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ディフェンダーの精神を継ぐBEV マンローMk1へ同乗 ラダーフレームに平面ボディ 後編

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ディフェンダーの精神を継ぐBEV マンローMk1へ同乗 ラダーフレームに平面ボディ 後編

本物を維持する哲学で2023年後半から生産

スコットランドの新興メーカー、マンローが開発を進めるMk1。「今のところ、航続距離はお客様の意見を踏まえながら、充分な数字に設定されています。さらに160kmほど伸ばすことも可能ですが、そのぶん車重が増えてしまいます」

【画像】ディフェンダーの精神を継ぐ マンローMk1 BEVのハマーとF-150 エンジンの競合車も 全140枚

「農場などで利用する場合、これ以上長く走れる必要はないでしょう。無駄に大きなトラックを利用するのと、同じことです」。と、同社のチーフデザイナー、ロス・コンプトン氏が説明する。

創業者のラス・ピーターソンが掲げる、「本物を維持する」という哲学のもと、2023年後半からMk1の生産が限定的にスタートする。生産ラインはまだ準備段階にあり、実際にMk1の走行距離が増えていくなかで、問題が発生する可能性を彼は認める。

今後1年間ほどは、ファウンダーズ・エディションを月産50台提供する計画を掲げている。ソフトウエアでいうところのベータテスト、量産前の最終プロトタイプ的な内容で、現場からのフィードバックを集めていくそうだ。

生産拠点は、グレートブリテン島の北に位置するグラスゴー。この地域で量産車が作られるのは、1981年に撤退したプジョー・タルボ以来になる。北部の町に新たな産業を提供することも、ピーターソンが自負することの1つ。

「サプライヤーを訪れ、新しい部品をさらに何個欲しいと伝えると、新たに労働力を確保しなくては、と考えが広がるわけです。地域経済に、直接的なインパクトを与えることができます」

有能なオフローダーであることは間違いない

マンローMk1の実力が証明されれば、世界市場も視野に入ってくる。「(東カリブ海の)セントルシアからも問い合わせを頂いており、市場の機は熟していると考えています。混乱を避けるため、まずは大手との企業間取引に集中するつもりです」

最終プロトタイプのMk1で、グラスゴー郊外の過酷なオフロードを走る。有能なオフローダーであることは間違いないだろう。

駆動用モーターの即時的なトルクにより、きつい丘をゆっくり滑らかに登っていく。古いディーゼルエンジンのディフェンダーなら、盛大にノイズを放つような場面だ。

下りの急斜面では、回生ブレーキがヒルディセント・コントロール機能も兼ねながら、速度を抑制。安定感は、高級なオフローダーにもまったく劣らない。深い水たまりやぬかるんだ路面でも、驚くほどのトラクションが保たれていた。

初代ディフェンダーなら身体がシートから跳ねるようなワダチを越えても、Mk1の車内は快適。しっかりタイヤが路面を掴み続ける。駆動用バッテリーは、強固な金属で完全にガードされているため、岩場や河川でも心配は不要だという。

ただし、今回は公道を走ることが許されなかった。フォード・レンジャーなどのように、洗練された現代の商用車と同じ水準の完成度を得ることは、簡単な作業ではなさそうだ。

10年で年間数1000台規模まで拡大したい

インテリアの仕上げにも、まだ時間を割く必要がある様子。プロトタイプの段階とはいえ、助手席側のセンターコンソール部分には、大きな段差で身体が揺れると膝を打つような角があった。

インフォテインメント・システム用のタッチモニターは、接着剤で固定されたまま。もっと美しく、ダッシュボードとなじませることはできるはず。

今後の10年で、年間での生産を数1000台規模まで拡大したいと話すCEOのピーターソンだが、現実主義的な彼は、巨大な本社工場を建設しようとは考えていない。一連の生産工程を、大きなブロックに分割する計画だという。

「ブランドの看板やその後ろの景色がどう見えるかは、さほど重要ではありません。生産プロセスや工場の設備へ、多くの労力を費やしているところです」

マンローMk1 ユーティリティ(英国仕様)のスペック

英国価格:5万9994ポンド(約966万円)
全長:4590mm
全幅:1812mm
全高:2010mm
最高速度:207km/h
0-100km/h加速:7.6秒
航続距離:328km
電費:3.6km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2400kg
パワートレイン:電気モーター
駆動用バッテリー:56.3kWh
急速充電能力:70kW(DC)
最高出力:299ps
最大トルク: 61.1kg-m
ギアボックス:−

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