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クルマでも「オシャレは我慢」? 輸入ミニバンに日本で乗るとけっして便利ではなかった

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クルマでも「オシャレは我慢」? 輸入ミニバンに日本で乗るとけっして便利ではなかった

 この記事をまとめると

■数こそ少ないが、輸入メーカーにもミニバンは存在する

ファミリー向けなのに生活感ゼロ! ウソみたいな両立を実現したオシャレミニバン5選

■オシャレな見た目などは魅力的だが、装備面では国産車に劣る点も

■輸入ミニバンに日本で乗るのは不便か否かを解説する

 輸入ミニバンが重視するのは乗り降りのしやすさよりも走り!?

 2022年はミニバンの当たり年、トヨタ・ノア&ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンが新型となり、ミニバンブーム再燃必至と言っていい。が、ミニバンに対して生活臭を感じるユーザーもいるはずで、多人数乗用車が必要な環境であっても、なかなか国産ミニバンに手を出せないでいることもあるはずだ(それをクリアするのがアルファードであり、VIPを含めた人気のゆえんだが)。

 そこで、輸入ミニバンに目を向けると、確かに国産ミニバンとはちがうオシャレっぽさ、存在感があり、生活臭の薄さも感じ取ることができる。車種で言えば、VWゴルフ・トゥーラン、同シャラン、BMW2シリーズグランツアラー、メルセデスベンツVクラス、シトロエン・グランドC4スペースツアラーが、現時点ですべてである。意外に少ない? と思うのは当然で、欧州の高速社会では、重心や空気抵抗の低さ、横風安定性の高さなどが求められ、ボックス型ミニバンのような、極端に背の高いミニバンは主流になり得ないのである。

 しかも、ゴルフ・トゥーラン、BMW2シリーズグランツアラー、シトロエン・グランドC4スペースツアラーに関しては、国産ミニバンのマスト装備!? でもある両側スライドドアは備えていない。リヤヒンジ式ドアなのである。コンパクト、ミドルサイズの欧州製ミニバンは、スライドドアによる乗降のしやすさよりも、走り、ボディ剛性、耐久性といった部分にこだわっているのかも知れない。

 さらにノア&ヴォクシーやステップワゴンのような、低床パッケージの採用もない。たとえば、両側スライドドアこそ備えているVWシャランを例に挙げると、パワースライドドア部分のステップは地上465mmと高く(国産Mクラスボックス型ミニバンは360~380mm)、しかもフロアはサイドシル部分から70mm下がったところにある。つまり、サイドシルからフロアがフラットではないのだ。

 当然、乗降性としては、低床でサイドシルから段差なくフロアに続く、いわゆる掃き出しフロアを持つ国産ミニバンのほうが乗降性は優れていることになる。これは過去の国産ミニバンでもそうだが、リヤヒンジ式ドアのミニバンは、ワゴンやSUVからの乗り換えならともかく、スライドドアミニバンの便利さを知ってしまった人が乗り換えたとすれば、「不便」と感じるはずである。

 装備の充実は国産ミニバンが圧倒的!

 また、国産ボックス型ミニバンでは常識の2/3列目席エアコン吹き出し口、3ゾーンオートエアコンの用意がない輸入ミニバンがほとんどで、欧州の気候が安定し、湿度の低い国ではそれほど問題にならないかも知れないが、四季があり、高湿度の期間も長い日本では、やはりエアコンの強力な効き(フランス車はとくに弱いことが多い)とともに、全列ともに不足ない空調環境が不可欠。

 その点でも、欧州ミニバンに乗ると、とくに後席乗員から「暑い、寒い」と不満の声が上がるかも知れない。1年中、毛皮を着ていて、足の裏からしか発汗できない、基本的に暑がりの犬を後席に乗せるとしたら、なおさらではないか。

 そして何と言っても、国産ミニバンは、ある意味、お茶の間の延長だから、装備は微に入り細に入りで、もてなし感満載だ。スライドドア部分のロールサンシェード、折り畳みテーブルあたりは当然として、2列目席パワーシート、左右スライドに寄る多彩なシートアレンジ性、フルフラット化、これでもかっとあるカップホルダーやUSBソケット、補助ステップ(ノア&ヴォクシーの例ではユニバーサルステップ33000円)、さらにはトヨタのHVミニバンならAC100V/1500Wコンセント(これは輸入車にはまずない)、まで用意され、車内外で家電品を使えたりするのだから、ありがたく便利。

 ノア&ヴォクシーに至っては、バックドアのパワー、非パワーにかかわらず、任意の位置でバックドアを止められる機構も備えているし、アドバンストドライブによって限定的ハンズオフドライブまで可能なのだから、先進的かつ便利すぎるミニバンに仕上がっているのである。

 とはいえ、VWゴルフ・トゥーラン、BMW2シリーズグランツアラー、シトロエン・グランドC4スペースツアラーあたりは、国産ミニバンとは一線を画す走行性能、走りの気持ち良さを備えている。国産ミニバンにある過剰とも言えるもてなし感こそない代わりに、走りに満足しやすいミニバンということだ。

 多人数乗車できることと、かゆいところにまで手が届く便利さは別。そのあたりを割り切れれば、オシャレな輸入ミニバンを選んでも後悔しないだろう。もっとも、ミニバンはスライドドアのほうが2/3列目席の乗降性の良さで圧倒することは、間違いないところだ。

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