■1996年に初代登場も、日本導入は2015年
多くのプレミアムブランドが高級SUVを投入している昨今ですが、そうした世界的な高級SUVブームが始まる前から、中東などの国々で富裕層を中心に愛されてきたのがレクサス「LX」です。
2021年10月14日には、4代目となる新型LXが発表され、2022年初頭の発売を予定しています。
そうしたなかで、現行となる3代目LX570とはどのようなモデルだったのでしょうか。
【画像】迫力凄い! レクサス最強SUV「LX」を画像で見る(43枚)
LXの歴史がはじまったのは1996年のことでした。レクサス初のプレミアムSUVとして登場したLXですが、北米での販売がメインであり、日本に導入されることはありませんでした。
その後、2005年にレクサスブランドが日本でも展開されるようになると、SUVとしては「RX」がラインナップされるようになりましたが、LXの導入は見送られています。
ただ、当時販売されてトヨタ「ランドクルーザー(100系)」の上級グレードである「ランドクルーザー シグナス」が事実上の2代目LXの日本仕様であったため、そういった意味では日本導入が果たされていたといえます。
その後、海外では2007年に3代目へとフルモデルチェンジしたLXですが、そこから2度のマイナーチェンジを経た2015年に、ついにレクサスブランドから日本に正式導入されることになります。
2021年11月現在、すでに新規受注は終了していますが、この2015年に販売されたモデルが現行のLXということになります。
新型LXでは、新型ランドクルーザー(300系)とプラットフォームを共有しているのと同様に、現行LXもプラットフォームをはじめとした多くの部分をランドクルーザー(200系)と共有しています。
とはいえ、ひと目見て両車が大きく異なるのはフロントマスクです。
ランドクルーザーが六角形の横長のグリルを採用しているのに対し、LXではレクサスのアイコンである「スピンドルグリル」を採用し、レクサスブランドのモデルであることを強調しています。
ボディサイズも現行LXのほうがひとまわり大きく、全長5065mm×全幅1980mm×全高1910mm で、とくに全長はランドクルーザーに比べて115mm拡張されており、より余裕のある室内空間に貢献しています。
この堂々たるボディを動かすのは、最高出力377馬力、最大トルク54.5kg・mを発揮する5.7リッターV型8気筒エンジンと、そこに組み合わされる8速ATです。
一方のランドクルーザー(200系)は、4.6リッターV型8気筒エンジンと6速ATの組み合わせのため、パワートレインでも差別化が図られていることがわかります。
インテリアは、金属や本革、本木目などの素材をまとめ上げた質感の高さが特徴となっており、3列目までレクサスらしい上質な空間を展開。
ただ、ランドクルーザー譲りの悪路走破性能はLXにも備わっており、単なる超高級SUVではないという点は特筆に値します。
現行LXの価格は1100万円と、レクサスでは「LS」や「LC」に次ぐ高価格帯であり、発表当時の目標月間販売台数はわずか50台でした。
ライバルとなる輸入プレミアムブランドの大型SUVと比べれば、1100万円という価格はリーズナブルともいえるものですが、500万円台からのランドクルーザー(200系)と比べると割高感があるのも事実です。
そのため、日本においては現行LXよりもランドクルーザーの需要が高いようですが、それでも中古市場を見ると、低走行距離で状態の良い現行LXは、新車価格の1100万円とそれほど変わらない金額で取引されていることがうかがえます。
この圧倒的なリセールバリューの高さは、現行LXとランドクルーザー(200系)に共通した特徴です。
現行LXの中古車市場の動向について、中古販売店のA氏は次のように話しています。
「新型LXが発表されたあと、デザイン的に現行LXが良かったという人がちらほらいました。
そのため、中古で程度の良い現行LXを探して欲しいという依頼を受けました。
また、ランクル(200系)に関しては、新型(300系)の発表後でもとくに問合せが増えた印象はありません」
※ ※ ※
すでに2年待ちともいわれる新型ランドクルーザー(300系)ですが、新たに登場する新型LXもそれに近い納期となることが予想されています。
新プラットフォームの採用などでますます磨きのかかった新型LXは魅力も多いですが、中古市場での現行LXの価格を見ると、新型LXが発表された現在でも現行モデルの人気は決して低くはないようです。
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