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【詳細データテスト】ベントレー・コンチネンタルGT 高級高速クーペの傑作 本格スポーツではない

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【詳細データテスト】ベントレー・コンチネンタルGT 高級高速クーペの傑作 本格スポーツではない

はじめに

コンチネンタルGTスピードのように、大きく高価で、内燃エンジンを積む高級車を造るベントレーみたいなブランドは、いまや残り時間が迫っている。

【画像】ベントレー・コンチネンタルGTとライバル 全15枚

政府の方針や関連法規は、ガソリンエンジンの販売を今すぐ禁じるものではない。しかし、世論や、それに左右される消費者心理は移ろいやすいものだ。

ゼロエミッションの選択肢が登場するとなれば、大排気量の化石燃料エンジンを積む高級スポーツカーの販売は難しいものになるだろう。それは、英国が2030年に設定したような販売禁止時期を待つまでもなく。

それは、3代目コンチネンタルGTが高性能版のスピードを追加するのに、世代交代から3年を要したことの一因でもある。先代のスピードは、これほど待たされなかった。しかし今回は、そのときほど開発を急かすようなプレッシャーが強くなかったのだろう。

新型GTスピードには、ベントレーの量産車初となるシャシー技術が盛り込まれた。先代のトリを飾ったGTスーパースポーツに比べれば、パワーもトルクもやや劣る。だが、それよりウェイトは軽く、ホイールとブレーキは大きく、駆動系にはよりスペシャルな機能が備わっている。そして、0−100km/h加速の公称タイムは、わずか0.1秒差にまで迫っている。

このGTスピードは、ポルシェのGTカーと勝負する超高級なライバルではない。シンプルに、世界最高の2ドア高級GTというポジションにある。贅沢なまでの快適性や洗練性、そして実用性に妥協はないが、それでいてコンチネンタルGTの速さやハンドリング、さらに運転し甲斐をさらに高めた、といったコンセプトのクルマだ。

はたして、そうしたベントレーの思惑どおりに仕上がっているのだろうか。その辺りを、厳しく吟味していこうではないか。

テスト車:ベントレー・コンチネンタルGTスピード・クーペ

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

当然というべきか、プラットフォームは標準モデルと同じフォルクスワーゲングループのMSBを使用するGTスピード。アダプティブダンパーを備えた3チャンバー式エアサスペンションや8速DCT、電子制御アクティブ4WDシステムなどもキャリーオーバーしている。ただし、制御用のソフトウェアは再調整され、よりスポーティな性格づけがなされている。

そのほか、通常のGTではオプションになるベントレーダイナミックライド、すなわち48V電源を用いるアクティブスタビライザーは標準装備化。もちろん、これもGTスピード専用チューンが施されている。

このスタビライザーには、標準仕様以上に高度な作動が求められる。というのもGTスピードには、フライングスパーで採用済みの四輪操舵システムが搭載され、これとの協調制御が必要になるからだ。

後輪操舵をマルチリンクサスペンションのタイロッドを動かすことで行うメカニズムは、フライングスパーと共通だ。とはいえ、そのチューニングはまったく異なっている。その目的は、逆位相操舵でホイールベース短縮と同様の効果を生み、低速での取り回しを改善するだけに止まらない。

ヨーセンターをリアアクスルから前方へ移動し、コーナリング時にシャシーのより中心寄りを旋回軸とすることを可能にするのだ。ベントレー曰く、この4WSシステムの効力は、舵角が増すほどにアグレッシブさも増すという。

そして、ベントレーがGTスピードではじめて市販車に導入したのが、トルクベクタリング機能を持つ電子制御リアデフだ。遊星ギアとひと組のクラッチを組み合わせたそれは、オープンデフとしても、左右等分固定ユニットとしても機能するだけではない。

制御ユニットが適切と判断すれば、アウト側の後輪へより多くの駆動力を分配することもできる。これにより、トラクションを改善するだけでなく、いうなればハンドリングバランスやコーナリング時のシャシーの挙動を、ドライバーのスロットル操作で調整できる幅が広がることにもつながる。

4WDシステムの前後駆動力配分は、スポーツモードでは30:70が基本だが、場合によってはもっとリア寄りにもなる。しかしクルーのエンジニアは、コーナリング中に2度3度と前後配分を変更するアクティブ制御を選択した。これにより、さまざまなトルク配分でコーナーへ進入してから後輪を安定させ、荷重や推進力、挙動を、ドライバーの気づかないうちに操作する。

エンジンはチェシャー工場製の6.0LツインターボW12を軽く改修したバージョンで、通常バージョンより24psアップの659psを発生する。91.8kg-mのトルクに変化はない。ブレーキは鋳鉄ディスクを標準装備するが、4枚で33kg軽量化でき、市販モデルでは最大サイズとなるカーボンセラミックディスクがオプション設定されている。

テスト車の実測重量は2279kgで、2018年に計測したW12クーペより16kg軽い。それでも、やはり重量級であることに違いはない。これはまさしく、ベントレーの高級車なのだ。

