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ジェネシスG70 シューティングブレークへ試乗 欧州専用シャシーの強み 後編

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ジェネシスG70 シューティングブレークへ試乗 欧州専用シャシーの強み 後編

ドライバーを鼓舞してくれるシャシー

ジェネシスG70 シューティングブレークは、BMW Mスポーツに迫るような接地感を得ている。姿勢制御は引き締まっており、グリップ力のバランスも良好なようだ。

【画像】ジェネシスG70 競合のDセグメント・ワゴン 他のシューティングブレーク・モデルも 全169枚

隆起部分や舗装が剥がれた穴を通過しても、強い振動が伝わってくることはない。それでいて、無駄にボディを揺らすこともない。

試乗車したスポーツラインのG70 シューティングブレークが履いていたのは、19インチのホイールとミシュラン・パイロットスポーツ4Sのタイヤ。ドライブモードをスポーツ寄りな方へ切り替えると、舗装によってはロードノイズが大きく車内へ届いていた。

そんな時は、センターコンソールのノブで一発解決。コンフォート寄りのドライブモードを、すぐに選べる。ステアリングホイールの操舵感も、丁度良い手応えから重めで無感触なものまで変化する。

コーナリングマナーは良好で、スタビリティ・コントロールの効きを弱めて、ワインディングを攻め込もうという気にさせるのにも充分。リミテッドスリップ・デフが、効果的にパワーオン時でもラインを内側に絞るのを助けてくれる。

全体として、ドライバーを鼓舞してくれるシャシーだといえる。むしろ、もっと魅力的なパワートレインが欲しいと思わせるほど。

G70 シューティングブレークでは、4気筒のガソリンターボとディーゼルターボが選択できるが、同じグループ内のキア・スティンガー GTSが積むV型6気筒ガソリンターボは選べない。そのジェネシスの判断が、残念でならない。

エンジンに欲しいキラリと光る特別な味わい

2.2Lのディーゼルターボは低回転域からトルクが太く、静かにリラックスした高速クルージングへ浸っていられる。燃費も14.5km/L近くは現実的に得られるようだ。

しかし3500rpmを越えるとノイズが明確に高まり、質感に粗さが出てくる。4000rpm以上まで回ろうという意欲も感じられない。

確かに洗練されているし、不足ない動力性能と操縦性を与えてくれている。上級クラスらしく、静かでたくましい。だが個性は薄く、積極的に回ろうという感じはない。

G70 シューティングブレークの動力性能として、一応の水準は得られているものの、エネルギッシュな個性までは獲得できていない。一般的なユニットという感じが否めない。

BMWやアルファ・ロメオのエンジンは、たとえ4気筒でも、キラリと光る特別な味わいがある。ボンネットの内側にしっかり隔離されているが、退屈なユニットではない。

ヒュンダイ・グループがさらに追求するべき、プレミアム・モデルに必要な技術的側面なのだと思う。伸びしろはあるはずだ。

8速ATはダイレクト感が今ひとつ。4気筒エンジンとの相性もあるだろう。普通に流している限りでは滑らかに、テンポよく変速をこなす。一方で速いペースで走らせたい場面でも、積極的にシフトアップする。

少し反応が過剰でもある。右足の力加減で、ギアが次々変わるように感じられた。シフトパドルをドライバーが弾けばその癖は緩和できるが、変速はクイックとはいえず、明確に好転するほどではない。

普段使いできる多様性、魅惑的なスタイリング

ジェネシスG70 シューティングブレークは、普段使いできる多様性と、魅惑的なスタイリングとが見事に融合している。多くのターゲット層に対して、強いアピール力を備えていると思う。

シャシーはドライバーズカーとしての能力を備えているものの、パワートレインがうまくフォローアップできていないことは確か。走りへの高い充足感を求めるなら、BMW 3シリーズやアルファ・ロメオ・ジュリア、ジャガーXEなどと良く比較するべきだろう。

多くの人の予想を超える仕上がりではある。だが、Dセグメントの定評を覆すほどではない。

とはいえ、欧州市場へ特化したシャシーチューニングが許されたジェネシスが、達成できる実力の高さを証明している。これからのジェネシスへ、強い期待を抱かせる1台であることは違いない。

韓国のプレミアムブランドとして、欧州市場にもたらされた最も訴求力の高いモデルであることは明確。クルマを所有するという体験で、欧州ブランドを超えたいという熱意が伝わってくる。ジェネシスの今後の展開次第では、不可能ではないかもしれない。

ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万1430 ユーロ(約629万円)
全長:4685mm
全幅:1850mm
全高:1400mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:7.7秒
燃費:14.4-14.8km/L
CO2排出量:177-182g/km
車両重量:1810kg
パワートレイン:直列4気筒2199ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:199ps/3800rpm
最大トルク:44.8kg-m/1750-2750rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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