プレミアムSUVというセグメントを創出したベンテイガ。 2020年に初めてとなる大幅改良が施された。新型は、ベントレーの最新のデザイン言語が使われ、よりファミリー色が濃くなっていた。(Motor Magazine2021年3月号より)
ベントレーの屋台骨を支えるプレミアムSUVの先駆け
2015年にデビューしたベントレー初のSUVであるベンテイガは、これまで約2万台を販売、2019年にはベントレーの世界販売台数の約45%を占めるまでの大ヒット作となった。
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そしてこのベンテイガが確立したプレミアムSUVというセグメントにはその後、ランボルギーニ ウルスやロールス・ロイス カリナン、アストンマーティン DBXなどが続いている。
そんなベンテイガに、デビュー以来初となる大幅改良が施された。相変わらず、ひと目でベントレーだとわかるデザインが特徴的なエクステリアだが、細部を見ると、楕円形のLEDマトリクスヘッドライトは、クリスタルカットガラスをイメージしたデザインとなるなど、最新のコンチネンタルGTやフライングスパーにも採用されたデザイン言語が採用され、ファミリー色が濃くなっている。
リア部分に目を移すと、そこにも手が入れられている。リアトレッドが拡大され、テールゲートはボディ幅まで延長。さらにナンバープレートはリアバンパーに移動し、「ウイングドB」が強調されるようになった。また分割型の楕円形のテールパイプは、ヘッドライトデザインを反映したものだ。
インテリアは、センターフェイア、ステアリングホイール、ドアトリムなどが新設計となり、シートも一新された。センターフェイシアの幅いっぱいまで拡大された10.9インチのディスプレイも完全新設計である。
後席に装備されるタッチスクリーンリモートのサイズも拡大された。これはフライングスパーに採用されたものと同じだ。さらにその収納場所も変更されている。厳選した素材、クラフトマンシップ、使い勝手、そして機能などのすべてがベントレー品質、まさに贅が尽くされている。
エアイオナイザーにも注目したい。これはエアベントから放出されたマイナスイオンによって、空気中を漂う埃やアレルゲンなどの汚染物質がマイナス電気を帯び、すぐ近くの物質表面に付着することで乗員が呼吸する空気から汚染物質が除去されるというものだ。
ベントレー ベンテイガのストレスフリーな走行性能
ベンテイガには、W12エンジンを搭載するスピード、さらにプラグインハイブリッドも導入予定だが、今回試乗したのは、V8ツインターボエンジン搭載車。このエンジンには、4気筒を休止するシステムも採用されている。
車両重量が、2トンを軽く超えるにもかかわらず、軽く右足を動かしただけで走り出す。大きなボディを動かしているということを感じさせない味付けは絶妙で、その気になればかなり軽快なフットワークで走ることができる。
これには世界初採用となる電動式アクティブコントロール技術が採用されたベントレーダイナミックライドが貢献してるようで、コーナリング時の姿勢変化を抑え、タイヤの接地性を高めている。
試乗は、街中と高速道路を中心にした。今回は、おもに走行モードを「B(ベントレー)」にして走ったが、これはベントレーお勧めのセッティングで、クルマ任せで気持ちよく走ることができるモードである。
「スポーツ」モードでも走ったが、高速道路を巡航するような場面ではあまり必要性を感じなかった。トンネル内では、エンジンサウンドがエキサイティングに変わり気分は高揚するのだが、それでも「スポーツ」の本領は、やはりワンディングロード。そこならこのモードで走るのはかなり楽しそうだ。
「ストレスフリー」という言葉が試乗しているときに頭に浮かんでいた。ハンドルを握ると、どんな状況でも、たとえそれが渋滞であってもベンテイガの運転は、まったくストレスを感じないのだ。それはこのクルマとの対話が濃密だったからに他ならない。
進化したベンテイガは、激化するセグメントの中で、これまで以上にトップランナーとしての地位を明確にしたと言えるだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:永元秀和)
ベントレー ベンテイガ V8 主要諸元
●全長×全幅×全高:5125×1995×1755mm
●ホイールベース:2995mm
●車両重量:2440kg
●エンジン:V8 DOHC ツインターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:404kW(550ps)/5750-6000rpm
●最大トルク:770Nm/2000-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・85L
●WLTCモード燃費:7.5km/L
●タイヤサイズ:285/45R21
●車両価格(税込):2185万7000円
[ アルバム : ベントレー ベンテイガV8 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
内装もアルファード的にメッキとウッドパネルに変えただけ、な感じがまだ残ってるよね。
コンチネンタルと比べるとその違いに驚く。