ルクセンブルクで満タン給油していざル・マンへ
ドイツ在住でモータースポーツを中心に取材活動を続ける池ノ内みどりさん。毎年恒例のドイツ・ニュルブルクリンク24時間レースの取材を終え、帰宅はせずにそのまま2週間後に開催されるフランスのル・マン24時間レース取材のため移動を開始しました。ガソリン価格の安いルクセンブルクで満タンにして、いざ出発。しかし、フランスの高速道路では試練が待ち構えていたのでした……。
ガソリンがリッター263円なら安い!? 給油するならドイツ、フランスを避けてルクセンブルクがオススメです【みどり独乙通信】
フランスには日本のETCのようなシステムが存在
ニュルブルクリンクからル・マンへ向けて、帰宅せずそのまま向かうことにした筆者。いよいよニュルからルクセンブルクを抜けてフランス領に入り、約700kmのドライブが始まります。ドイツより1Lあたり約40セント(約68円)も割安なルクセンブルクで満タン給油して、フランスのル・マンへ向けて出発です。
ドイツとルクセンブルクでは高速道路の料金は無料なのですが、フランスに入ると区間ごとに料金所があります。現金やカードで支払うレーンと、日本のETCと同じような仕組みのレーンがあります。最近はどれにも対応できるレーンもあって便利になりました。
バカンスシーズン以外では料金所も割合空いているのですが、シーズンになると大渋滞。しかも、なぜかカードが使えなかったり、せっかく料金を入れたのに入ったことにならず再度全額支払うハメになったり、領収書が出てこない、お釣りが出ない……さまざまなハプニングにあった経験があります。料金所のない国の人たちは大概これに焦ります。
後ろから物凄い勢いで早くしろとばかりにクラクションを鳴らされて、また焦る……。そんな経験を何度もして心が折れた私は、数年前にドイツでもフランス・イタリア・スペイン・ポルトガルで利用できる機器が売り出されたと知ったとき、すぐに注文しました。
最初に機械代と年間使用料が必要となり、料金+手数料が掛かってちょっと割高なのですが、買って大正解! 年に数回しか使いませんが、それでもストレスフリーの方が勝ります。しかし、機械の反応がちょっと遅いので、毎回通過する際には一旦止まらなければならず、ドキドキします。
パリの通過はつねに渋滞でノロノロ運転に……
フランスの高速道路の制限速度は、90/110/130km/hと区間によって変わります。ドイツ・ルクセンブルクから抜けてパリ方面に行くA4号線をいつも利用するのですが、私的には本当に退屈でしょうがないルートなんです。景色はまったく変わらずひたすらのどかな畑。非常に空いているのですが、多少アップダウンはあるものの単調な道が続きます。
毎年ここを通ると思うのですが、なぜわざわざ激混みのパリを通るように作ったのかな? と。複雑な合流が重なるうえ、交通量が多いので10~40km/hの超ノロノロ運転です。ウインカーを出さないまま車間距離も考えずに突然車線変更をして来る、左右からバイクが猛スピードですり抜けて行く。私は体中にイヤ~な汗をいっぱいかいて毎回パリを通過します。
私の愛車はカブリオレでルーフを閉めていると死角が多く、薄暗いトンネルが多いパリの高速道路の中でのぐちゃぐちゃなトラフィックでは見にくいのです。とくに両サイドから来るバイクや小さなクルマ。カブリオレなんかに乗っている私が悪いのですが、パリのみなさん、毎日これを乗り切るなんてめちゃくちゃタフ過ぎます。
いっぱい汗をかいてル・マン方面の高速道路へ出ました。やっとノロノロ運転から130km/hで残りル・マンまで100kmちょっとを快適走行ができるかと思っていたのですが、このまま130km/hで走り続けると、ル・マンまでは燃料が足りないことが発覚し、途中で給油することに。
すべてではないと思うのですが、フランスの高速道路のサービスエリアで給油する際、給油する前にまずはクレジットカードをサービスエリアのカウンターで預ける必要があるのです。きっと給油してお金を払わずに逃げる人への対策だと思いますが、あまり良い気分ではないので、なるべくそれは避けたいのです。
巡航する速度を10km/h落とし、120km/hで走行車線の一番右端を走る作戦で随分と燃費アップに成功! ル・マンに到着した際には36km分の燃料が残っていてホッ。で、すぐにガソリンスタンドへ直行しました。
ル・マン手前にもサービスエリアがあり、いつもは素通りしてそのまま市内へ入るのですが、せっかくなので寄ってみました。サルトサーキットのすぐ近くとあり、店内はさすがにル・マン24時間レースなど、モータースポーツを意識した飾りつけです。EVの充電設備も充実していました。フランスではどれくらいEVが普及しているのでしょうか?
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