元『月刊ランボルギーニ』担当者の思い入れ
ランボルギーニ・レヴエルトについに乗ることができた。最初にちょっとだけ、感慨深い(といきなり書いてしまうが)その背景を書いておきたい。
【画像】まるでエヴァ初号機? なランボルギーニ・レヴエルト取材車 全69枚
私は『月刊ランボルギーニ』の異名を持っていたスーパーカー雑誌『ROSSO』の編集部に15年ほど在籍し、そのうち3年は編集長も務めた。
リアルタイムで取材してきたランボルギーニは1990年代終盤、ディアブロの後期から。ムルシエラゴはサンタアガタの本社まで何度か取材に行ったし、ガヤルドは2003年のジュネーブ・ショーでデビューも見たし、『イオタ白書』なるムックも製作したし、カウンタックのムックは2回も作らせて頂いた。
ありがたいことに、ディアブロ後期以降のランボルギーニはだいたい乗ることができている。先日乗ったウラカン・テクニカは、いつか手に入れたいと思うほど感動した。
というわけで、ランボルギーニには少なからず思い入れがあるのだが、今回レヴエルトをしっかりと取材させて頂いて、”随分と遠くまで来たなぁ”と思ったのだ。
2回目となる逆転の発想
取材は今回試乗記をお願いした渡辺敏史さんの助手席でスタートした。エンジンが始動するとその轟音に体がビクっとなるほど驚き(渡辺さんも驚いていた)、いかにも多くのピストンが上下しているという感覚が、今では少なくなってしまった12気筒であることを教えてくれる。
駆動系が発するのか、室内に響くどこか高い周波数の金属音を聴いて思い出したのは、実はミウラ・イオタと呼ばれるミウラSVJだった。イオタ白書の取材で訪れたフランスにて、シルバーを纏った『SVJスパイダー』と呼ばれるシャシーナンバー4808の助手席に乗せて頂いたのが、確かミウラ初体験だったと思う。その時に、ルーフレスの頭上から聴こえたあの音に似ていたのだ。
これはムルシエラゴでもアヴェンタドールでも感じなかったことだ。今回、フロントにモーターを追加し駆動することでドライブシャフトがなくなり、トランスミッションがエンジン後方に移動したことは無関係でないだろう。
私は初めてROSSOでカウンタックの”巻末特集”を作った時に、フロントに搭載したV12エンジン+トランスミッションを逆方向にしてリアに搭載するというレイアウトと、フェラーリへのカウンターとして挑戦した若きエンジニアたちに最大限の敬意を表して、『逆境の勇者たち』というタイトルをつけた。そして今回レヴエルトでは”本来の方向”に戻し、プロベラシャフトの位置にバッテリーを搭載するという、2回目となる逆転の発想を行ってきたのだ。
助手席でそんなことを考えながら感じたのは、その空間の快適性だ。アヴェンタドールまでは、サウンドも乗り味も刺激しかなくて、エブリデイ・スーパーカーと呼ぶに相応しいエキサイティングな非日常がとにかく魅力であった。
今や7000万円級のスーパースポーツカー
ところがレヴエルトはV12エンジンがもたらす非日常と、ガヤルドやウラカンで感じた日常が同居しているように感じる。ドライバーが右足に力をこめなければ、室内空間は”比較的”穏やかだ。装備も充実し、日本語で案内するナビゲーションなんてかつては想像できなかったが、今や7000万円級(正確には6543万円)のスーパースポーツカーで、そういった最低限の快適装備は不可欠なのだろう。
そう、7000万円なのだ。もはやこれは、以前にも増して、気軽に取材できるクルマでなくなってしまった。そしてその高価さは、ランボルギーニが真のハイブランドとして勝負していることを示しているように思う。
2007年に100万ユーロカーとして、ムルシエラゴをベースにオリジナルのボディを採用したレヴェントンを20台限定で発売したとき、それはあまりに高価すぎるという声もあった。しかし、そういった自社のスーパースポーツに新たな価値を与えることは、各ブランドが追従し、今や数量限定車は珍しくなくなった。
つまりランボルギーニは、スーパースポーツのハイブランド化という方向性にいち早く気が付き、ずっと勝負し続けてきたのだ。
だからこその、カウンタック以来の伝統となるシザードアであり、エッジの効いた男性的なスタイリングであり、1000psという”使わない贅沢”と言える途方もないハイパワーなのだ。
アヴェンタドールまではあくまでカウンタックの延長にあり、かつて少年たちが熱狂した”スーパーカー”だった。しかしレヴエルトは、例えばエルメスやヴェルサーチのような、少年は敷居を跨ぐことすらできない、真のハイブランドが送り出す”スーパースポーツカー”として、手の届かぬ遠くの位置に行ってしまった。
そう書くと嘆きに聞こえるが、実車を見ていて思ったのは、”もっとやれ!”であった。どうせなら、誰も追いつけないところまでぶっ飛んでしまえばいい。それが、カウンタックのプロトタイプを見て「クンタッチ!」と叫ばれた、あの時代から変わらぬランボルギーニらしさ、だと思うから。
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