内装 ★★★★★★★★★★

切削加工のアルミトリムは、このクルマのキャビンにおける象徴的なアイテムだ。ハイパフォーマンスとは無縁のディーゼルハッチバックやハイブリッドクロスオーバーに備わる、同じようにレーシーな金属調のフィニッシュが嫌いでたまらないのだとしても、この見目麗しさには、冷笑もたちどころに霧散するはずだ。

あまりにすばらしく、これによって重量やコストがどれくらい増すのか気になってしまう。それは、このクルマに関していえばここに限った話ではないのだが。

パフォーマンスモデルとしてみると、これは稀有な存在だ。この上なく快適で調整のきくシートには、ハードなドライビングの際に腰や背中がずれないほどしっかりしたサポートを備えているのに、普段はそれをほとんど感じさせない。そして、手触りも見た目も、その質感はかなり魅力的だ。

シャシーの動きを余すことなく感じたいというドライバーからすれば、もっと低く座りたいと不満の声が上がるかもしれない。しかし、着座位置が高めでも、身体の周囲にはかなりのスペースが確保されているし、車外の視認性も高い。ピラーが太く、ルーフの面積も広いが、それほど大きなネガティブ要素にはなっていない。

GTスピードになっても、リアシートはオミットされずに残っている。多くの2+2クーペより実用性は高いが、それでも乗降性は低く、子どもか、体格の小さい大人でなければ快適とはいえない空間だ。

荷室は中くらいのスーツケースとソフトバッグを2個ずつくらいは積み込めるが、後席のフォールド機構はなく、長尺物を載せるためのハッチが備わるのみだ。

ほぼ例外なく、金属に見える部分はフェイクでなく、手触りも金属のそれだ。寒い日には冷たく、エアコンを強くしていると結露するかもしれない。キャビンには指先でわかるローレット加工も多用される。自動車のインテリアとして、ソリッドな素材感や贅沢さ、特別感でこれを超えるものはそうそう見つけられない。

しかし、その豪華さが、高い機能性も兼ねている部分もある。たとえば、ダッシュボード上面をすっぽりと包んだレザーは、眩しい光の反射を抑えているし、ホコリが溜まってしまうような継ぎ目もほとんどなくしている。

走り ★★★★★★★★☆☆

ベントレーの巨大な、4列シリンダーのW12ツインターボは、これまでもそうだったが、これ見よがしなところのないエンジンだ。高回転まで回るわけではなく、サウンドも聞くに値するほどのことはない。GTスピードであっても、標準モデルよりちょっとだけ音が大きい程度だ。

最高回転数は6000rpmを少し超えるのみ。しかも車両重量のせいもあって、GTカーのカテゴリーで文句なしのパフォーマンスキングにはなれない。

それでも、GTスピードは何不自由ないほど強力だ。変速比もファイナル比も通常のW12モデルと同じなので、1~3速は比較的ローギアード。4WDと91.8kg-mのトルクもあって、2.3t級の高級クーペでありながら0−97km/hは3.4秒、変速ありの48−113km/hはたったの2.7秒だ。いずれも、3年前に計測したW12クーペより0.2秒ほど速い。発進加速は、よりパワフルなアストンマーティンDBSスーパーレッジェーラさえ凌ぐ。巨体のわりには悪くない。

ただし、161km/hを超えるとアストンが逆転する。0−1km加速もアストンが上だ。というのも、高いギアがハイギアードなのだ。トップなら、1000rpmで80km/hを超え、計算上は499km/hに達する。8速はDBSよりおよそ20%高い。だが、トップギア固定で97km/hくらいからスロットルペダルを踏み込めば、アストンより早く129km/hに届く。これは、最大トルクの発生回転数が1500rpmと低いからだ。

スロットルのオン/オフをすると、わずかなラグがあり、大きく急なペダル操作をするとやや粗野な感じがするのは、トルクが駆動系へ送られるのが要求より少々遅れるからだ。

しかし、ペダルを蹴飛ばすようにするのではなく、じわじわ踏み込み、さらにマニュアル変速をすれば、もっとスムースで意に沿った走りになる。なお手動変速は、思ったより少しだけ早めに操作するのがベターだ。そうすれば、GTスピードの速さが期待を裏切ることはまずない。

Dレンジに入れっぱなしなら、極めてシームレスな変速を見せる。DCTは2速で回るヘアピンへハードに突っ込んでも、必要とするクイックで確信を持ったシフトをしてくれる。日常使いではゆったり走ることもあり、リバースやドライブへ繋ぐときはスローだが、タイミングやギア選択は動きに対して直感的だ。

いっぽう、オプションのカーボンセラミックブレーキは、高速時の効きやサーキットでの制動力がやや不足気味。ペダルはややオーバーアシストで、マニューバリング時には過敏なところがある。しかし、常に悩まされるというものではない。

使い勝手 ★★★★★★★★★☆

インフォテインメント

12.3インチのタッチ式画面を用いたインフォテインメントシステムは、ルックスも機能もポルシェ・パナメリカーナのそれにかなり似ている。しかし、使い勝手には文句のつけようがない。

ディスプレイに指紋をつけたくないというなら、小ぶりなスクロール用ホイールと多くの実体スイッチの存在がありがたいだろう。そうでなければ、画面右側に列を成した操作アイコンが扱いやすい。

