ホンダ、日産だけプラス
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)
【画像】比較 スズキ・ワゴンR改良新型、従来型【実車】 全46枚
全国軽自動車協会連合会がまとめた2月期の軽自動車の国内新車販売台数(速報値)は、前年同月比9.6%減の16万1883台と、5か月連続でのマイナスを記録した。
2月期のブランド別新車販売台数では、Nワゴンの生産を再開したホンダが前年同月比2.1%増の3万4879台。デイズの販売が好調な日産が同5.8%増の1万9354台とプラスを記録したものの、それ以外はすべてマイナス。
ただし、ダイハツは同15.3%減ながら4万8856台を販売して、2か月連続でのシェアトップにつく。
新型ハスラーの販売が堅調なスズキは、同12.4%減(4万7428台)に抑えて、第2位に位置。また三菱自は、新型スーパーハイトワゴンのeKクロススペース/eKスペースの発売直前で買い控えが発生したこともあって、同27.0%減の4341台と2桁減となった。
一方、OEM供給を受けるマツダ、トヨタ、スバルはすべて2桁減に落ち込んだ。
ハスラー/Nワゴンが貢献
2月期の軽自動車の新車販売動向について業界団体の関係者は、「昨年10月の消費税アップに伴う反動減や景気の先行き不安による消費マインドの減退に加え、新型コロナウイルスの感染拡大によって販売店への客足が鈍ったことが、マイナスを記録した要因といえる」と解説。
「ただし、スズキ・ハスラーの新車効果やホンダNワゴンの生産再開などによって、前年同月比でのマイナス幅は9.6%と、4か月続いていた2桁減はストップした」と指摘する。
今後の動向は?
今後の市場の動きに関しては、「新型コロナウイルスの感染拡大でユーザーが外出を控え、販売店への来場は減る傾向にある。発表される景気動向指数なども軒並み悪化しており、消費マインドの低迷はいっそう深刻化しそうだ」と説明。
「一方、3月19日には新型軽スーパーハイトワゴンの日産ルークス/ルークス・ハイウェイスターと三菱eKクロススペース/eKスペースが発売される予定なので、これが低迷する販売成績をどれくらいカバーできるかが注目ポイントになる」と示唆した。
国産車全体 トップ6まで「軽」
2月期の軽自動車の車名別ランキングでは、ホンダNボックスが前年同月比6.0%減ながら1万9177台を記録して3か月連続でのトップにつく。
続く第2位には、同6.6%増の1万5495台を成し遂げた日産デイズが前月と同順位でランクイン。第3位には、同4.4%減ながら1万4496台を売り上げたダイハツ・タントが1ランクアップで入った。
一方、トップ3常連のスズキ・スペーシアは同11.9%減の1万3945台にとどまって1ランクダウンの第4位に甘んじる。
ちなみに、登録車と合わせた車名別ランキングのトップ10は、ホンダNボックス(1位)、日産デイズ(2位)、ダイハツ・タント(3位)、スズキ・スペーシア(4位)、ダイハツ・ムーヴ(5位)、ホンダNワゴン(6位)、トヨタ・ライズ(7位)、日産ノート(8位)、トヨタ・カローラ(9位)、日産セレナ(10位)の順に。
トップ3を4か月連続で軽自動車が独占、しかもトップ6までを軽自動車が占めた。
改良新型ワゴンR 新エンジンに
注目のニューモデルの動きを、軽自動車について見ていこう。
1月20日に生産を再開したホンダNワゴンは、前年同月比116.5%増の1万1121台を販売して第6位に。
1月20日より新型に切り替わったスズキ・ハスラーは、同11.9%増の5809台を達成して第9位にランクイン。
1月に新開発のパワートレインを搭載するマイナーチェンジ版を発売したスズキ・ワゴンRは、5673台のセールスを成し遂げて第10位に入る。
また、昨年10月に発売したトヨタ・コペンは173台の販売を記録し、OEM元のダイハツ・コペンの239台に迫る数字を達成した。
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