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トヨタ新型EV「シーポッド」の半値! 今すぐ手に入る中古EV決定版は「スマートed」

掲載 更新 3
トヨタ新型EV「シーポッド」の半値! 今すぐ手に入る中古EV決定版は「スマートed」

■ひっそりとお披露目されていた「シーポッド」の前身

 2年前、2019年の東京モーターショー。個人的に注目していたのはトヨタの「Ultra Conpact-BEV」だった。このたびようやく(まずは法人向けに)販売を開始した「シーポッド(C+pod)」の前身である。

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 派手なターンテーブルの上に並ぶこともなく、MEGA WEBの通路になんの制約もなくぽつんと置かれていたから、じっくり時間をかけて見て乗って触って、人が途切れる度に何度も説明員に話を聞いた。

 わかったのは、国土交通省による道路運送車両法の改正に合わせた全長2490mm×全幅1290mm×全高1550mmのサイズで、トヨタならではの走行性能と安全性を備える予定だということ。そこに革命はない。けれど、手抜かりもいっさいない、まさにトヨタ流の超小型車だな、と思ったものである。

●トヨタUltra Conpact-BEVとシーポッド

 はたして正式発表となったトヨタの純電気自動車、シーポッドは、道路運送車両法の超小型モビリティ(形式指定車)として、軽自動車と同じ、黄色いナンバーが付いていた。単眼カメラとミリ波レーダーを備え、車両や歩行者に対する自動ブレーキなど安全装備は万全。

 リチウムイオン電池の容量は約9kWhしかないのに、航続距離が150km(WLTCモード)というのも注目すべきところだ。その上でエアコンやシート・ヒーターを装備した上位グレードの「G」でも約170万円という価格は、さすがはトヨタと唸らされるものだった。

 また急速充電を見切り、100Vないしは200Vの普通充電のみとしたのは慧眼だと思う。これまで多くの自動車メーカーが送り出してきた電気自動車は、ユーザーの精神的な安心を配慮してか、急速充電ありきのモデルばかりだった。

 あえて急速充電に対応しないことで、コミューターとしての立ち位置をよりはっきりさせられるし、充電器渋滞もなくなる。急激な大電力を入れることがなければ、バッテリーへの負担もずっと減らすことができる。

 唯一にして最大のネックは、最高速が60km/hに制限されており、高速道路を走れないこと。あくまで超小型モビリティであり、クラッシュ・セーフティ面でそこまでカバーできないことは理解できる。けれど、シーポッドが「様々なシーンで移動の自由を拡張」と謳っている新しい乗り物だけに、惜しいと思った。どうせならレクサス版も出して、そっちは最高速が100km/hくらいで、高速道路も走れたら面白いのではないだろうか。

■「スマートed」の中古車なら「シーポッド」の半値以下!

 2019年の東京モーターショーで、じっくりMEGA WEBでUltra Conpact-BEVを見た後、ビッグサイトへ向かった。もう1台、気になる超小型の電気自動車が出展されていたからだ。それが3代目「スマート」をベースとする、「スマートEQ」である。

●間違いなく「シーポッド」よりオシャレ

 スマートはもともとスウォッチによって計画され、ダイムラー・ベンツ・グループが内外装からシャシ、パワートレイン、そして工場まですべてを新たに立ち上げた、スモールカーの世界では革命的な1台だ。

 1997年に初代が誕生。そこから基本構造を受け継いだ2代目が2007年に登場している。ところが3代目はルノーとの共同事業となり、「トゥインゴ」とプラットフォームを共有。かなり独自性は薄れてしまった。

 さらにダイムラー・グループはスマート・ブランドを中国のジーリー・グループと合弁事業化すると発表。電気自動車に特化することも公表されているが、日本市場への導入など、今後の展開はまだ読めない。このままだと、どうやらスマートEQの上陸もなさそうである。

 けれどスマートの電気自動車は、実はユーズド・カーとしてなら手に入る。それが2代目モデルの途中で追加投入された、「スマート・フォーツー・エレクトリック・ドライブ(以下スマートed)」だ。スマートedは、2012年から日本で販売を開始。新車時の価格は300万円前後だったが、中古車市場の相場は80万円からと、いまではシーポッドの半値である。

 2人乗りで全長は約2740mm、全幅は1560mmとシーポッドよりそれぞれ250mmと270mm大きく、最小回転半径も4.2mとシーポッドの3.9mには敵わないが、リアに搭載するモーターで後輪を駆動していることや、200V電源での充電が基本で、急速充電に対応していないのはシーポッドと同じだ。

 一方、最高出力・最大トルクはシーポッドの9.2kW・56Nmに対し、55kW・130Nmと遙かにパワフル。最高速度は125km/hで、もちろん高速道路を走ることだってできる。

 ただし、バッテリー容量は17.6kWhながら航続距離はやや甘めのJC08モードで181kmと、より現実的なWTLCモードで150kmを謳うシーポッドほど走ることは難しいだろう。

 新車時に乗った印象では、約半分の100kmを走るのがせいぜい、という感じだったし、中古車を購入する際はフル充電でどれくらい航続距離を走ることができるのか、バッテリーの劣化の度合いの確認は必須である。

 初代と2代目のスマートは画期的なモデルだったが、変速機がシングル・クラッチ式の自動MTゆえに、AT限定免許の人が2ペダルのオートマチック感覚で乗ると、ギクシャクとしてしまうのが数少ない難点だった。マニュアル・トランスミッションのクルマのように自動変速のタイミングを見計らって、一瞬右足をゆるめれば意外とスムーズに走れるのだが……。

 けれどモーター駆動のスマートedならそんな心配は一切不要。加減速は思いのままである。そして、小型車とは思えない強固な車体の剛性感と、後ろから強烈なトラクションで蹴り出すように加速していくフィーリングは、どこかポルシェ「911」にも通ずるものがあった。

 シーポッドは8パターンの配色から選択できるが、スマートedもバリエーションは意外や豊富で、しかもどれもお洒落だ。トリディオン・セーフティ・セルと呼ばれる強固なスチール・モノコックと、リサイクルが可能な樹脂製のボディ・カウルによるデュオ・トーンのカラーリングが基本で、イメージ・カラーのグリーン&ホワイトのほか、ホワイトとブラックの単色仕様、ミッキー・マウスをイメージした特別仕様、さらにパワフルになり、最高速が130km/hになるブラバス・バージョンなどの限定車が上陸している。

●オススメはブラバス仕様

 なかでも狙い目は「スマート・フォーツー・ブラバスed」だ。まず最高出力と最大トルクは60kW・135Nmまで向上。空力部品や内装パーツの一部がブラバス専用品となるほか、ヒーター内蔵の本革シートも備わる。

 新車時の車両価格は約400万円で、わずか80台の限定だったが、それでも時おり中古車の出物がある。価格は保証のある正規輸入元のアプルーブド・カーで150万円ほど。

 一般的な中古車店で流通しているスタンダード・モデルや、ほかの限定車の約2倍近いプライスだが、何かと特殊な整備やアップデートが必要となる電気自動車ゆえ、ここは極力ディーラー系の販売店での購入を考えたいところだ。

 スマートedは今となってはシーポッドのようなきめ細かな装備やサービスもないし、軽自動車ではなく小型車の登録になってしまう。けれどそれを上回る魅力が、この超小型電気自動車にはある、と僕は思う。

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みんなのコメント

3件
  • ED
  • ワタナベ健芳
    スマートEVの問題はバッテリー交換の時期が来ていると言えます。バッテリー交換費用は100万円以上。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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