現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【クルマの通知表】スバル・クロストレックはタフで安全、そして使えるニューカマー。その商品性をズバリ評価!

ここから本文です

【クルマの通知表】スバル・クロストレックはタフで安全、そして使えるニューカマー。その商品性をズバリ評価!

掲載 36
【クルマの通知表】スバル・クロストレックはタフで安全、そして使えるニューカマー。その商品性をズバリ評価!

クロストレックはスバルの新たな主役。作りは本格派

 XV改め、新型クロストレックは、新たなスバルの主役だ。従来はインプレッサの派生モデルだったが、新型は主従が入れ替わり、グローバルで見ても販売好調。屋台骨を支えるモデルに成長した。新車名は海外市場では以前から用いられており、新型は世界統一名称となった。

【最新モデル試乗】新鮮クロストレックは、SUBARUの新たな主力。快適で頼もしい走りに惚れました!

 現在のスバルの売れ筋は、時代の流れを反映しSUV要素を身につけた車種である。その中でクロストレックは、最もコンパクトなエントリーカーという位置付け。SUVに興味はあるが、「車高がそれほど高くなく、取り回しに優れたクルマが好み」という人に、ちょうどよい選択肢となる。
 とはいえ作りは本格派。フレンドリーな雰囲気ではあるが、オフロードやアウトドアシーンを考慮して最低地上高を200mmとたっぷり確保している。駆動方式はFFと4WDの2種。テストモデルは4WDの上級グレード、リミテッドである。

 若々しいイメージが増したスタイリングは、老若男女問わずどんなユーザーが乗っても絵になりそうだ。シートに収まると、一連のスバル車と同じように、全方位にわたって良好な視界が確保されていた。ベルトライン前方は低く、ピラーは細め。しかも付け根部分とドアミラーとの間に隙間があるので、斜め前方の死角が小さい。

 ベルトラインは後方にかけて微妙にキックアップしている。ウィンドウの天地高はさほどでもない。だがリアピラーに設けられた小窓が効いて、脇道から斜めに本線に合流するようなシチュエーションで助かる。やや高めの視線になるが、日常使いでちょうどよい。

 インテリアの質感は、このクラスの中では十分に高い。中央にある縦長の11.6インチディスプレイには、多彩な機能が盛り込まれている。ただし、物理スイッチ類をほぼなくし、大半の操作をパネルで行うようにした結果、直感的に操作しずらい面もある。使いこなすには若干の慣れが必要だ。

路面を問わずしなやかな乗り心地。ハンドリングにも優れたオールラウンダー

 全長×全幅×全高4480×1800×1580mm(ルーフレール装着車)とサイズは手ごろ。室内空間はルーミー。後席や荷室のユーティリティは十分に確保されている。乗り降りしやすいよう配慮されていることも使ってみるとわかる。

 走りは好印象。今回のチェックに加え、これまでクローズドコースや郊外のワインディングロードも走っているが、一貫してプラスの思いを抱いている。日常ユースはもちろん、ロングドライブからカントリーサイドへのちょっとした「冒険」まで、信頼できる相棒として十分なポテンシャルを備えている。
 高めの地上高と大径タイヤは走りにも効いている。ストローク感のある足回りはしなやかに路面を捉え、凹凸や継ぎ目を乗り越えても衝撃は小さい。クロスオーバーとして1~2位を争う快適な乗り心地の持ち主である。これには体をしっかりホールドし、頭がブレにくい構造を採用したシートも効いているようだ。

 後席も居心地がいい。このクラスは前席重視で後席はそれなりというクルマが多い。だがクロストレックはスペース性だけでなく、シートの作り、乗り味、静粛性を含め前席との差が少ない。

 ハンドリングは正確である。直進安定性は高く、ステアリングは切り始めたから遅れなく応答。イメージしたラインをそのままトレースする。修正舵は少なくて済む。優れた操縦性は、このクラスの日本車で採用例が増え始めた2ピニオン式の電動パワーステが効いている。しっかりとした手応えとスッキリとしたフィーリングを両立した点が素晴らしい。レヴォーグやWRXも2ピニオン式を採用しているが、それよりも感触に優れる。
 クロストレックの走りのよさは、土台となるプラットフォームがしっかりしているからこそ。軽量で剛性の高い第2世代となるSGPの実力の高さに改めて感心した。

