ショートコースを卒業してロングコースへ
2年計画でレーシングビートの記録更新を狙う!
「快適な300キロ巡航を可能にするオートマ仕様のJZA80スープラ!」爆発的な加速を生む3.1Lツインターボの強心臓
Day.4(8/17 Tue.)
大胆かつ丁寧な走りで着実にステップアップ
走り始めたら早々にショートコースを“卒業”して、FC3Sのパフォーマンスを解き放てるロングコースへとコマを進めたいところ。そのためには、ライセンスBを獲得するまで足踏みはしたくない。
この日はガソリンを14L追加して、朝イチから精力的にアタックすることになった。1本目は、スタートで5回もエンジンストール。オフィシャルからコース外への退避を求められると思ったけど、なんとか走り出すことができた。
スターターは、ボンネビルで200マイル以上の最高速を出し、かつ各クラスの新記録を樹立したドライバーのみが加盟できる“200MPHクラブ”会員の有志がボランティアで担当している。写真は、田中サンもよく知る名物スターターのビル・テイラー。スタートラインについたドライバー&ライダーの安全装備チェックやスタート指示を行うなど、レースを円滑に進める。
「ダンディ(田中サン)に“5回エンストすれば見せ場をつくれるよ”と言われたから…というのは冗談で、昨日と同じ感覚でクラッチをつないだはずなのに、なぜかエンジン回転がストンと落ちちゃって。暖気が短かったのかな? それでもスタートが切れて、2マイル手前で十分スピードを乗せることができたんだ。シフトミスはなかったし、足回りのセットアップもイイ感じだね」とレイ。
見事な走りでライセンスDを取得し、間髪入れずライセンスCに挑戦することになった。これまでの2本は3速でのアタックだったけど、ここで初めて4速まで使うことになる。
ライセンスCで出さなければならないスピードは241km/h以上、280km/h以下。その中間の260km/h前後を狙う指示が田中サンから出される。
レイいわく、「8700rpmでシフトアップすると3速から4速へのチェンジでパワーバンドを外しちゃう。その分は2→2.25マイル区間で取り戻せるんだけど、加速のモタつきをなくすにはキッチリ9000rpmまで回さないとダメかな。エンジンの余力はたっぷりあるし、挙動も安定してるから、感覚的にはあと100km/h…350km/hまではスムーズに出せると思うよ」とのこと。
ただ、ハーフブースト時にテールが振られる症状が出てきたからライセンスBへのアタック前に、リヤの減衰力のみ3クリック分、締め上げることになった。これでもリヤが振られるようなら、純正ガソリンタンクに水を入れてウエイトを稼ぐ。
一方、「スピードの計算はバッチリ。水温は92度で安定、A/Fも8700rpmまでは10.8~11.2で推移してて問題なし。ブースト圧はコンマ5~6キロくらいだから、イイ流し方をしてるんじゃないかな。あとは中古の純正ミッションがどこまでもってくれるか? それ以外は特に不安もないよ」と田中サン。2日間の遅れを取り戻すようにFC3Sは順調に走りつづける。
ロングコースに進むまでの関門はあとひとつ、ライセンスBだけとなった。ここまでリヤダンパーの減衰力を調整した以外、手直しを施した箇所は他になく、特にエンジンに関してはCPセッティングを含めた高い完成度がうかがい知れる。
これをショートコースでの最後のアタックとするため、シフトアップのエンジン回転数を9000rpmに設定。レイは1~3速のチェンジを完璧にこなして4速へと入れた。
「エンジン回転数は5500rpmまでドロップするから、これでもパワーバンドを500rpm下回ってることになる。そこでアクセル全開。過給を待って、ブーストがかかり始めたらアクセルでコントロールする。リカバリーできるまで待ち時間があるんだけど、自分が落ち着きを取り戻して冷静にクルマと向き合えるから、その間合いがちょうどイイんだ」とレイ。クルマもドライバーも安定した走りを見せ、晴れてライセンスBを獲得。一度もミスすることなく、ロングコースへの切符を手に入れたのだ。
ここまで順調にコマを進めてこられたのは、車重が軽すぎるのはデメリットという前年の教訓を活かし、日本を発つ前に運転席の下に50kg分、助手席側フロアに120kg分のウエイトを搭載したことも大きく関係している。さらに、その状態でトップスピード領域における前後荷重バランスを最適化するため、実は前年の仕様に対してフロントの車高だけ5mm下げられている。また、バルブ部からエア漏れしていたフロントタイヤも新品に交換。
これで翌日レーシングビートの記録を抜けば、そのつぎの日にはクラスレコードの更新をかけたレコードランにチャレンジできる。田中サンいわく、「順調すぎて、なんと言ってイイのか…。素直にウレシイよね。心配してたA/Fも、とりあえず問題なさそうだし」とのこと。
落ち着いて現状を分析しながら、記録更新への自信をのぞかせる田中サン。実はこの時、頭の中では、あるひとつのプランが練られていた。
この日、3本のアタックで順調にライセンスBまで獲得したあと、ピットに戻って燃料タンクに残ったガソリンを抜く。これがなにを意味するのか。実は田中サンが思い描くシナリオと深く関わっている作業だったりするのだ。
■ATTACK for ライセンスD
計測地点 通過速度
2mile 133.824MPH(215.323km/h)
2.25mile 133.560MPH(214.898km/h)
3mile 133.762MPH(215.223km/h)
※取得の条件:125~149MPH(201.125~239.741km/h)
■ATTACK for ライセンスC
計測地点 通過速度
2mile 162.827MPH(261.989km/h)
2.25mile 163.913MPH(263.736km/h)
3mile 163.759MPH(263.488km/h)
※取得の条件:150~174MPH(241.350~279.966km/h)
■ATTACK for ライセンスB
計測地点 通過速度
2mile 183.558MPH(295.345km/h)
2.25mile 194.383MPH(312.762km/h)
3mile 192.810MPH(310.231km/h)
※取得の条件:175~199MPH(281.575~320.191km/h)
●PHOTO:小林克好(Katsuyoshi KOBAYASHI)/TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
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