マクラーレン、”ミニDRS”への対処状況を明らかに。全スペックのリヤウイングに変更加える

　マクラーレンは、”ミニDRS”で物議を醸したスペック以外のリヤウイングにも変更を加えたことを明らかにした。

　マクラーレンのリヤウイングは、アゼルバイジャンGPのストレートでたわみ、変更していることが明らかとなって話題となった。空力負荷によりリヤウイングの上部エレメントが回転するようにたわみ、スロットギャップが開いて空気抵抗を削減するという仕組みだ。

　このウイングはFIAの静的荷重テストをすべてパスしたものの、高速走行時の挙動をめぐってFIAとマクラーレンの間で議論が交わされた。その対話の一環として、マクラーレンはアゼルバイジャンGPで使用した低ドラッグウイングを修正し、今後このようなたわみが生じないようにすることで合意したという。とはいえ、今季残りのレースでこのウイングを使用するのはラスベガスだけだろう。

　しかし、今週末のアメリカGPでのレースを前に、マクラーレンはFIAからさらなる変更を要求されたという噂が飛び交い、この問題が再び話題となった。

　チームはこれを否定しているが、現在進行中の対話の一環として、オースティンで使用されるものも含め、すべてのウイングに変更を加えることに合意したことを認めている。

　この変更には、アッパーエレメントがたわまないようにするための修正と、スロットギャップの小さくするための修正が含まれるという。

　マクラーレンの広報担当者は「すでに述べたように、マクラーレンはアゼルバイジャンGP後にリヤウイングを微調整することを積極的に申し出た」と語った。

「我々はバクー以降、この領域でこれ以上問題が起きないようにするために、すべてのリヤウイングに様々な微調整を施してきた」

　FIAはリヤウイングのたわみを監視するために厳しいアプローチを取り続けており、ピットレーンで目撃されたようにリヤウイングの様々な部分に、リファレンスドットを増やしているようだ。これらのドットは基準として機能し、リヤビューカメラが捉えた映像でたわみをより簡単に発見することができる。

　映像の忠実性を高め、必要なディテールを得るためにより高解像度カメラが後方を映すカメラに使用される予定であることも理解されている。

　FIAはベルギーGPでウイングのたわみに対する監視を初めて強化した。チームは、フロントウイングのエンドプレートとアウターフラップセクションを横から見るカスタムカメラハウジングに高解像度カメラを取り付けることが求められた。

　ただし、撮影された映像はチームにペナルティを科すための手段としては使用されないことは注目に値する。

　その代わり、FIAがウイングがどのようにたわんでいるかをよりよく理解することで、将来的に現行のレギュレーションを整理したり、将来的なルールをよりよいものにするために使用したりすることができる。

　motorsport.comの調べによると、アメリカGPに向けてウイングを変更したのはマクラーレンだけではないようだ。FIAは懸念していた他のデザインについても修正を要求していたのだという。