牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、富士スピードウェイで行なわれたスーパーフォーミュラの第7戦を3位でフィニッシュした。タイヤ交換義務の消化が許される最低周回数である10周を終えたところでピットインしたため、その後出動したセーフティカーの煽りを最も受けたドライバーのひとりであるものの、その不利な状況を跳ね除けての3位だった。
牧野はこのレースについて、1周目からガンガン攻めるつもりだったと振り返った。
■坪井翔、富士では敵なし! 前日に続き連勝「ここで勝たなければ、チャンピオンは難しいと思っていた……鈴鹿も勝てるように」
「レース前の時点から、エンジニアの杉さん(杉崎公俊エンジニア)と『今日はガンガン攻めよう』というコンセプトでやっていました。でも攻めすぎた結果、1周まるまるOTS(オーバーテイクシステム)を使ってしまって、気付いたら残りが100秒しかなかった。これはマズいと思いましたね」
「攻めた結果が3位なのかどうかはわかりませんが。このレース内容の中では、自分の持っているモノは出し切れたと思います」
ただ前述の通り、セーフティカー出動のタイミングは、牧野にとっては逆風と言っても良かった。
「結果的には、セーフティカーの割を一番食ったかなと思います。10周目に入るのはもう決めていた……トップを走っていても、入ると決めていました。それは作戦通りでした」
「ただ、セーフティカーばかりはどうしようもないです」
牧野の2周後に、結果的のこのレースを2位でフィニッシュした福住仁嶺(Kids com Team KCMG)もピットイン。牧野の直前でコースに復帰した。しかしセーフティカーが出たタイミングで、残りの各車もピットイン。福住と牧野としては、セーフティカー走行中ながらできるだけ速く走り、ライバルたちに先行されるのを阻止する必要があった。そのため牧野は、前を行く福住を煽るように走行。そしてピットレーン出口では、PONOS NAKAJIMA RACINGの佐藤蓮とほぼ横並びとなった。
ただターン1では牧野が先行。タイヤを換えたばかりだった佐藤はホイールをロックさせ、牧野と接触してしまった。しかもそのすぐ先は、セーフティカー出動の要因となったマシンが停まっている箇所……牧野は一旦佐藤に順位を戻し、その後コース上で抜き返したものの、佐藤には10秒のタイム加算ペナルティが科された(その後佐藤は車両重量違反だったことが発覚し、失格となっている)。
当時の状況について、牧野は次のように振り返る。
「仁嶺のアウトラップを頑張って応援していました。そうしたら蓮が(ピットから)出てきたんです」
「僕は正直、自分の方が前に出ていたんじゃないかと思ったんですけど、順位を明け渡すことになりました。でももう一回抜き返すことができたので、とりあえず最低限やれることはやったかなと思います」
富士で連勝した坪井に、ランキング首位に立たれてしまったものの、牧野もランキング2位で食らいついている。まだまだ十分逆転も可能だ。牧野も、鈴鹿に向けては自信を高めている様子だ。
「正直、富士は2戦とも勝たれてしまう可能性があるなと思っていました。その中で昨日(第6戦)は、僕が予選で失敗してしまい、後方に沈んでしまった……4位まで戻ってくることはできたんですけどね」
「鈴鹿での2連戦は、僕らのチームとしては得意としているサーキットだし、まだ可能性はあると思います。頑張りたいですね」
チームタイトルも、TEAM MUGENを逆転できる可能性がある。
「鈴鹿では昨年も勝っていますし、チームにとっても相性の良いサーキットだと思います。チームタイトルもドライバーズタイトルも、僕らは追いかける側なのでとにかくガンガン攻めて、悔いなくシーズンを終えられたらと思っています」
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