前から見ると普通? でも横は
東京オートサロン2022のNATS(日本自動車大学校)のブースを訪れた。
【画像】違和感まるでナシ 5ドアのジムニーとノーマルを比較【製作風景も】 全132枚
お目当てのスズキ・ジムニー・シエラは、よく目立つ角っこに主役のようにして展示されていた。
正面から見るとリフトアップして屋根の上にポップアップ式テントを載せたジムニーというだけで、このイベントでは珍しくない。
だが横に回るとダックスフンドのように長いボディにはなんとリアドアがある。スズキ自身が製作中とも噂されたことがある5ドア版のジムニーだ。
これはNATSのカスタマイズ科の生徒が手掛けた作品。われわれAUTOCAR JAPANでは5ドア・ジムニーの製作中の記事を2021年12月15日に公開しており、その中で「1月のオートサロン展示を目指している」と言っていたが、ちゃんと実現されていたのである。
ジムニーの近くにいた製作メンバーのひとり、3年生の木下弥於(ねお)さんからは意外なコメントを聞くことができた。
「今朝この場所に置いた段階でもまだ作業は終わっていませんでした」
「だからさっきいよいよ『完成!』という時には本気で泣きました。涙がわーっと。みんな同じ気持ちだと思います!」
カスタムを手掛けた人物がプロならば、そこに涙などないかもしれない。
NATSの学生たちの5ドア・ジムニー製作の舞台裏にはどのような紆余曲折があったのだろうか?
会場で最終仕上げ、その理由は
毎年NATSブースに展示される、生徒によるカスタムカーはオートサロンの名物であり、カスタマイズ科の生徒は皆、展示車両のいずれかのプロジェクトに関わっている。
5ドア・ジムニーの制作は8人のメンバーで半年前ほど前からスタートしている。
ベースのジムニーはカスタマイズ科の有田勇也先生の個人所有車。5ドアのアイデアを出したのは先生だが、それ以外のカスタマイズのメニューは生徒たちが中心となって決めている。
生徒のうち何人かも、5ドア・ジムニーの噂を聞いたことがあり、「あったらいいな」と思っていたという。
だが理想を追求するあまり、作業はスケジュール通りにはいかなかったようだ。
「10月くらいから『完成しないのでは?』と思いはじめ、泊まり込みもして作業しました」(木下さん)
「みんな何度も心が折れそうになりましたが、励まし合って作業しました」
実際に年が明けても完成せず、搬入前日にボディ外側に設置するロールケージの塗装が終わり、外装が仕上がっても、内装材の仕上げが残されていた。
そして未完成のまま5ドア・ジムニーはオートサロンの会場に搬入されたのだった。
「内装の担当者が学校に残って仕上げをして、出来上がったパーツを会場に持ち込んで、先ほどようやく完成しました」(高中洸太さん=高は「はしご高」)
そんなクルマ好きの若者の熱いストーリーを聞いてから再び実車を目の当たりにすると、そりゃあ涙が出るのは当然だと思った。
オートサロン後の課題は改造申請
「先ほどジムニーを見てくれていたお客さんが、2度見して『エッ、5ドア!』って。われわれの狙い通りで嬉しくなります」(高中さん)
今回お話を聞いた木下さんは鈑金担当でボディの延長作業をおこなっているし、高中さんはオーディオ担当としてリアゲートの内側に純正グリルを流用したスピーカーボードを誂えるなど、メンバーそれぞれに担当がある。
「5ドア」というこのクルマ最大の難所にして世界初の試みに目を奪われがちだが、カスタムカーとしてのトータルバランス、そして仕上げのクオリティも高いのだ。
何しろオートサロンの後は再び有田先生の通勤のアシとして活躍するクルマなのである。
「今回のオートサロンではコンセプトカー部門にエントリーしているので、賞を獲得出来たら最高です。まだ改造申請が終わっていないので次の課題はそこですね」(木下さん)
製作途中から陸運局の担当者にアドバイスをもらっているというが、新造されたリアドアにどういったジャッジが下されるのかは未知数でもある。
「これはわれわれの卒業制作」と言い切るクルマに熱いNATSの若者たち。卒業後は『自動車のプロ』になるという彼らの挑戦は、まだしばらく続くのである。
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みんなのコメント
学生さん、先生ともにご苦労様でした。
来年も楽しみにしてます。