 一方で2リッター水平対向4気筒(145ps/188Nm)とモーター(13.6ps/65Nm)を組み合わせたe-BOXER(FB20)は、クセがなく扱いやすいが、よくも悪くも薄味である。
 新型のパワートレーンは大改良が施され、従来、見受けられた応答遅れや段付き感が解消。リニアなレスポンスとフラットなトルク特性を実現している。音や振動が小さい水平対向の強みに磨きがかかり、スムーズで静かにもなっている。
 モータースペックからも判断できるように、あくまでマイルドハイブリッドである。電動車感は少ない。発進時や再加速時に頻繁にモーターがアシストするが、その実感は薄い。パフォーマンス自体に大きな不満はないにせよ、もう少し電動感なりパワー感なりプラスαを期待したくなる。

 定評のある安全性については、新たに広角単眼カメラをプラスし、アイサイトの機能を充実させた。全体としてクロストレックは完成度の高さが印象的。手ごろな価格とサイズで使い勝手に優れ、見た目も走りの満足度も高い。幅広い層に愛されそうだ。

通知表/SUBARUクロストレック・リミテッド(4WD) 価格/328万9000円

総合評価/74点

Final Comment

スバルらしい真面目さと作り込みが光る
中でも快適な乗り心地はクラストップ級

 パワートレーンに物足りなさを感じた。燃費テストの結果も平凡。だが、クルマ全体としては確実に進化し完成度が高い。とくに乗り心地を含めシャシー性能には感心した。視界のよさに加え、室内のすみずみまで使いやすさに気配りされている点はスバルの良心が息づいている。新世代アイサイトは機能面では充実したものの、車線維持が心なしかおぼつかなくなっていたり介入感が強まっていた点が気になった。この点は長距離をドライブして、改めて検証したいと思う。

SUBARUクロストレック主要諸元

グレード=リミテッド(4WD)
価格=7CVT 328万9000円
全長×全幅×全高=4480×1800×1575mm
ホイールベース=2670mm
トレッド=前1560:後1570mm
最低地上高=200mm
車重=1610kg
エンジン=1993cc水平対向4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=107kW(145ps)/6000rpm
最大トルク=188Nm(18.6kgm)/4000rpm
モーター最高出力=10kW(13.6ps)
モーター最大トルク=65Nm(6.6kgm)
WLTCモード燃費=15.8km/リッター(燃料タンク容量48リッター)
(市街地/郊外/高速道路:12.9/16.0/17.3 km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/55R18(オールシーズン)+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m
主要装備:アイサイトコアテクノロジー(プリクラッシュブレーキ+前側方プリクラッシュブレーキ+緊急時プリクラッシュステアリング+後退時ブレーキアシスト+AT誤発進&後退抑制制御+ツーリングアシスト+全車速追従ACC+車線逸脱抑制&警報+ふらつき警報+先行車発進お知らせ警報+アイサイトアシストモニター)/アイサイトセーフティプラス(後側方警戒支援システム+エマージェンシーレーンキープアシスト+ドライバー異常時対応システム+アダプティブドライビングビーム+デジタルマルチビューモニター)/ドライバーモニタリングシステム/自動防眩ルームミラー/コネクティッドサービス(SUBARU STARLINK)/フルLEDランプ/Xモード/SIドライブ/アクティブグリルシャッター/パドルシフト/アルミパッド付きスポーツペダル/11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム/シャークフィンアンテナ/前席パワーシート/アクセスキーワード対応運転席ポジションメモリー/左右独立温度調節式オートAC
装着メーカーop:ルーフレール(ダークグレー塗装)5万5000円/ステアリングヒーター1万6500円/前席シートヒーター3万3000円/ナビゲーション機能8万8000円
ボディカラー:オアシスブルー(op3万3000円)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

36件
  • クロストレックはモータージャーナリストがこぞって激賞してるのに、売れてないよね。スバルはCMもいい感じなのに。

    評判のよくないディーラーの対応も影響してるんですかね。
  • 先代に比べてあまりにも売れないので、開発者も焦っているでしょうね。でも車を買う人の大半は走りの質感なんか分からないし、他社も安全性能上げてきてるので、デザインや先進性、燃費など、分かりやすい所で購入の意思決定をすると思います。

    国内の販売台数が直近数年で半分くらい減っているので、国内撤退は時間の問題かなと。米国仕様の車が売れないならまだしも、クロストレックやインプレッサはスバルのエントリーカーですからね。。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

301.4344.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

227.0390.6万円

中古車を検索
クロストレックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

301.4344.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

227.0390.6万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村