現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「アルファードひとり勝ち」に待った!? 韓国高級ミニバン「スターリア」猛追か 高級ミニバン市場どうなる?

ここから本文です

「アルファードひとり勝ち」に待った!? 韓国高級ミニバン「スターリア」猛追か 高級ミニバン市場どうなる?

掲載 更新 170
「アルファードひとり勝ち」に待った!? 韓国高級ミニバン「スターリア」猛追か 高級ミニバン市場どうなる?

■突如として舞い降りた「近未来ミニバン」

 韓国の自動車メーカー・ヒュンダイから新型「スターリア」が発表されました。
 
 海外メーカーでは珍しいミニバンスタイルのモデルですが、なかでも高級仕様の「スターリア プレミアム」が目を引きます。なぜ、ヒュンダイは高級ミニバンをアピールしているのでしょうか。

【画像】 アルファード・LMとスターリアの違いはどこ? 画像で見る(41枚)

 2021年3月17日、新型スターリアについていくつかの情報が公開されました。スターリアは、同社のミニバンである「スタレックス」の後継にあたるモデルですが、初公開されたエクステリアおよびインテリアデザインは、過去のモデルとは一線を画する独特のものであり、SNSなどで話題を呼んでいるようです。

 いわゆる「ミニバン」に分類されるスターリアですが、そもそもミニバンというボディタイプは海外では日本ほどポピュラーではありません。

 欧州などでは「MPV(マルチ・パーパス・ビークル)」や「ピープル・ムーバー」などと呼ばれることからもわかるように、人や荷物を乗せたりするような、どちらかというと商用車に近い位置づけであり、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」や日産「セレナ」、ホンダ「フリード」などのように個人利用も念頭に置かれたモデルは少ないのが現状です。

 一方、アジア圏を中心に、トヨタ「アルファード」やレクサス「LM300」などの高級ミニバンが人気を博しているなど、そうした個人向けの高級ミニバン需要は決して低くはないともいわれています。

 今回登場したスターリアは、もともとは三菱「デリカ」をデザインベースとしたMPVである「スタレックス」を前身としています。

 スタレックスは、乗用車としてはもちろん、商用車や、救急車など特殊車両のベースとしても利用されるなど、日本におけるトヨタ「ハイエース」のような位置づけ。

 日本をのぞくアジア・オセアニア地域や欧州で主に販売されており、コストパフォーマンスに優れたMPVとして人気を誇っていました。

 一方、今回発表されたスターリアは、一見するとスタレックスの後継とは思えないほど前衛的なデザインを採用しています。

 スタレックスをはじめとする実用性が重視されるMPVは、どちらかというと先進性や快適性とは無縁になりがちですが、スターリアはむしろそれらを強調しています。

 エクステリアデザインは、フロントからリアまでほとんど段差のないシームレスなスタリングとなっており、まるで宇宙船のような近未来感が醸し出されています。

 さらに、フロントマスクには真一文字に横断しているLEDのデイタイムランニングライトや大きく開いたフロントグリルが目を引き、その姿はまるで映画「ロボコップ」を彷彿とさせます。

 リアエンドは比較的シンプルなボックススタイルですが、ブロックパターンのLEDリアコンビネーションランプが神秘的な輝きを放っているのが特徴です。

 インテリアも、これまでのような商用車らしさは見られません。スターリアには、商用車や特殊車両のベースとなる2人乗り仕様から送迎用途などが想定された11人乗り仕様まで多くのバリエーションが設定される見込みですが、それに加えて上級仕様の「スターリア プレミアム」が設定されます。

 スターリア プレミアムは、2列目に豪華なキャプテンシートが用意されるなど、ぜいたくな室内空間を実現。

 スタレックスにも上級仕様が一部地域では販売されるなどしていましたが、スターリア プレミアムはそれとは一線を画す高級感が演出されています。

 また、運転席を見ると、センターコンソールに用意された大型ディスプレイが目を引きます。速度計などが表示されるメーターパネルもディスプレイ化されているなど、商用車に見られる質素さはまったくありません。

 具体的な価格や登場時期はまだ公表されていないスターリアですが、現在判明している情報だけ見ても単なるスタレックスの後継車でないことは一目瞭然です。

■「アルファードひとり勝ち」の高級ミニバン市場になぐりこみ?

