スーパーカーならではの魅力の筆頭に挙げられるのが突き抜けるようなエキゾーストサウンド。そんなスーパーカーの「音」を心ゆくまで堪能したい人にオススメしたいサービスがあるという。
オーディオ的発想で走行音を快適に
音を調える施工と書いて「調音施工」。この耳慣れない言葉は、日本の高級カーオーディオメーカーであるビーウィズが、同社の輸入するフォーカル-JMラボ(フランス)が開発した高性能遮音材を用いて提供する走行音静粛化プログラムのサービス名称である。
走行時の不快なノイズを効果的に抑制し、エンジン音や排気音など欲しい音だけを際立たせる新しいタイプのサウンドチューニングとして注目を集めている。
『調音施工』は、同社がカーオーディオの新製品開発のために導入したテスラ モデル3の静音対策をきっかけに誕生したという。
「モデル3の、特に初期のアメリカ生産車は遮音があまりなされていないようで、とにかくロードノイズがうるさかった。エンジン音にマスキングされないぶん、路面からの低級な雑音がどうしても耳に付いてしまうのです。かといって、せっかく軽量に設計された車体を “デッドニング”のようなことで重くしてしまうのは美しくありません。そこで、我々が得意とするオーディオ的な発想でピンポイントの静音対策を行い、耳に感じる走行音を心地良くできないかと考えたのが『調音施工』の始まりでした」(ビーウィズ 中島社長)
具体的な作業内容はロードノイズを抑制するホイールハウス内の遮音と制振がメインで、これにオプションとしてエンジン搭載車ではエンジンルーム側のバルクヘッド、テスラなどのピュアEVではトランクルーム内の追加施工を選択できる。
対応車種(施工検証済み車種)はテスラ各車のほか現行型のメルセデスやBMW、そしてフェラーリをはじめとするスーパースポーツ系などで、ホイールハウス内がフルカバーされた車種限定。このような車種では最初から相応の遮音がなされていそうなものだが、実はホイールハウス内の構造や材質は高級車でも普通のクルマと大差ないことが多く、ここが意外な盲点となっていたのだそうだ。
それでは逆に、あまり効果のない車種というのもあるのだろうか。
「スタート当初はデータ収集も兼ねてさまざまな車種への施工を幅広く受けていたのですが、現在は十分な効果が得られた車種を施工検証済み車種としてHPのリストに掲載し、それらの車種や同系車種を中心に受注をいただいています。たとえば国産の量販車種ではホイールハウス内の樹脂カバーがもともと半分ぐらいしかなくて十分な施工ができなかったり、フルカバーのタイプでも思ったほど静かにならなかったり、と車種によって効果はまちまちなのが実情です。現在では作業を担当するスタッフも経験を積んできており、ご相談いただければお乗りの車種でご要望に沿えるかどうかお答えできると思います」(中島社長)
簡単そうに見えて職人芸の域
それでは実際の施工プロセスを紹介しよう。まずはホイールハウスのインナーカバーをすべて取り外し、綺麗に洗浄する。よほどの洗車好きでもここまですることはまずないと思うが、カバーは想像以上に汚れを吸っており、カバーの裏側から思わぬゴミが出てくることもあるという。
取材車のF8トリブートも、走行距離200kmほどのほぼ新車状態だったにも関わらず、巻き上げた砂利やゴミがカバーの裏からけっこう出てきて驚かされた。
洗ったインナーカバーが乾燥したら、あとは短冊状にカットした遮音材の「BAMシート」を裏側にびっしりと貼っていく。ただ貼るだけのように見えて、遮音効果と耐久性を最大限に高め、なおかつ元通りの位置にカバーをピッタリ戻せるように施工するところはノウハウの塊。
取材車では車両側のカウル裏側にもBAMシートを敷き詰めているが、このあたりも車種に応じて効果を見極めながらツボを押さえて行っているという。所要時間はおよそ半日、材料の「BAMシート」(1箱5万円もする最高級品だ)をちょうど1箱使用して作業は終了した。
エンジン音が大きくなった?
施工を終えたF8トリブートに乗り込んでエンジンをスタートさせ、平滑なコンクリート敷きのガレージからアスファルトの路上に踏み出すと、施工前と明らかに違った点がふたつあることに気づいた。
ひとつは施工前の試乗で耳に付いた、路面の細かな砂利を巻き上げる音が明確に抑え込まれていたことだ。タイヤの踏面が発する連続音にはあまり変化がなく、不連続なノイズだけが遠くへ追いやられ、ドライブへの没入を妨げる雑味が消されている。
もうひとつは、背後から響くエンジンのメカニカルノートとエグゾーストノートがより大きく、強く主張するようになったと感じられることである。回転を上げるにつれて音が立体的に共鳴し、頭上へ抜けていくような感覚。
実は以前、アストンマーティンDBSでも『調音施工』のビフォー・アフターを体験しているのだが、そのときと同じパターンだ。絶対的な音量が大きくなるはずはないので、理屈としてはロードノイズのレベルが下がったことでそれ以外の音が相対的に際立つということなのだろうが、これが「調音施工」により音の均衡を敢えて突き崩すことによって生まれた結果なのだとすれば、まさしくオーディオ的な発想のファインチューニングである。
文・内藤 毅 写真・友田宏之 編集・iconic
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懐かしく思い出した。