現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【F1第6戦無線レビュー】「今朝からそんな気がしていたんだ」ようやく掴んだ初優勝。自信を持ってレースに臨んだノリス

ここから本文です

【F1第6戦無線レビュー】「今朝からそんな気がしていたんだ」ようやく掴んだ初優勝。自信を持ってレースに臨んだノリス

掲載
【F1第6戦無線レビュー】「今朝からそんな気がしていたんだ」ようやく掴んだ初優勝。自信を持ってレースに臨んだノリス

 2024年F1第6戦マイアミGP。今年2回目のスプリントレースを終えた後の予選では、苦戦しつつもマックス・フェルスタッペンが開幕から6戦連続でポールポジションを獲得した。レースでもリードを保っていたフェルスタッペンだったが、セーフティカー出動中にタイヤ交換を行ってトップに立ったランド・ノリスが2番手のフェルスタッペンを寄せ付けず、キャリア初優勝を飾った。マイアミGPを無線とともに振り返る。

────────────────────

ノリスが悲願のF1初優勝「『ランド・ノーウイン』と呼んでいた人たちが間違っていたと、ついに証明できた」F1第6戦

 スタート直後、3番グリッドのカルロス・サインツ(フェラーリ)が抜群の蹴り出しでチームメイトのシャルル・ルクレールを先行し、2番手に。しかし4番グリッドのセルジオ・ペレス(レッドブル)がターン1で止まりきれず、行手を遮られたサインツはルクレールに抜き返されてしまう。

1周目
サインツ:あれは何なんだ!
リカルド・アダミ:見たよ
サインツ:ペナルティしかない。僕らみんな、やられるところだった
アダミ:(スチュワードに)報告しているところだ

 しかもオスカー・ピアストリ(マクラーレン)にもその隙をつかれ、4番手に後退。怒りを抑えきれないサインツだが、ペレスにペナルティは科されなかった。

 後方ではトレイン状態の先頭にいる7番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)に、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が仕掛ける。しかしそう簡単に抜ける相手ではない。ハミルトンは露骨な幅寄せに見舞われた。

7周目
ハミルトン:大クラッシュ寸前だったよ
ボニントン:しっかり見たよ

 それでも何とかオーバーテイクに成功するが、ターン17でブレーキロックして、コースオフ。抜き返されてしまう。

 15周目。3番手のルクレールは、0.8秒差でピアストリに迫る。

15周目
シャビエル・マルコス・パドロス(→ルクレール):ボックス。マクラーレンの逆を行く

 ピアストリのアンダーカットを狙う作戦だが、結果的にピットインしなかった。フェラーリ陣営にわざと無線を聴かせるフェイントだったか。

 一方ランド・ノリス(マクラーレン)は、18周目の時点ではまだ5番手。しかし前を塞いでいたペレスが先にピットに向かい、クリーンエアとなった。3番手のサインツは約5秒前方だ。

18周目
ウィル・ジョゼフ(→ノリス):サインツが前にいる。後ろのペレスを気にするより、こっちを攻めるべきじゃないか
ノリス:同感だ。やっつけよう

 これで火がついたのか、ノリスはペースを上げサインツとの差を縮めていった。

22周目
フェルスタッペン:ターン15でコーン(ボラード)をヒットした。フロントウイングをチェックしてくれ

 マシン挙動の不安定さを訴えていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、ボラードを跳ね飛ばしてしまう。ダメージはなかったが、視界の悪い上り坂の、大事な目印がなくなってしまった。

ジョージ・ラッセル:コーンがレーシングラインに飛んできてる

ハミルトン:シケインで縁石が見えない

 これでバーチャルセーフティカー(VSC)が導入される。そして28周目、18番手のローガン・サージェント(ウイリアムズ)が、ケビン・マグヌッセン(ハース)に弾き飛ばされてしまう。

29周目
サージェント:おお……
ガエタン・イエゴ:きみのせいじゃない。きみは悪くない

サージェントは何か言おうとするが、言葉にならない。

イエゴ:大丈夫か?
サージェント:ああ。僕は何か間違ってたのか?
イエゴ:そんなことはない。一応、(録画を)見直してみるけどね

 母国グランプリで結果を出したかったサージェントだったが、そのままリタイアとなった。マグヌッセンはレース続行。しかし10秒ペナルティを下される。

 この事故処理のためにセーフティカー(SC)が導入され、ベストタイミングでピットに飛び込んだノリスが、トップに躍り出た。

 34周目。ピアストリとサインツが激しく4番手争いを繰り広げ、ターン11のブレーキングでサインツが前に出かかる。しかし外側にコースオフし、ピアストリが4番手を守った。サインツはこれに、猛然と抗議した。

35周目
サインツ:ポジションを返せと言ってくれ。そうしたらペナルティもらえないからって
アダミ:チェコは1秒後ろだ
サインツ:位置を戻してくれ。それでペナルティはチャラだから

 後ろのペレスに注意を向けろとアダミは指示するが、サインツはまったく聞いていない。一方マクラーレン陣営は、ピアストリに非はないと伝えた。

トム・スタラード(→ピアストリに):ターン11できみが前にいた。フェラーリは何か言っているが、譲る必要はない

 スチュワードも、「審議の必要なし」という結論だった。

アダミ:審議はない
サインツ:信じられない!
アダミ:集中しろ。まだ20周ある
サインツ:ほっといてくれ、リッキー

 完全に熱くなったサインツはその後もピアストリを追い回し、39周目のターン17で2台はわずかに接触。フロントウイングにダメージを受けたピアストリは19番手まで後退した。

