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【シリコン利用検討】ポルシェ 高性能EVバッテリー開発へ セルは「未来の燃焼室」

掲載 更新 28
【シリコン利用検討】ポルシェ 高性能EVバッテリー開発へ セルは「未来の燃焼室」

限定モデルやレース向けに開発

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)

【画像】増え続ける高級EVセダン【タイカンとそのライバルを写真で比較】 全133枚

translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ポルシェは年次決算発表を前に、最上位モデルのEV用に高性能バッテリーを開発する計画の詳細を発表した。エネルギー密度を高め、充電時間を短縮するために、バッテリーの陽極にグラファイトではなくシリコンを使用することを検討している。

ポルシェ初のEVであるタイカンは、800Vの充電アーキテクチャーを採用した最初の量産EVでもあり、同社はさらなるバッテリー・イノベーションを目指している。

この新技術を採用したバッテリーは、限定生産される高性能フラッグシップカーやカスタマー・モータースポーツカー向けとなる。しかし、将来の市販モデルに搭載されるパワーユニットには、「得られた技術的経験が生かされる」と同社は述べている。

試作ユニットは欧州で製造され、ポルシェは今後、「高性能バッテリーの完全な生産チェーンを欧州で確保する」としている。

ポルシェのオリバー・ブルーメCEOは、バッテリーセルを「未来の燃焼室」と表現しながら、次のように語った。

「ポルシェの電動化された高性能スポーツカーやレーシングカーには、最も高いバッテリー技術が求められています。これらの要求を満たすために、ポルシェは特別な高性能セルを必要としています。シリコンは大きな可能性を秘めています」

欧州で独自の充電インフラ展開

バッテリーの開発プログラムと並行して、ポルシェは独自の急速充電ネットワークを「欧州の主要な高速道路や自動車専用道路」沿いに展開し、現在出資しているのイオニティのインフラを補完する計画を立てている。

各ステーションには、6台から12台の充電器が設置され、350kW以上の充電が可能になる。これはポルシェが、現在270kWに制限されているタイカンよりも、さらに高速の充電技術の開発に取り組んでいることを示唆している。

珍しいことに、充電ステーションにはセルフサービスの設備を備えた専用のラウンジエリアも設けられる。各充電器は、専用のスマートフォンアプリを使って操作することができる。

ブルーメCEOは次のように述べている。

「電動モビリティの重要な前提条件は、速くて便利な充電です。そのため、わたし達は現在、独自の急速充電ステーションのコンセプトを詳細に検討しています」

「お客様に最も快適かつ最速の長距離移動を体験していただくために、魅力的な場所を選んで設置します」

生産工程のCO2ニュートラル目指す

これらのプロジェクトは、ポルシェが2030年までに「バリューチェーン全体」でCO2ニュートラルを実現する計画と同時に発表された。

ポルシェがドイツ国内に構えるライプツィヒ、ヴァイザッハ、ツッフェンハウゼンの各生産拠点は、再生可能エネルギーやバイオガスの使用により、すでにCO2ニュートラルを実現しているが、今後はバッテリーサプライヤーと協力して、生産工程全体でサステイナビリティ(持続可能性)を確保していく方針だ。

また、今後10年間で10億ユーロ(約1295億円)を投じて、風力発電機やソーラーパネルなどの持続可能エネルギーを導入していく予定だ。

ブルーメは、「他社からCO2排出権を買うのではなく、自分たちでも排出したくありません。エネルギーが節約できないところでは、再生可能な資源からの電力を使用します」と述べている。

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みんなのコメント

28件
  • 廃棄バッテリーはエコなのか?

    EV開発に疑問
  • 発電所から車に充電するまでのインフラが整備されなければEVが主流にはなれない。急速大容量の充電は危険が伴う。誰も高圧、高電流の側に行きたくはないだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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