快適さに磨きをかけた最新作
軽量コンパクトなフルフェイスヘルメットとして知られるSHOEI Z-7がリニューアルし、「Z-8」に進化した。最上級のX-14で培った技術などを注入し、エアロダイナミズムを向上。換気性能や静けさ、デザインなど全面的に魅力が増している。
トータル性能を底上げ。快適さに磨きをかけた
日本が誇るプレミアムヘルメットブランド、SHOEIのZシリーズは、軽さとコンパクトを追求したスポーツモデル。最高峰のXシリーズより価格帯を抑えつつ、抜群の性能で高い人気を博してきた。「Z‐8」は、’14年に発売開始されたZ‐7の後継として登場する、待ちに待った最新作だ。
―― 【SHOEI Z-8】●規格:JIS規格 ●サイズ:XS(53cm) S(55) M(57) L(59) XL(61) XXL(63) ●色:ルミナスホワイト ブラック マットブラック バサルトグレー マットブルーメタリック マットディープグレー ワインレッド ●価格:5万6100円 [写真タップで拡大]
変更点は多岐にわたり、全面的に性能と使い勝手が向上している。まず帽体は、従来のAIM構造から、より軽量&高剛性なAIM+に変更。フラッグシップであるX‐14と同様の構造で、重量は未発表ながら、軽いZ‐7よりさらなる軽量化が期待できる。
同時にフォルムも改良され、後頭部のラインが一段とグラマラスに。走行時の浮き上がりは3%減、前方から押し付けられる力は5.5%減となった。さらに新設計のシールドには、X‐14譲りで風切り音を抑えるボーテックスジェネレーターを新採用。ロックが左側からセンターに変更され、全閉時の密着性が向上した。加えて、ボリュームを増した頬パッドが風の侵入を抑え、静穏性に貢献している。
また、換気性能もアップ。額の吸入孔を1→2穴とし、リヤの排気ダクトも大型化するなど高効率化を実現した。
実際に製品(Lサイズ)を試してみると、被り心地が実に軽やか。筆者は普段SHOEIでLサイズを被るが、特に後頭部のサポート感が厚く、まさに頭と一体化しているような感覚だ。走行すると30km/h程度から額に風を感じ、しっかり換気されている印象。何より驚いたのは静けさだ。高速道路での100km/h走行は平和そのもので、ゴーッという風切り音もほぼない。確認で首を向けても振られることなく、見事に安定している。この静穏性と空力性能は現行製品の中でもトップレベルと言っていい。ソリッドカラーでは従来型比で税抜6000円増となるが、その価値は十分ありそうだ。
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―― 額と左右の吸気孔は3段階調整式で、エッジの利いた形状に。スポイラーを兼ねたリヤダクトは常時開放式を踏襲する。口元は2段階開閉で、よりワイド化された。シールドは押し込むだけでロックできる。
―― 【ベンチレーション効果は先代より確実に向上】額の吸気ダクトを2穴のスクープ形状とし、リヤの排気ダクトも拡大。上記は100km/h相当の風を約1分送風した時点での内部温度降下を現したグラフで、Z-8は前作のZ-7より素早く全体が涼しくなっている。
―― 【シールドシステムもより便利に】シールドの微調整機構は、従来のダイヤル式からレバーに変更。より操作が簡単になり、シールドの密着性を左右とも1mm程度調整できる。また、ピンロックシート(同梱)は従来比で10%大型化。
―― チークパッドは新設計。脱ぎ被りしやすくなると同時に、ボトム部にボリュームを持たせ、首回りのフィット感が向上した。Z-7譲りとなる帽体のカットラインに、赤いアクセントを加えたのも特徴。
―― マット系は灰/黒/青/濃灰と豊富。サイズは4種類で、帽体も4つの大きさを展開してコンパクトさを追求した。
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