■軽の「NA vs ターボ」どっち選ぶ?
日本独自のクルマである「軽自動車」は、新車販売において約4割を占めるほど人気を得ています。
現在の軽自動車規格は、ボディサイズが「全長3.4m以下×全幅1.48m以下×全高2m以下」、乗車定員は4名以下、排気量は660cc以下と定められています。
【画像】懐かしの「反転TURBOステッカー」 復活! ターボ×6速MT搭載のホンダ「N-ONE」写真を見る(32枚)
また、最高出力は64馬力とされているのですが、これはいわゆる自主規制というもの。自動車メーカー各社で構成される日本自動車工業会において最高出力の上限が設けられています。
なお、この自主規制に反しても罰則があるというわけではないのですが、現時点でカタログ上64馬力を超える軽自動車は存在していません。
そんな軽自動車ですが、エンジンのラインナップとして「NA(自然吸気)エンジン」と「ターボエンジン」がラインナップされているモデルがあり、購入時にどちらにするべきか迷う人もいるでしょう。
軽自動車のNAエンジンとターボエンジンは、それぞれどのような使い方に適しているのでしょうか。
まず、NAエンジンはシンプルな構造で、ターボエンジン搭載車よりも車体価格が安く設定されていることが多いです。また、燃費などの環境性能にも優れており、維持費を抑えることができるところが魅力です。
対するターボエンジンは、NAエンジンとは逆の特徴を持っているといえます。
ターボエンジンはNAエンジンよりも複雑な機構となっていて、圧縮した空気をエンジンに送り込む「ターボチャージャー(ターボ)」と呼ばれる装置が取り付けられており、これによってパワーアップが可能になっています。
その一方、エンジンに送り込む空気が増え、燃料をより多く必要とすることから、NAと比較した場合に燃費が悪化する傾向があります。
たとえば、ホンダ「N-BOX(2WD)」の場合、NAエンジンは最高出力58馬力、最大トルク65Nmに対して、ターボエンジンは64馬力、104Nmでターボエンジンのほうがパワフルですが、WLTCモード燃費はNAエンジンが21.2km/L、ターボエンジンは20.2km/LとNAエンジンのほうが低燃費です。
このようなそれぞれの特性を考慮すると、NAエンジンは「乗車人数は基本的に1、2名」「普段の行動範囲は平地が多い」「高速道路をあまり使わない」など、日常使いが多い人に適していて、ターボエンジンは、「4人乗車する機会が多い」「普段の行動範囲に坂道が多い」「高速道路の利用頻度が高い」といった、よりパワーを必要とする使い方が多い人に最適だといえます。
価格に関してもN-BOXで比較してみると、「L」グレード・2WDでは、NAエンジンが159万9400円、ターボエンジンが179万8500円と、約20万円の価格差があることがわかります(いずれも消費税込)。
軽自動車で20万円の違いは大きいと感じるかもしれませんが、ターボエンジン搭載車は将来の売却時に高く買い取ってもらいやすいということもあり、購入時の価格が高くても、最終的な差額はそれほどないといえそうです。
ターボエンジン搭載車で注意すべきなのは、エンジンオイルの交換をこまめに行う必要があるということです。
エンジンオイルには機械部品の接触による摩耗を抑えスムーズに稼働させる「潤滑」効果のほか、エンジンから発生した熱を循環するオイルで冷やす「冷却効果」などの複数の効果があります。
なかでもターボエンジンは多くの放熱作業が必要で、その分エンジンオイルの劣化を早めることから、NAエンジンよりも交換サイクルが早めになります。
NAエンジンは1万kmの走行、ターボエンジンのオイル交換は3000kmから6000kmの走行が推奨されており、そのぶんターボエンジンのほうが維持費用がかかることも考慮してクルマ選びをすると良いでしょう。
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