現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【BMWとAMG 大関対決】BMW M550iサルーンか メルセデスAMG E 53 エステートか 後編

ここから本文です

【BMWとAMG 大関対決】BMW M550iサルーンか メルセデスAMG E 53 エステートか 後編

掲載 更新 4
【BMWとAMG 大関対決】BMW M550iサルーンか メルセデスAMG E 53 エステートか 後編

回頭性は鋭いが、柔らかさが立つE 53

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)

【画像】AMG E53のワゴンかBMW M550iのサルーンか 写真で比較 全54枚

photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


BMW M550iからメルセデスAMG E 53に乗り換えてみると、全方向で視界に優れることに気づく。着座位置は若干高い。

車内はダッシュボードに大きく広がるモニターと要所に配されたクロームトリム、レザー張りのシートやパネルで仕立てられ、豪華さやハイテク感に溢れている。ドライビングポジションはBMWの方が良い。でもAMGも同等に快適で操作しやすい。

走り始めて驚かされたのが、E 53の方がM550iより回頭性が鋭いこと。コーナリング時の横方向のグリップは高く、天候を問わない強力なトラクションが得られる。現代の高性能ワゴンらしい。

乗り心地がソフトなのも、E 53の方。ボディロールは大きく、コーナー頂点をクリアする速度は姿勢制御がフラットなM550iより遅い印象。アクセルオフ時のバランスも、若干劣るように感じた。

E 53がフロントに搭載するのは、直列6気筒ツインターボのハイブリッド。きっと様々な理由で好きになれる。でも、BMWの見事なV8ツインターボほどどの誘引力はないことも、認めざるを得ない。

直列6気筒エンジンらしく、とてもスムーズにシャープに吹け上がる。サウンドは、期待したほどではない。

BMW M5に通じるV8エンジンと比べると、直列6気筒のハイブリッドは分が悪い。常用域でのトルク感では、電動スーパーチャージャーとスターター・ジェネレーターのアシストを持ってしても、M550iには及ばない。

理想をいえば、M550iのツーリング

E 53が積む9速ATも、ライバルの8速ATほどの魅力はないように思った。変速時の振る舞いや、適切なレシオを選択する制御などで。

現実的な利用環境では、燃費にはどの程度の差があるだろうか。複合的な走行条件で試乗したところ、M550iが出した数字は約8.9km/Lと、褒められない。一方、ハイブリッドのE 53でも9.9km/L程度。条件が良くても、10.6km/Lくらいに留まるだろう。

正直なところ、BMW M550i xドライブ・ツーリングがあれば理想。勝者として掲げたいところだが、BMWはM550iにステーションワゴン・ボディを提供していない。だとしても、筆者は喜んで4ドアサルーンを選ぶと思う。

高速サルーンに7万5000ポンド(1125万円)も用意できるなら、BMW M550i xドライブか四輪駆動になったM3コンペティションで悩むかもしれない。もし新しいM3が後輪駆動だったら、そちらを選ぶはず。

あるいは四輪駆動の安心感が必要なドライバーなら、M550iの方を上位に推したい。M3より広い車内を備え利便性で有利だし、ドライバーの得られる毎日の充足度の累積値も多いはず。

BMW M5コンペティションと、M550iとの2択なら答えは簡単。筆者はいつも、慎ましいM550iの方を選ぶ。そして、毎日のように運転すると思う。

ひと昔前のM5に通じるドライバーの充足度

反面、メルセデスAMG E 53とE 63Sとの2択では、まったく異なる。V8エンジンを載せたE 63Sは、直列6気筒のE 53とサスペンションを共有し、同じくらい乗り心地は優しく快適だから。

加えてE 63Sの放つ威厳あふれるマイルストーン級のサウンドは、それだけで選びたくなる価値がある。

BMW M550i xドライブは、快適で上質。現実世界を見据えた姿勢制御や動的性能を有し、ひと昔前のM5に通じるようなドライバーの充足度を得られる。英国価格も、20年前のM5に近い感覚がある。

メルセデスAMG E53 4マティック・エステートは、ガソリンエンジンにハイブリッドを組み合わせた高性能ステーションワゴンとして、訴求力は高い。今回の比較結果に関わらず、一般道で速く、クルマとしての能力にも長けている。

だが、ドライバーが享受できる充足感やドラマチック性では、M550iには及ばないだろう。今回の大関対決、勝者はBMW M550i xドライブ・サルーンとしたい。

BMW M550iとAMG E53 2台のスペック

BMW M550i xドライブ・サルーン(英国仕様)のスペック

価格:7万1365ポンド(1070万円)
全長:4963mm
全幅:1868mm
全高:1479mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:9.4km/L
CO2排出量:243g/km
車両重量:1990kg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:530ps/5500-6000rpm
最大トルク:76.3kg-m/1800-4600rpm
ギアボックス:8速オートマティック

メルセデスAMG E53 4マティック・ナイトエディション・エステート(英国仕様)のスペック

価格:7万1015ポンド(1065万円)
全長:4945mm
全幅:1852mm
全高:1460mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:10.4-10.5km/L
CO2排出量:219g/km
車両重量:1950kg
パワートレイン:直列6気筒2999ccツイン・ターボチャージャー+電動スーパーチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:435ps/5500-6100rpm
最大トルク:52.9kg-m/1800-5800rpm
ギアボックス:9速オートマティック

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
motorsport.com 日本版
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
くるまのニュース
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
VAGUE
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
バイクのニュース
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
モーサイ
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
バイクブロス
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」  理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
くるまのニュース
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
レスポンス
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
AUTOSPORT web
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
乗りものニュース
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
くるまのニュース
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

4件
  • ALPINA B5 ツーリングならすべて解決。
  • 笑笑!このマッチメークとこの筆者?
    話にならない。もう出さない方がいい。参考どころか
    レポーターを出す練習で書いたの?
    しかしどうして、こんな筆者を選んだの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村