全日本ラリー選手権第7戦『ARKラリー・カムイ』が7月2日~4日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催。今季初のグラベル戦が開催された。
2021年の全日本ラリー選手権はターマックでの4連戦を消化し、今季初のグラベル戦となるラリー・カムイでシーズンの折り返しを迎えた。8月20日~22日に秋田県を舞台とする第8戦の横手ラリー、9月10日~12日に北海道を舞台とする第9戦のラリー北海道とこの後もグラベルイベントが続くことから、まさにカムイはグラベル3連戦の初戦として、また今後のタイトル争いを左右するうえでも注目を集めていたのだが、同イベントで幸先の良いスタートを切ったのが地元ドライバーの鎌田卓麻だった。
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3日、鎌田はシムスレーシングのスバルWRXを武器にオープニングステージとなるSS1でベストタイムをマーク。しかし、続くSS2では同じくスバルWRXを駆るアライモータースポーツの新井敏弘がベストタイムをマークするほか、SS3でもSSウインを獲得し、新井が2番手の鎌田に1.4秒の差をつけてファーストループをトップでフィニッシュする。
この新井VS鎌田のスバル勢の一騎打ちに割って入ったのが、トヨタGAZOOレーシングでGRヤリスを駆る勝田範彦で、SS4、SS5でベストタイムをマーク。しかし、地元ドライバーの鎌田もSS6で2回目のSSウインを獲得し、好天に恵まれたレグ1をトップでフィニッシュした。2.4秒差の2番手につけたのはGRヤリスで初めてのグラベル戦に挑んだ勝田で、新井がトップから6.4秒差の3番手でレグ1をフィニッシュした。
一方、GRヤリスを駆る奴田原文雄がギアボックストラブルでレグ1を離脱するなか、シュコダ・ファビアを武器にターマックで3連勝を果たした福永修が4番手でレグ1をフィニッシュ。しかし、首位とのギャップはすでに15秒も拡大したことから、トップ争いは鎌田VS勝田VS新井の3台に絞られることとなった。
この三つ巴のトップ争いで最初に脱落したのが、「先頭スタートで砂利がすごくて、まったくグリップしなかった」と語る鎌田で、その言葉どおり、4日のオープニングステージとなるSS7でトップから3.1秒遅れの4番手タイムに低迷し、2番手に後退。変わって同ステージを制した勝田が首位へ浮上する。続くSS8でもトップから11秒遅れの3番手タイムに伸び止んだ鎌田が総合順位でも3番手に後退し、変わって新井がトップから3.3秒遅れの2番手に浮上。さらにSS9では新井がベストタイムをマークし、オーバーオールでも勝田をかわして、0.3秒差で首位に浮上した。
サービスを挟んで行なわれたSS10では、新井と勝田が同タイムでSSウインを分け合うなど互いに譲らない激しい一騎討ちが展開していた。SS11ではベストタイムをマークした勝田が首位に浮上し、新井が0.5秒差の2番手で続くなど、まさに2021年のラリー・カムイでは僅差のシーソーゲームが展開。そして、両者の対決は大会最長距離を誇る15.23kmのSS12に持ち込まれることとなった。
この勝田VS新井の一騎打ちを制したのは勝田で「初めてのグラベル戦だったので、どこまで戦えるのかわからなかったけれど、レグ1のセカンドループで手応えを掴むことができた。なんどか危ない場面もあったけど、最後は全開でアタックして勝つことができたので本当に嬉しい」と語るようにSS12で今大会6回目のSSウインを獲得し、わずか0.7秒差で逃げ切りに成功。勝田が今季初優勝およびGRヤリスでの初優勝を獲得した。
「最終SSはこれ以上は無理と言うぐらい全開で攻めたけれど勝田選手が速かった。クルマは良かったので走り負けた」と清々しい表情を見せる新井が2位に入賞し、「勝田選手と新井選手に離されたのでポジションキープに切り替えた」と語る鎌田が3位で表彰台を獲得。勝田のチームメイトとしてGRヤリスを駆る眞貝知志が4位入賞を果たした。
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