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「アーマーゲー」と呼ばれたバブルなベンツ「560SLE AMG 6.0」が2500万円オーバーで落札! ヤナセがAMGジャパンに持ち込んだ1台でした

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「アーマーゲー」と呼ばれたバブルなベンツ「560SLE AMG 6.0」が2500万円オーバーで落札! ヤナセがAMGジャパンに持ち込んだ1台でした

車両全体のクオリティは非常に高い

2023年8月17日~19日、RMサザビーズがアメリカモントレーで開催したオークションにおいてメルセデス・ベンツ「560SLE AMG 6.0」が出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。

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AMGはメルセデスの市販モデルをベースとしたコンプリートカーを製作

いまでこそAMGブランドはメルセデス・ベンツグループの一員となっているが、発足当時はあくまでも市井のチューナーだった。とはいっても、メルセデス・ベンツとの関係性は深く、早くから参戦していたレースの世界では、メルセデスの準ワークスチームといった存在であったし、1980年代半ばからはAMGの開発したパーツをメルセデスに供給するようになっている。

なぜ市井のチューナーであったAMGが、メルセデス・ベンツと深い関係を保てたのか。それを知るためには、AMGが活動をはじめた理由を探らなければならない。

AMGは、当時のダイムラー・ベンツ社でレース用エンジンの開発をおこなっていたエンジニア、ハンス・ヴェルナー・アウフレヒト氏と、エアハルト・メルヒャー氏が創業した。AMGブランド名は、アウフレヒトとメルヒャー、そしてアウフレヒト氏の故郷であるグロースアスバッハの頭文字をつないだものだ。

両氏はダイムラー・ベンツ時代、レース用エンジンの開発を手掛けていたが、ワークス活動を再開しない会社の姿勢に不満を覚えていた。そこで、自らの技術を持って、ダイムラー・ベンツのレーシングマシンでレースに参戦し勝利する、という目標を持ち、AMGを立ち上げたのだ。

その後1971年にはスパ・フランコルシャン24時間レースで優勝したり、DTMでは1986年の参戦以来160の勝利を重ねるなど、大きな実績を挙げている。

それらの活動に加えて、AMGはメルセデスの市販モデルをベースとしたコンプリートカー製作やチューニングパーツのデリバリーもおこなってきた。

チューニングのキモとなるエンジンは、メルセデス製をベースとしながらも排気量アップや、ものによってはブロックの製作、シリンダーヘッドの開発などもおこなうことで大幅なパワーアップを実現。その開発力の高さは、いまも参戦を続けているF1パワーユニット開発にも活かされている。

ホイールはOZ製のAMG純正品

そんな歴史を持つAMGが、ベルセデス・ベンツ560SELをベースにつくったのが、今回RMサザビーズオークションに出展されたメルセデス・ベンツ「560 SEL AMG 6.0」である。

このクルマは1991年式の、日本仕様車だ。560SELを新車で購入した日本のオーナーが、当時はヤナセが展開していたAMGジャパンに車両を持ち込んでつくられている。

搭載されているエンジンは5.5LのM117型V型8気筒をベースにボアアップを施し、シリンダーヘッドはM119型に換装したM117/9ハイブリッドと呼ばれるもので、375psを発生する。ブレーキシステムはフロントに対向4ピストンキャリパーを装備し、ディファレンシャルはグリーソン・トルセン社(現在のJテクト・トルセン・ノースアメリカ)製へと換えられている。

エキゾーストフィニッシャーやフルエアロキットももちろんAMG製だし、インテリアには300km/hスケールのホワイトメーターやバーウッド・トリムなど、これもAMGのパーツが装備されている。ホイールはOZ製のAMG純正品だ。

その全体的なクオリティは、年式を考慮すれば高い、といえるだろう。もちろん、コンクールコンディション、というわけではないが、ひび割れを起こしやすいバーウッドトリムは、フロントシートバックに装備されたテーブルのみ若干の割れが見られるものの、その他の部分は美しい。ボディ外板も、新車当時はブルーブラックメタリックだったものを、まだ日本にあるうちに現在のアストラシルバーメタリックへと全塗装しているため、その状態は良好だ。

さらにいうなら、日本向けの取扱説明書や整備手帳、カタログなども付属しているし、シフト操作のコーションラベルや慣らし運転に関するコーションラベルなども、新車当時のまま貼付されている。

今回の出品に際しては、注意点としてトランスミッションに小さな不具合があるようだが、これは修理できるものなので、この個体を手に入れたいと考える人にとっては、大きな負担とはならないはずだ。

そんなこのメルセデス・ベンツ560 SEL AMG 6.0は、9万ドル~12万ドル(約1300万円~1750万円)というエスティメート(推定落札価格)に対して、17万9200ドル(約2610万円)という価格で落札された。

この価格、高いといえば、高い。しかし、昨今のヤングタイマーの高騰という面から見れば、ちょっと落ち着いたかな、とも感じられる。トランスミッション修理が必要という部分が問題視されたのか、あるいは全塗装をおこなった経歴がある、ということが忌避されたのか、それはわからない。もし想像のように、ヤングタイマー車の価格高騰が落ち着いてきた証が今回の落札額なのだ、とするならうれしいのだが、さてどうなのだろうか。

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