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【2020秋・バスファン向けツアー】その3JRバス4社のエアロキングが京丹波を走る

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【2020秋・バスファン向けツアー】その3JRバス4社のエアロキングが京丹波を走る

いろいろなことが難しかった2020年もそろそろ秋かというころ、バス会社がマニアックなツアーを4つ企画しました。
その内の一つは残念ながら最少催行人員に達しなかったため中止になってしまいましたが、他の3つは臨時日も設定されるほどのものもあるなど大盛況。
それぞれにテーマがありなかなかに楽しいツアーだったので内容をぜひお知らせしたいと思い3回に分けてお届けすることにいたしました。
第3回はJRバスグループ4社が企画した“JRバス4社【エアロキング】集結 王者集結KINGS SUMMIT in 京丹波”です。三菱ふそう製ダブルデッカーのエアロキングに乗って撮りました。
集まったのはジェイアールバス関東から2台、ジェイアール東海バスから2台、ジェーアールバス四国から1台そして地元西日本ジェイアールバスから1台の合計6台が揃う前代未聞の恐らく最初で最後のサミットになりました。エアロキング好きにはたまりません!

各地から西日本ジェイアールバス京都営業所に集結

貸切免許がないためやむなく空車での参加だったJRバス四国以外はそれぞれの出発地からツアーが始まっていたため関東勢は往復2泊3日、GoToトラベル後で2万9800円と旅行代金もキング。京都営業所に集まったエアロキング5台と参加者の光景も見応えがありました。

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1969年登場の国鉄ハイウェイバス東名1号車のご開帳からイベントの始まりです。密を避けるため小グループに分けて行われました。東名の開通による高速道路時代の幕開けに登場したハイウェイバスは歴史的遺産。ミニカーにもなっていたので、何やら遠くへ旅に行ける気分をミニカーで味わっていた幼年期を思い出します。




出発前の撮影タイムがすでに熱い

エアロキング5台+随行セレガ1台分の乗客がここに集まるのは初めてのことではないでしょうか。ジェイアール東海バスが特別幕を用意してあったこともあり出発前からかなり熱かったです。





エンジンの息吹を存分に感じながら京丹波路を走る

さあ出発!6台が続いて走る姿はなかなかなのもの。とはいうものの街中は信号が多いためあっという間にバラバラになってしまいましたが。


国道9号線から京都縦貫道を走るのですが、沓掛ICからの上り坂でのエンジン音が好きな者にはたまりません。
ちなみに西日本ジェイアールバスのエアロキングは2009年式BKG-MU66JS型で排気量12,882cc、出力309kW、トルク1810N・mのエンジンを搭載していてエンジン音もなかなかの迫力です。
ダブルデッカーの二階席から見る丹波の景色も特別。この車両には夜行高速バスで乗ることがほとんどなのでカーテン全開で昼間の景色を見ながら走ることはないのでその点でも新鮮で楽しい。

特製弁当と部品販売

西日本ジェイアールバス京丹波営業所でお待ちかねの昼食タイムです。
以前参加したJRバス主催のツアーの特製弁当は量も多くとてもおいしかったのですが今回も二段重!裏切られませんでした。桧山駅の待合室で初見の参加者と食べる弁当は旅情たっぷり格別の味。




バス部品やグッズ販売は3社それぞれ用意されたアイテムが違っていたのが興味深かった。後半はオークション形式になったためなかなかの熱気でした。






撮影時間もたっぷり

このツアーではフォトランはありませんでしたがその分営業所内での撮影時間がたっぷりあったので、LEDだけど“幕回し”撮影したり並べ替えたりといわゆる“置きの撮影”を楽しめました。
バスの製造年次や会社ごとの仕様の違いで同じエアロキングでも相違点がたくさんあるので、観察し撮影する時間もありました。









“駅舎”と一緒に塲田営業所長の写真を撮らせてもらいましたがなかなかいいムードです。
ちなみにこのバス停の現在の正式名称は“桧山”ですが“桧山駅”と掲示されています。なぜでしょう?気になる方は調べてみてください。




