運営元:旧車王
著者 :きもだこよし
13年ぶりに復活「彦根赤祭り」の参加条件は赤いクルマであること!
■小雨が降るなか「熱海ヒストリカ2022」が開催去る10月10日、小雨降る南熱海・長浜海浜公園芝生エリアにて、クラシックカーイベント「熱海ヒストリカ2022」が開催された。
主催はACJ(オートモービルクラブジャパン)。
長浜海浜公園では秋の風物詩ともいえるイベントで、この日公園内の緑地部分にクラシックカーが100台以上が整列した。
参加資格は1995年までに製造された車両、国産外車は特に区分けはない。
会場には10時から開催となっていたが、既に9時を過ぎた頃にはほとんどの車両が集まっていた。
クラシックイベントでも、1995年という枠組みから、わりと近年の車両と思えるR32GT⁻Rのようなクルマから、見たこともないような欧州車まで・・・。
広範囲にわたるクルマで参加者や居合わせた見物人を楽しませてくれた。
■特異なクルマと若者の邂逅今年のヒストリカではバブルカーが少なからずエントリーしており、筆者も唖然とする車両がこのツェンダップ・ヤヌスである。
バブルカー最盛期に1年ほどというごくわずかな時間生産され、現存は世界でも数十台もちろん、日本にはこれ1台だという。
正直、筆者も初めて見るどころか、存在すら知らなかった。
50代である筆者をしてその状態なのだから、若い方などは推して知るべしである。
BMWのイセッタベースの600など、ドアが前面から開くことに驚き、なぜこのようになっているのかと質問攻めにするほどであった。
黎明期の車両など、現代の洗練されきった車両からすれば一見無意味な構造に違いない。
しかし、そうなった過程にはもちろん意味があるのだが、彼らからすれば不合理極まりないものに見えるようだ。
温故知新、そうしたことを知ることも、また教える意味でもこうした車両の存在は大事だろう。
■「蒼いクルマたち」が集結今回は主催者の意向であるテーマ車両が多数参加していた。
それは「Team Blue Blood」と称する蒼いクルマのエントリー枠だ。
いわゆる青系なら年式問わずどのようなクルマでも参加可能というものだ。
この枠には30台近くエントリーしていた。
そのこともあって毎年クラシックカーのみ(一部現行のスーパーカー等を含む)が芝生エリアに並んでいたが、今年は現行モデルの国産車がちらほら姿があった。
イベントの区分けとしてはどうなのか?
そう思われる向きもあるかもしれないが、筆者は悪くない試みではないかと思う。
現代の水準において、旧車はあまりにも値段が上昇してしまった。
その結果、人によっては縁遠い、あるいは手の出ないものとして捉えられているかもしれない。
それでも、懐かしさだけでなく興味を持って会場を訪れてくれた人に、より身近にクルマもオーナーも知ってもらうことは重要だと感じるからだ。
そうした意味で、現行車両でテーマに沿って来てくれた人も、参加者として迎え入れた意義は大きいと思う。
■横道を行く会場外にいる車両をピックアップする横道を行く。
例によって探した結果、今回は駐車場ではなく会場内で見つけた1台を。
明らかにモディファイドされたクルマなのですが、ベースはMR-S。
一見するとリア回りなどポルシェのボクスターのようにも見える。
いったいこれは何かとたまたまクルマに戻ってきたオーナーに伺うと、アブフラックというエアロパーツ(カスタマイズ)メーカーのものだそうだ。
■国内最古のカークラブ、オートモービルクラブジャパン(ACJ)とは?主催であるオートモービルクラブジャパン(ACJ)は、国内最古のカークラブである。
最古参というと他にも名乗りを上げそうな話ではあるが、ACJの歴史は明治41年にまで遡る。
さすがにここまで過去にさかのぼられてはいかなるカークラブも最古を名乗ることは難しい。
それもそのはず、この明治41年の8月1日に日本で最初の遠乗会つまりツーリングが行われたのだ。
この時に先頭に立たれたのが有栖川宮殿下であり、他10台と連れ立って国立鎮守の森谷保天満宮まで走ったのが国内初のドライブツアーだとされる。
この際に同時に自動車クラブとして設立されたのがはじまりだ。
前述の谷保天満宮でのイベントはもちろん、熱海ヒストリカをはじめ、多数のイベントを企画または他のクラブとの連携やコラボレーションを行っている。
■まとめ:クラシックカーのイベントは敷居が高そうに思う方ほど参加を!最近では、熱海ヒストリカも参加車両が多くなり、エントリーが難しくなっているようだ。
しかし、ACJクラブ員は優先的にエントリーができるようになっている。
最古のカークラブとしてこの先を見据えての新しい試みなど、世代交代にも向けた取り組みに歴史と重みを感じずにはいられない。
クルマ好きだが、自クラシックカーのイベントは敷居が高そうに感じる。
そう思われている方こそ、こうした枠組みをきっかけにエントリーすることをお勧めしたい。
■Automobile Club Japan
https://acj1908.com/
[ライター・撮影/きもだ こよし]
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