1992年登場したCBR900RRから、ファイアブレード誕生30周年
ファイアブレードは1992年に「操る楽しさ」をテーマとして誕生したCBR900RR(海外専用モデル)を初代として、30年にわたりホンダスーパースポーツのフラッグシップとして進化・改良を繰り返してきた。
誕生30周年となる2022年モデルでは、2020年モデルをベースに新たな改良を加え、同時にSPグレードには特別色と固有の装備を与えた30周年記念モデルが登場すると海外で発表された。
【画像11点】歴代ファイアブレード各車や30周年記念車の専用装備を写真で解説!
歴代のファイアブレードは、初代CBR900RRの開発コンセプトである「トータルコントロール」(そもそもは操って楽しいという考えに基づく)を開発の念頭に置き、それ以来一貫して運動性の向上と出力性能という両面で進化を続けている。
そこでは常に軽さを意識した開発が行われ、さらにその時代ごとの最新テクノロジーを投入してエンジン性能の向上が行われており、特に2004年モデルのCBR1000RRからは、ホンダスーパースポーツのフラッグシップとしてMotoGPマシン直系のテクノロジーを投入。
さらに2012年モデルからはレース使用に対応したSPモデルを設定している。
そして、車名へさらにRを追加し「CBR1000RR-R」となった2020年モデルでは、走りのステージをワインディングからサーキットへ移し、MotoGPマシン「RC213V」で培ったノウハウを全面的に反映。1000cc直列4気筒では未踏の領域だった1万4500回転という高回転化を実現し、最高出力218ps・車重201kgというハイスペックへと到達した。
1992年のCBR900RRから掲げられてきた「トータル・コントロール」から、2020年モデルに登場したCBR1000RR-Rでは「トータル・コントロール・フォー・ザ・トラック」へとコンセプトワードは変化してきたが、たとえ走る場所が変わっても「操る楽しさ」を追求することがファイアブレードの不変のテーマであることは間違いないだろう。
CBR1000RR-Rファイアブレードの2022年モデルはエンジンやブレーキを改良
新たな2022年モデルのCBR1000RR-Rファイアブレードでは、2020年モデルの開発コンセプト「トータル・コントロール・フォー・ザ・トラック」を継承し、サーキットを中心としたパフォーマンス向上を図っている。
その改良点はエンジンの中速域における出力特性改良、加速性能の向上、そしてフロントブレーキの強化である。
最高出力・最大トルクは従来通りのようだが、エンジンはインテークからエキゾーストパイプまで、吸排気系を細かくリファイン。クイックシフターもセッティングを変更。合わせて二次減速比も変更(ドリブンスプロケットが40T→43Tに)するなどで、扱いやすさとパフォーマンスを同時に向上させている。
フロントブレーキはキャリパーの材質と表面処理方法を変更し、ブレーキ性能をより安定化させている。これらの進化・熟成は、改造範囲が限定的な市販車ベースのレース……世界耐久選手権(EWC)や、英国スーパーバイク選手権(BSB)、全日本ロードレースST1000などでの戦闘力アップを背景にしたものだ。
CBR1000RR-RファイアブレードSPに設定される「30周年記念モデル」
さて、SPグレードに設定される注目の「30周年記念モデル」の内容だが、初代ファイアブレード・CBR900RRへのオマージュやリスペクトを表現した特別色と、記念モデルだけのメーターパネル起動画面やシリアルナンバーの打刻などが採用されている。
ホワイトを基調にブラッシュパターンのレッド、フロントフェンダーと車体側面&上面をブルーに塗り分けた記念モデルのトリコロールカラーは、ファイアブレード30年の歴史を感じさせながらも、モダンなスポーツ性を表現。非常にフレッシュでセンスを感じさせるその佇まいは、まさに記念モデルにふさわしい仕上がりとなっている。
日本国内での販売タイミングや台数などは現状不明だが、ファイアブレードファンならばぜひとも手に入れたくなる1台ではなではないだろうか。
まとめ●関谷守正 編集●上野茂岐
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