電動パワートレイン“Kit”の開発を担当したEPWR社が、各モデル3台づつの新型EVツーリングカーを完成させ、初年度に投入される4車種全12台のデリバリーが完了したばかりのSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権だが、その盟主たるPWRレーシングが“PWRクプラ・スウェーデン”として参戦する『クプラ・ボーン』の2024年仕様を発表。同時に3人目のドライバーとして、ラリークロスの欧州選手権EuroRX1で2冠を誇る元王者アントン・マルクランドの起用をアナウンスしている。
新開発BEV(バッテリーEV)車両による次世代の電動ツーリングカー・チャンピオンシップとして、シリーズは今季2024年より“約1年おくれ”の再出発を切る。それに先立ち4月末には、電動パワートレイン“Kit”の開発を担当したEPWR社により各車両製造の完了を受け、すぐさまシェイクダウンが実施された。
全12台の電動ツーリングカー完成。各陣営納車後に即ロールアウト「これまでで最大の前進」/STCC
そのロールアウトではすべてのチームやドライバーに不公平のないよう一貫したフィードバックを提供する目的で、STCCの最高経営責任者を務めるミュッケ・ベルンCEOが全車両のステアリングを握っており、ブリンク・モータースポーツが走らせる『テスラ・モデル3』、TCR時代から参画するエクシオン・レーシングの『BMW i4』、そして『フォルクスワーゲンID.3』の各3車種がトラックでの走行を実施。ただし、唯一クプラ・ボーンのサーキット搬入はなく、ここでのデビューは見送られるかたちとなっていた。
「我々はモータースポーツの持続可能で楽しい未来を創造することに向け、断固として取り組み続けるこの歴史的なシーズンに先立ち、改めてクプラ・ボーンを発表できることをうれしく思う」と語るのは、PWRのチームマネージャーを務めるマーカス・エクストローム。
そんなチームの主要パートナーには、引き続き地元電力関連企業のSkellefteå Kraft(シェレフテオ・クラフツ)が名を連ね、新たにシリーズの電動化時代に向け車両開発にも協力してきたクプラ・スウェーデンがプログラムに参画する。
「ヨーテボリで行われるフルエレクトリックSTCCの歴史的な初演に参加できることを、大変うれしく思っている。我々のベストセラーEVであるクプラ・ボーンを、このチャンピオンシップで発表することは大きなマイルストーンでもある」と続けたのは、クプラ・スウェーデンのブランドマネージャーであるパー・ブリンケンベルグ。
「都市環境での電動レースは、情熱、環境への配慮、そしてアドレナリンに満ちたレースを組み合わせた未来だ。多くの表彰台を獲得し、パートナーと喜びと成功を分かち合うエキサイティングで濃密なシーズンを楽しみにしているし、これはより持続可能でエキサイティングなモータースポーツの世界を目指す、我々の旅の始まりに過ぎないんだ」
その新時代に向け、不動のエースであるロバート・ダールグレンとアクセル・ベングトソンの残留を表明していたチームは、最後の1台にラリークロスの欧州チャンピオンをサプライズ起用し、初年度となるPWRクプラ・スウェーデンのラインアップを完成させた。
■テスラが最初の公式テストで速さを見せる
「僕にとってレースは単なるスポーツではなく、ライフスタイルなんだ。この歴史的な電動レースカーへの移行において、クプラ・スウェーデン(PWR)とともにSTCCデビューを果たせることは素晴らしいことだ」と、初のサーキットカテゴリー挑戦に意気込むEuroRX1王者のマルクランド。
「学ぶべきことはたくさんあるが、ピットパドックにいる全員にとってこのコンセプトは完全に新しいものであり、チャンピオンチームのためにレースをするのは本当に刺激的だ。一緒に良い結果を得ることができるよう願っている」
一方で、コンセプト発足当初よりBMW i4を走らせる計画だったエクシオン・レーシングは、この2024年に入って「参戦チーム未定」と変化していたフォルクスワーゲンID.3の3台も引き受け、事業を拡大して異車種6台体制を稼働させる。
「チーム全体がこの任務に向け高いモチベーションを維持しており、かつてTCRデンマークで4台を投入して競い合ったチーム・オートラウンジ・レーシングの経験を活用しようとしている」と説明するのは、エクシオン・レーシングのチームマネージャーで元STCCドライバーでもあるケビン・エングマン。
すでにチームはBMW i4をのドライバーとして、2022年にSTCCデビューを飾って総合12位を記録したカッレ・バーグマンの起用を決めており、新たにフォルクスワーゲンID.3の最初のシートには、2022年にKZワールドのタイトルを獲得したカート王者の20歳、ヴィクトル・グスタフソンを抜擢している。
同じくトビアス・ブリンクとジミー・エリクソンの2台を確定させていたブリンク・モータースポーツも、最後のテスラ・モデル3を託すドライバーにミカエル・カールソンを選抜。2021年のSTCCではレストラップ・レーシングのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRをドライブした大ベテランも「チャンピオンシップの電動化と同時にSTCCが復活するのは、本当にエキサイティングな挑戦になるだろう」と意欲を見せる。
その面々は新時代の最初の2日間となるSTCC公式テストのためマントープパークに集結し、初日はロングの3125m、2日目はショートの1950mレイアウトでセッションを実施。両日ともにテスラ・モデル3が速さを披露する展開に。
初日はカールソンが1分26秒562で最速タイムを記録し、フルシーズンドライブの可能性を評価するためゲスト参加となったオリバー・セーデルシュトレーム(エクシオン・レーシング/BMW i4)を0.142秒上回る結果に。続く2日目は今季カレンダーの後半で実際にレースが開催される可能性の高いショート版にて、ブリンクとエリクソンがワン・ツーを記録した。
そんな新世代STCCは、開幕ダブルヘッダーを予定するヨーテボリ市街中心部での開幕戦(6月8~9日)を前に、引き続き5月21日と22日にもユンビヘッドパークで2回目の公式テストを予定している。
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