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異業種からの挑戦 ボルボの自動車デザイナー「ユニークな視点」で未来を形作る

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異業種からの挑戦 ボルボの自動車デザイナー「ユニークな視点」で未来を形作る

新任デザイナーが語る「ユニーク」な視点

ボルボのデザイン責任者として新たに就任したジェレミー・オファー氏は、自身の経歴が「従来の自動車業界とは異なる」ものであると認めている。

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英国人のオファー氏は、EV商用車の新興企業アライバルで6年間働いた後、今年5月にスウェーデンのボルボに入社した。しかし、20年以上のキャリアの大半は工業デザインとコンサルティングの仕事に費やしてきた。

ボルボのジム・ローワンCEOが彼を選んだのは、そのような異例の経歴によるところが大きい。「わたしは自動車業界に対してユニークな見解を持っており、それはボルボがやろうとしていること、そして自動車業界が向かおうとしている分野と一致します」とオファー氏は言う。

AUTOCARは今回、自動車デザインに対するユニークなアプローチがボルボの未来をどのように形作るのかについて、オファー氏に話を聞いた。

異業種のデザイナー、自動車の未来をどう見る?

――あなたはボルボに何をもたらしますか?

「自動車デザインはもはや、自動車業界が伝統的に持っていた垂直統合の領域、つまりエンジンに関するものではなく、コアコンピューティングやソフトウェア、そしてユーザーエクスペリエンス、すなわち人間中心のデザインとなっています」

「これらはすべて、コンシューマー・エレクトロニクスのバックグラウンドを持つわたしが経験を積んできた分野です。自動車はデバイスに近づきつつあり、デジタル・ライフスタイルの延長として、シームレスにクルマに乗り込めるようにする必要があります。そのためには、内外装のスタイリングだけでなく、クルマをデザインするということの全体的な考え方が必要です。それが鍵です」

――クルマが提供するエモーショナルな感覚についてはどうですか?

「EVの場合、クルマの音やギアチェンジ、機械部品とのインターフェイスなど、感覚的なものはもはや重要ではありません。率直に言って、そのようなものは多くの人々にとって、ここしばらくなかったものでしょう」

「そのような経験は、現在ではさまざまな分野からもたらされます。例えば、室内により多くのスペースと光を取り入れることで、プレミアムとラグジュアリーに関する新しい言語を生み出すことができる。これは、クルマに乗り込んだときの感覚を明確にするのに役立ちます。人を感動させるような要素もありますが、それ以上に、室内空間や人間工学に関係する感覚的なものなのです」

――ボルボの未来のために、あなたは自動車業界の外から何をもたらしますか?

「エクスペリエンスを向上させることができる機能横断的なチームを作ることです。モデリングからユーザー中心のエクスペリエンスフローの設計まで、わたしには幅広い経験があります」

「デザインは、ケトルやトースターといった無機質な物理的製品から、ノートパソコンや携帯電話のようなコネクテッドな物理的製品へと移行した時期がありました。ネスト(Nest)のサーモスタットはその大きな一例で、突然、コネクティビティとデジタル・インターフェイスが重視されるようになり、物理的な製品自体がポータルになったのです」

「わたし達は今、自動車業界でそれを目の当たりにしています。自動車がコネクテッド・ソフトウェアやサービスへの物理的なポータルになりつつあるのです。そこで重要なのは、自宅から職場、そしてクルマへと移動する際のデジタルライフの流れを確保し、テクノロジーとのシームレスな統合を実現することです。とはいえ、重要なのはやはりドライビング・エクスペリエンスであり、EVは別次元の体験を与えてくれます。完全に電動化されたEX30は0-100km/h加速を3.6秒で走ります。まったくもって非常識です」

「ボルボ」らしいデザインとは?

――ヘッドライトなどのボルボの特徴的なデザインについてはどうですか?

「わたしは、『トールハンマー』ヘッドライトのような重要なブランド表現は、ある種の神聖なものだと考えています。トーマス(・インゲンラート)はそのようなテーマを導入するという素晴らしい仕事をしました。例えば、より薄いライトブレードを使用できるようになれば、トールハンマーの外観において、さらに技術的で未来的な表現が可能になります」

――では、ボルボの車両デザインを刷新しようとは考えていないのですね?

「ボルボが持つ伝統、フォルム言語による確実性をもって、それを反復し、前進させていくでしょう。その多くはユースケースによって定義され、テクノロジーによって定義されます。しかし、大切なものを無用なものと一緒に捨てるつもりはありません。デザイン言語を新しい時代に移行させるのです」

――ボルボにはステーションワゴンの伝統があります。ワゴンをもう一度美しく作ってくれませんか?

「わたしが言えるのは、ワゴンがセクシーになれない理由はないということだけです。わたし達がステーションワゴンやセダンをデザインするとしたら、優れたデザインでセクシーにできない理由はありません。これは本当に重要なポイントです。わたしの経歴からすると、エクステリアデザインはユーザー・エクスペリエンスにとって二の次になっているような気がします。クリエイティブ・ディレクションはわたしの絶対的な強みの1つです。わたしの名前が書かれたすべてのボルボが素晴らしい外観を持つようにするつもりです」

――競合他社の中には、かなり過激なデザインに移行しているところもあります。あなたも同じことを考えていますか?

「アグレッシブで騒々しいスタイリングという考えは、ボルボのDNAには決してありません。わたし達のデザイン言語は静かで、ある種の謙虚さとエレガンスがあります。都市部で多くの視覚的ノイズに囲まれているとき、そのようなものがあると、その静粛性、自信、知性が際立ちます。率直に言って、過剰なスタイルのクルマが多い中で、ボルボのデザイン言語は、機能に従う形、あるいは合理的なシンプルさの頂点です」

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