■MX-30EVは2050年時点のカーボンニュートラル実現へのチャレンジ
昨今、世の中では「クルマの電動化」シフトが大きな話題になっています。一方で、世界各国で「ガソリン車・ディーゼル車の新車販売」への規制に対する動きが高まっています。
そうなると、これまで日本や欧州などでディーゼルエンジンモデルを柱に好調を維持してきたマツダの今後が気になるところです。マツダも電動化戦略を進めていますが、今後は独自のパワートレイン技術「SKYACTIV」はどうなっていくのでしょうか。
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とくに、SKYACTIV投入後に世界的なマツダ躍進の柱となってきたディーゼルエンジンが今後、どうなっていくのか、ユーザーのみならず各所からの関心も高いです。
ただし、欧州市場でのディーゼル市場縮小の波を受けて、マツダの将来について手厳しい報道を見る機会もあります。
こうしたなか、マツダとしての電動化戦略、そしてSKYACTIVのこれからについて、マツダ幹部とオンラインで話す機会がありました。
それは、「MX-30 EV MODEL」(以下、MX-30EV)の日本導入に関してです。
マツダは、新世代商品群の第3弾となる新型コンパクトSUVとしてMX-30のマイルドハイブリッドモデルを2020年10月8日に発売しており、新たに2021年1月28日に追加されるのがMX-30EVです。
MX-30は、マツダがスモール商品群と呼ぶ、小型車(B/Cセグメント)を対象としており、MX-30は「マツダ3」とプラットフォームやパワートレインで部品の共通性があります。
とはいえ、MX-30はマツダ3の単なるSUV版ではありません。そうした位置付けの商品としては、「CX-30」があり、MX-30はデザインやパワートレインを含めて、これまでにないマツダの方向性を目指すユニークな存在です。
そのため、マツダ初の量産型EVという大役も、MX-30 EVが担うことになりました。
ちなみに、マツダのEVでは、「デミオEV(現マツダ2)」が米・カリフォルニア州ゼロエミッション(ZEV)規制対応で限定数がリース販売されたことがありますが、マツダとして一般向けに大量生産し販売するEVは今回のMX-30E Vが初めてのモデルとなります。
すでに、欧州では2020年9月から販売とデリバリーが始まっており、累計で約1万台のオーダーが入るという、EVとしてはかなり高い実績です。
担当主査の竹内都美子氏はMX-30 EVの商品特性について「(ほかのMX-30モデルに比べて)電池パックによる車体の高剛性と低重心、さらに運動制御システムのG-ベクタリングコントロールをEV専用化して、EVらしいスムーズさ、静か、そして洗練されたドライバーの”意のままの走り”」と表現しました。
また、MX-30の電動マルチソルーションとして、前述のマイルドハイブリッドモデルのガソリンモデル(e-SKYACTIV G)と、今回のEV(e-SKYACTIV)に加えて、2022年にはロータリーエンジンを発電機として使う、いわゆるレンジエクステンダーの導入を改めて示しました。
■マツダ、世界戦略の柱となるディーゼルエンジン「SKYACTIV D」はどうなる?
では、MX-30に現状でも、また2022年での搭載予定がない、ディーゼルエンジンについて、マツダはどう取り組むのでしょうか。
マツダ電動化戦略やガソリン・ディーゼルエンジンの研究開発の普及戦略については、マツダが2017年に公表したZoom-Zoom宣言2030を基盤としています。
そのうえで今回、同社の執行役員・R&D管理・商品戦略・技術研究所担当の工藤秀俊氏は、「2050年カーボンニュートラル化への挑戦」を掲げ、マツダとしての現実的に可能な対応策について説明しました。
ZoomZoom宣言2030とは、マツダが2007年から本格的に取り組んでいる、化石燃料の採掘からクルマでの走行までを考えたCO2削減「Well to Wheel(ウェル・トゥ・ホイール)と、車両の素材の製造、車両製造、輸送、整備、廃棄・リサイクルまでのクルマの一生を考える、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)を最大考慮して、地球温暖化の抑制と大気汚染のないきれいな空気を実現するという考え方です。
そうした基本戦略のうえで、世界各地の国や地域での電力事情である、石炭火力、石油火力、LNG火力、水力、原子力、再生可能エネルギーなどの組合せである「エネルギーミックス」を考慮したうえで、その国や地域にマッチするパワートレインを導入するというものです。
そのエネルギーミックスの実情を、マツダが示したグラフで見ると、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドなど北欧やフランスなどで、化石燃料に由来する火力発電の比率が1割以下から3割以下と低く、一方で日本、アメリカ、中国などは7割から8割とかなり高くなっていることが分かります。
そのうえで、EVやPHEV(プラグインハイブリッド車)を積極的に導入するのは、再生可能エネルギー由来の発電が多い欧州が主体となります。
一方で、日本など化石燃料での発電が当面多いとされる地域では、現状のSKYACTIV G、D、Xで内燃機関としての技術革新を進めると同時に、電動化を追加します。
そのなかで、ディーゼルにもe SKYACTIV-D(ディーゼルエンジンの電動化の仮名)を検討せざるを得ないはずですが、価格が上がるなど課題もあるのでしょう。
筆者(桃田健史)の質問に対して前述の工藤氏はe-SKYACTIV-Dという名称については触れませんでした。
さらに興味深いのは、日本など化石燃料由来の発電地域では、再生可能液体燃料として、微細藻類由来のバイオ燃料であるe-Fuelなどの普及を進めています。
すでに、ひろしま自動車産学官連携会議などによる具体的な動きがあります。
また、筆者が「これから、マツダはディーゼルをどうするのか?」という質問に対して、工藤氏は次のように説明しています。
「まだまだディーゼルは、高効率のCO2削減のポテンシャルがあると考えています。
欧州の各種学会でも、ディーゼル(のさらなる技術進化)関連の研究成果発表も多くあり、ドイツ3社(ダイムラー・BMW・VWグループ)もディーゼル研究開発に継続して投資することを表明しています。
カーボンニュートラルに向けて、再生可能燃料を活用するディーゼルの改善や技術開発は継続します。
(マツダディーゼルの)ユーザーの方々には、ディーゼルは将来も残り得るパワートレインであることを分かって頂きたい」
※ ※ ※
このように、ディーゼルエンジンの現状を示すと共に、SKYACTIV-Dの継続と今後の進化に対する期待を込めました。
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みんなのコメント
2.2があるし、また3L直6ディーゼルも出すのでディーゼルを載せるのはラージ車両に限定するのでは。
散々ディーゼルの良さをアピールしまくってきましたが、無くすのはあっさりでしょう。
これがベスト、といつもの台詞でおしまいですよ。