#20が接近し、その後方#61と#52も接近しトップ4のバトルとなる。さらにその後方であった#6 DOBOT Audi R8 LMSも追いつき5台の争いとなり、その#6号車が#52をオーバーテイクに成功し4番手に浮上。そしてついに2位を走っていた#20が#96をオーバーテイクし、トップに浮上する。
さらにこの集団にサクセスウェイトMAXの100kgを積んでいるにも関わらず快調に好ペースを保ち追いついてきた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rと#18 UPGARAGE NSX GT3も接近し#61をオーバーテイクし、どこまでこの勢いを保てるのか注目が集まった。
23周目に#52がいち早くピットインしドライバー交代。なんとリヤタイヤのみ交換のみで勝負に出た。その後、各車が続々とピットインし、いいペースで周回を重ねていた#56が39周目にピットに向かうが最終コーナー立ち上がりで猛烈な勢いでイン側より#56を追い抜くGT500車両と接触。#100号車はスピンをしてコース外側に出てクラッシュ。この対応のためセーフティカーが導入されるが、その後赤旗、レース中断。
セーフティカーランの後、レース再開となるが、その直後からピット作業を行なっていなかったマシンがピットイン。いち早くピットインした#52がトップとなり、2番手は#56だったが、#100号車との接触と、赤旗中断時のレギュレーション違反の、2つものドライブスルーペナルティを課せられてしまう。
その後方を走っていた#18が2番手となり、3番手争いも#20も含め好バトルをしていた。最終ラップの最終コーナー立ち上がりゴール寸前でトップであった#52がまさかのスローダウン。ゴールラインを通過する前に#18に抜かれてしまった。前戦でも優勝を飾った#18がトップチェッカーとなった。
しかしGT300クラスもレース後の再車検で#18が最低地上高の違反となり、こちらのトップチェッカーマシンも失格になってしまった。そしてどん底に落ちていたであろう#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが優勝を飾り、ドライバーランキング1位であった#18号車の小林/小出組を抜いてトップに躍り出る。2位は#20 シェイドレーシング GR86 GT、そして3位に繰り上がったのは、#6 DOBOT Audi R8 LMSとなった。
GT300ポイント圏内リザルト 1位 #52 埼玉トヨペット Green Brave 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 吉田広樹/川合孝汰 2位 #20 シェイドレーシング GR86 GT 3位 #6 DOBOT Audi R8 LMS Audi R8 LMS 片山 義章 / R.メリ・ムンタン 4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人 / 山内 英輝 5位 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝 片岡 龍也 6位#65 LEON PYRAMID AMG 7位 #50 ANEST IWATA Racing RC F GT38位 #88 JLOC ランボルギーニ GT3 LAMBORGHINI HURACAN GT3 小暮 卓史 / 元嶋 佑弥 9位#10 PONOS GAINER GT-R NISSAN GT-R NISMO GT3 安田 裕信 / 大草 りき 10位 #56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R NISSAN GT-R NISMO GT3 J.P.デ・オリベイラ / 名取 鉄平
次戦のSUPER GT第7戦は10/14-15に大分県のオートポリスにて300kmレースとして開催される。激化するチャンピオン獲得の為の好バトルが展開される事だろう。是非とも生でこの壮絶なバトルを観に来て欲しい。
Photo/Text:Hisao Sakakibara
【筆者の紹介】Hisao sakakibaraモータスポーツフォトグラファー。レーシングカー好きが高じて、サーキット通いに明け暮れる。モータスポーツの撮影取材を始めて25年のベテランフォトグラファー。
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