 その後のピアストリは、果敢に1台ずつ抜いていく。一方ノリスは首位を守り続けている。すぐ後ろにいるフェルスタッペンは、今のところノリスとの差を詰められずにいる。とはいえ相手はフェルスタッペンだ。マクラーレン陣営は気が気でない。SCが出たら、再スタートで首位を奪われる恐れは十分にある。

52周目
スタラード(→ピアストリ):ランドがレースをリードしているから、無理するなよ。SCを出動させたくないから

 そしてついにノリスが、F1デビュー110戦目にして初優勝を遂げた。

ジョゼフ:やったぞ。やったんだ!
ノリス:ウォ~~~みんな愛してるよ。ありがとう!やったね、ウィル

ノリス:ランド・ノーウィンなんて、誰が言ったんだ。ついにやったよ。今朝から、そんな気がしていたんだよね

 一方、敗れたフェルスタッペン陣営は、余裕のやり取りだった。

ジャンピエロ・ランビアーゼ:知ってると思うけど、今日のきみは表彰台の真ん中には立てない
フェルスタッペン:ハハハ。全部で勝つなんて、できないからね

こんな記事も読まれています

フェルスタッペンが0.7秒差の接戦を制する。角田裕毅は今季5度目の入賞果たす【決勝レポート/第7戦】
フェルスタッペンが0.7秒差の接戦を制する。角田裕毅は今季5度目の入賞果たす【決勝レポート/第7戦】
AUTOSPORT web
レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2
レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2
AUTOSPORT web
ファイナルラップの大逆転劇。ウイリアムズ育成コラピントが初優勝果たす/FIA F2第4戦レース1
ファイナルラップの大逆転劇。ウイリアムズ育成コラピントが初優勝果たす/FIA F2第4戦レース1
AUTOSPORT web
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
惜敗のランド・ノリス。序盤のピットストップは「守りの動きだった」とマクラーレンF1代表が説明
惜敗のランド・ノリス。序盤のピットストップは「守りの動きだった」とマクラーレンF1代表が説明
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第7戦分析】アンダーカットに成功。ライバルとのギャップを保ち、51周をハードで走り切り戦略を完遂
【角田裕毅F1第7戦分析】アンダーカットに成功。ライバルとのギャップを保ち、51周をハードで走り切り戦略を完遂
AUTOSPORT web
ヒュルケンベルグ「ペースは十分ではなく、早めのピット戦略もレースを厳しいものにした」:ハース F1第7戦決勝
ヒュルケンベルグ「ペースは十分ではなく、早めのピット戦略もレースを厳しいものにした」:ハース F1第7戦決勝
AUTOSPORT web
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第5回】好発進から一転。“少し感情的になった”ケビンと今後のアプローチを話し合い
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第5回】好発進から一転。“少し感情的になった”ケビンと今後のアプローチを話し合い
AUTOSPORT web
ボッタス「狭いコースでの追い抜きは難しく、スタート順位がよくなかったのが響いた」:キック・ザウバー F1第7戦決勝
ボッタス「狭いコースでの追い抜きは難しく、スタート順位がよくなかったのが響いた」:キック・ザウバー F1第7戦決勝
AUTOSPORT web
ノリス2位「あと1、2周あったら勝てたかな…。僕たちは常にトップ争いできるレベルに到達した」マクラーレン/F1第7戦
ノリス2位「あと1、2周あったら勝てたかな…。僕たちは常にトップ争いできるレベルに到達した」マクラーレン/F1第7戦
AUTOSPORT web
フェルスタッペン、ノリス&ペナルティの脅威と戦い辛勝「ハードが機能せず厳しかった。逃げ切ることができて安堵」
フェルスタッペン、ノリス&ペナルティの脅威と戦い辛勝「ハードが機能せず厳しかった。逃げ切ることができて安堵」
AUTOSPORT web
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
ルクレール「レッドブルとマクラーレンは、直線スピードを上げる“奇妙な方法”を知っている」フェラーリ/F1第7戦
ルクレール「レッドブルとマクラーレンは、直線スピードを上げる“奇妙な方法”を知っている」フェラーリ/F1第7戦
AUTOSPORT web
【F1第7戦予選の要点】メルセデス復活の日はまだ遠いのか。想定外だった中団勢の大幅な進化
【F1第7戦予選の要点】メルセデス復活の日はまだ遠いのか。想定外だった中団勢の大幅な進化
AUTOSPORT web
レッドブル&HRC密着:“マックス劇場”から一転「まるで氷の上を走るよう」な状況に。ストレートで速度を落とさず対処
レッドブル&HRC密着:“マックス劇場”から一転「まるで氷の上を走るよう」な状況に。ストレートで速度を落とさず対処
AUTOSPORT web
【F1第7戦決勝の要点】3位が精一杯も確実な進化を重ねるフェラーリと、低迷期を脱したマクラーレン
【F1第7戦決勝の要点】3位が精一杯も確実な進化を重ねるフェラーリと、低迷期を脱したマクラーレン
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村