 スターリアには、さまざまなバリエーションがラインナップされるため、想定されるターゲットも多岐にわたります。しかし、そのなかでもやはり注目されるのは、豪華仕様のスターリア プレミアムが設定されたことです。

 その背景にあると考えられるのは、やはりまず中国を中心としたアジア市場でしょう。

 2000年代以降に伸長してきたこれらの新興国市場は、欧米とも異なる価値観を持っています。

 その一例として、「ウチ(内/家)」の文化を持つ中国では、走る・曲がる・止まるといったクルマの基本性能と同等以上に、室内空間の広さを求める傾向があるといわれています。

 その証拠に、中国で販売されるドイツ系高級セダンなどは、「Cクラス」や「3シリーズ」などであっても、そのほとんどにロングホイールベース仕様を設定。

 そして、当然のことではありますが、より大きな室内空間を求めると、ミニバンが最適解となります。

 一方、欧米メーカーでは高級ミニバンというカテゴリーが、日本やアジアほどメジャーではありません。

 実際に、日本で販売されている高級ミニバンを見ても、アルファード以外では日産「エルグランド」やホンダ「オデッセイ」などの国産車の選択肢はありますが、輸入車ではメルセデス・ベンツの「Vクラス」といった程度です。

 欧米の場合、「多人数乗車×プレミアム」というカテゴリーは、高級SUVがそのニーズを担っており、その傾向はアジアを含む全世界へも波及していますが、高級ミニバンに関しては国産メーカーが圧倒的なシェアを持っているといえます。

 日本では2009年以来乗用車市場から撤退しているヒュンダイですが、近年ではグローバルでの販売台数を順調に伸ばしており、コストパフォーマンスに優れたクルマとしての地位を得ています。

 かつてコストパフォーマンスの良いクルマといえば、日本メーカーのお家芸でしたが、ここ10年のヒュンダイの基本戦略は、コストパフォーマンスが良く、かつデザインの良いクルマを積極的なマーケティングとともに販売することでした。

 そして、いくつかの地域では日本メーカーをしのぐ販売台数を稼ぐほどに成長しています。

 つまり、ヒュンダイはスターリア プレミアムによって、アルファードにほぼ独占されているアジアの高級ミニバン市場において、真っ向勝負を挑むものと考えられるのです。

 アルファードが比較的「正統派」のプレミアム感を打ち出しているのに対し、スターリア プレミアムは「先進性」という新しい魅力をアピールしているのも、そうした背景からといえるかもしれません。

 また、おそらく近い将来に、スターリアシリーズに、ハイブリッド(HV)やプラグインハイブリッド(PHEV)、そして電気自動車(EV)といった、電動化された派生モデルも登場すると想定され、もしEVの高級ミニバンが登場すると、現時点ではほぼ唯一無二の存在となります。

 もちろん、高級SUVなどに比べれば高級ミニバンは非常にニッチな市場であり、巨額の開発費をまかなえるほどの販売台数が稼げるのかは定かではありません。

 しかし、スターリア自体は商用ニーズを含めた多くのバリエーションをもつモデルのため、ある程度の販売を見込めることは間違いありません。ここがヒュンダイのうまいところといえるでしょう。

※ ※ ※

 現時点では、限られた情報しか公開されていないスターリアおよびスターリア プレミアムですが、ヒュンダイは2021年前半に予定するデジタルワールドプレミアで正式にデビューさせるとアナウンス。

 日本市場に導入される可能性は現時点では低いと見られますが、一方でヒュンダイは日本市場復帰に向けて着々と準備を進めているという噂もあります。

「アルファード一人勝ち」ともいえる日本の高級ミニバン市場ですが、もしかしたら近い将来にスターリア プレミアムが台風の目となる日が来るかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
メルセデスベンツ、新型EVバス『eIntouro』発表…欧州初の無線更新可能なバスに
レスポンス
ダイハツ、タフトを一部改良 法規対応で安全装備を追加 価格は6%値上げ
ダイハツ、タフトを一部改良 法規対応で安全装備を追加 価格は6%値上げ
日刊自動車新聞
ホンダ新型「N-BOX」登場! 史上初「映える」凄い“オシャ内装”採用! めちゃ便利な「画期的な機能」も搭載! リラックスできて“テラス気分”な「軽バン」とは?
ホンダ新型「N-BOX」登場! 史上初「映える」凄い“オシャ内装”採用! めちゃ便利な「画期的な機能」も搭載! リラックスできて“テラス気分”な「軽バン」とは?
くるまのニュース
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
くるまのニュース
どんな違いがあるのか!? 通常モデルとは違う仕様が用意されている中型バイク3選
どんな違いがあるのか!? 通常モデルとは違う仕様が用意されている中型バイク3選
バイクのニュース
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
レスポンス
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
日刊自動車新聞
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
レスポンス
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
motorsport.com 日本版
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
レスポンス
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
motorsport.com 日本版
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
くるくら
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
くるまのニュース
これはクセスゴ!!  オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
これはクセスゴ!! オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
バイクのニュース
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
レスポンス
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
カー・アンド・ドライバー
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
日刊自動車新聞
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
AutoBild Japan

みんなのコメント

170件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.92199.0万円

中古車を検索
アルファードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.92199.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村