エアロキングは絶滅危惧種

エアロキングは2010年に製造が終了しているため最も新しい車体でも10年経っているのでここのところ急速に数を減らしています。
国産のダブルデッカーはなくなってしまったため代わって導入されているのは輸入車のスカニア/バンホール・アストロメガ。
昨年までベンツかスカニアしかなかった連節バスの世界には日野ブルーリボンハイブリッド連節バス/いすゞ・エルガ・デュオ(Jバス製造製の兄弟車)が登場しましたが、ダブルデッカーの方はどうやら国産車再登場の可能性はなさそうなので乗るなら今のうちです。

せっかくなので走行シーンも撮影

16時ころには京丹波営業所でのイベントも終りそれぞれの出発地に向けて旅立ってゆきました。
「二度と見ることができないこの奇跡に是非ご参加ください」
とパンフレットに書いてある通り、最初で最後のこの機会、しかも丹波路を走行したこともすることもない車両たちを見られるのですから乗っているだけではもったいないと思い、お願いしてここで降ろしてもらいました。
おかげでいいもの見られました。





乗ってきたバスを見送ってしまったので帰りは路線バスとJR山陰線各駅停車を乗り継いで京都まで戻りました。
すっかり日も暮れ、なかなかのさびしいいいムードです。桧山からの乗客は私ともう一人だけ。





コロナ禍のこのツアーで何かあったらシャレになりませんので、主催者も問診票の提出を求め、検温、消毒、社内換気に万全を期し細心の注意を払って開催していました。

久しぶりのイベントでしたが(と言ってもここまでで立て続けに3つですが)、一日外で全身に自然の空気を当てることは、こんなときだからこそ気持ちいいし、心身の健康を保つためには必要なことだと思います。きっと。カップルでの参加者もありみな楽しそうにしていらっしゃった姿を見てもああいいなと思う次第です。

今なら乗り比べできる

最後に“オオタナカの知らない世界”を少々。
エアロキングの代わりに導入が進んでいるスカニア/バンホール・アストロメガ(InterCity DD)との乗り比べが今ならできます。
InterCity DDにはこのツアーより前に一度だけ京都―東京間乗ったことがあるのですが、その時の印象は最悪でした。
社内は冷感デザインだしシートはひんやりするし乗り心地はゴツゴツ固いし、走りはじめて10分でもう降ろして!と言いたくなるほど苦痛だったから。名神高速に乗る前にもう嫌になってしまった。
SAでの短い休憩時間に運転士との雑談ついでにこの印象を伝えてみました。
この便は西日本ジェイアールバスとジェイアールバス関東の共同運行でこの時点では関東の運転士だったのですが、いろいろおもしろいことを教えてくれました。曰く、
●両社でタイヤ銘柄、空気圧セッティング、通年スタッドレスを履いているか交換するかという大きな違いがある。恐らくそれで乗り心地にも大きな違いがあるはず
●乗客の評判も良い。いつまでもゆらゆらせずにシャキッと揺れが収まるので酔わないという声を聞いたことがある
●運転士としては断然InterCity DDの方。コーナーの安定感も高く、より高い速度で安心してコーナーに入れる。古めのクラウンと今のスポーティーセダンの違いみたいな感じ?
という、私には実に意外なものでした。ちょっと納得できなかったのでセカンドオピニオンをと思い、別のイベントでジェイアールバス関東の車庫を訪問した折に別の運転士何人かに同じ質問をしてみたところ概ね同じようなムードでした。
日本車と輸入車の違いが乗用車と同じようなのですね。一度両方を運転して比べてみたいと思いました。
エアロキングと事業者ごとのInterCity DDの乗り比べができるのはあとしばらく。二階席と一階席でも乗り味が違うのでぜひ一度試してみてください。
写真は別のツアーで大阪営業所を訪れた際に撮影したエアロキングとInterCity DDです。

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取材・写真・文:大田中秀一

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