次世代インターフェイスを体験
「ハイ、メルセデス」のMBUXや「OK、BMW」のBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントといった、ドライバーとの自然な対話による言語理解AI音声操作システムを開発し、世界中の自動車メーカーに供給してきた、「ニュアンス・コミュニケーションズ」の自動車向け事業が「Cerence Inc (セレンス・インク)」として独立。これまでに世界で約3億台に搭載実績を持つ車載用音声操作システムをベースに、革新的なユーザーインターフェイス(UI)を開発して主要自動車メーカーに供給する構えだ。
【徹底研究】音声会話は本当に便利なの? 奥サマはAクラスをどう使いこなすのか?
今回、同社が東京都内でデモを実施した複数の感覚を利用する「マルチモーダル・ユーザーインターフェイス」技術とは、従来の自然言語理解AI音声認識に加えてドライバーの視線を検知して、インフォテインメントやクルマの各種操作に活用するUIとのこと。
赤外線ライトと赤外線カメラを組み合わせたセンサーシステムを、運転席前のメーターナセルに追加搭載したメルセデスVクラスでの実走行デモでは、ドライバーが走行中に任意の施設を視認しながら、「あの建物は何?」「あのレストランの営業時間は?」「このホテルの評価は?」と問いかけると、該当する情報をディスプレイと音声ガイダンスで即時アナウンス。ドライバーが発話したタイミングで視認した対象施設をセンサーで検知し、システムに内蔵した3DマップデータとGPS位置情報と照合することで、そのポイントを通過した後でも目標を特定してアナウンスを提供する仕組みだ。
今回セレンスがデモンストレーションを行ったシステムでは、お台場・有明周辺エリアの情報をシステムに収録・提供するにとどまっていたが、これにクラウドサービスや次世代高速通信を組み合わせれば、将来的にはより詳細かつ有益な情報を広範囲に活用できるはず。また、ハンズオフドライブシステム等と連携して、「こっちのウインドーを開けて」やヘッドアップディスプレイの表示を視認して、「このひとに電話して」といったクルマの各種装備へのスマートで安全なアプローチ方法となり得る拡張性も示唆していた。
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