回転式ディスプレイは、4865ポンド(約68万円)と安くはないオプションだ。画面を格納すると、代わりにコンパス/外気温計/ストップウォッチのクラシックな円形メーターが現れる。150以上のパーツで構成されるそれは、ほとんど音もなく作動し、ダッシュボードに美しくフィットする。

さらには、ドライバーがリバースへシフトしたら、2秒以内に反転してバックカメラの映像を表示することが要求される。これは、法規でそう定めている市場もあるからだ。

とにかく、目的地までのナビゲーションが不要なときや、外界からの情報に気を散らされたくないとき、そして高級感を堪能したいとき、無粋なデジタル画面を隠せることはありがたい。

燈火類

LEDマトリックスライトは標準装備で、アクティブブランキングと自動減光が利用できる。非常にパワフルだが、対向車への反応がやや遅いこともあった。

ステアリングとペダル

足元のスペースは、先の尖ったイブニングシューズでもゆったりできる広さで、大きなピカピカのペダルはまっとうな位置に取り付けられている。そして、汚してしまうのがはばかられるような仕立てだ。

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

この部門でGTスピードが得たものは、公道上よりサーキットを走ったときのほうがわかりやすい。コース幅の広いサーキットで、走行モードをハード方向に入れ、スタビリティコントロールを弱めれば、GTスピードはこれまでのベントレーのロードカーにはなかった旋回性能を発揮する。

思い切った運転をして、初期舵角をかなり切り込んでいれば、少ないながらパワースライドにも持ち込める。ただし、振り回してみると、限界域のハンドリングは不自然で必要以上に管理されたようなフィールだ。

まさしく、処理すべきイナーシャの多い2.3tのクルマそのものといった感覚で、それがうまくいっていると思える部分はあるが、本質的に俊敏で、バランスとアジャスト性を備えたスポーツカーではない。

公道では、よりシンプルな方法でスポーティな走りをもたらしているか、また、それがほかのGTより少なくとも魅力的で熱中できるものになっているか、議論の余地があるところだ。ステアリングは手応えがやや重くなり、つながり感も増している。

しかし、四輪操舵がターンインで確実に高めている路面への食いつきが、指先には感じられない。その代わり、まるで魔法のように路面を捉える。ここまで重いクルマに予想するより、ライン取りは鋭く、タイトコーナーでの挙動は遊べるものだ。とはいえ、ほかのGTカーほどには鮮烈な楽しみで魅了してくれるわけではない。

ちょっとばかり熱くドライブすると、操舵システムやディファレンシャル、スタビライザーがアペックスを捉えて、その重量を旋回させ、コンマ数秒後にはESCと協調して回転モーメントをふたたび抑え込む。修正舵はそれほど必要ない。

少なくとも客観的に見れば、すべてうまくいっている。しかし、夢中になれるような魅力的なものにはなっていない。

ベントレーの売りであるショックの吸収が、望むよりもコミュニケーション性を損ねていて、間違いなく高級車らしさが残っている。もっと荒々しく走らせても、ほかのやり方ならばそうなっていたかもしれない、寛大で、予測が効いて、気持ちよくしてくれる大柄なフーリガンのようなクルマにはならない。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆

ベントレーは、GTスピードの洗練性を、ほかのコンチネンタル系に匹敵するものに仕上げたといっていい。

クルーのシャシーエンジニアたちは、軽量な鍛造ホイールとカーボンセラミックブレーキ、ハイパフォーマンスタイヤが仕事を楽にしてくれるというだろう。ましてや、ホイールは1サイズのみなので、何種類ものサイズに対応したチューニングの妥協点を探る必要がなくなっている。

アスファルトの荒れた開けた道でのみ、通常のGTよりノイズが多いように思えるのみだ。テストコースのサーキットを周回してわかったのは、48km/hではW12クーペより騒音値が上がるが、113km/h巡航では1dB下がるということだ。

これがアストンマーティンDBSスーパーレッジェーラだと、113km/hでは11dBAも大きくなる。GTスピードは、超高級リムジンほど静粛性は高くないかもしれない。しかし、静かで振動などもよく抑えられた、とにかく高級で速いクーペがほしいなら、これ以上のクルマを見つけるのは難しい。

低速での乗り心地は、コンフォートモードにすると市街地ではじつにしなやか。ときに柔らかすぎて、スピードバンプで軽くチンスポイラーを擦ることもある。けれども、大小いずれの入力もすばらしくうまくこなしてくれる。

カントリーロードを走ると、ボディコントロールとしなやかで快適な乗り心地のバランスは、スポーツモードよりベントレーモードのほうが上だ。スポーツモードでは、路面が複雑になると、過敏で硬く、乗り心地が破綻しそうな気配がみられる。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

エントリーモデルとなるV8モデルの価格は、17万ポンド(約2380万円)をわずかに切るが、オプションを加えて20万ポンド(約2800万円)以下に収まったオーナーはほとんどいないだろう。つまり、もうちょっとがんばればトップグレードのGTスピードに手が届くというわけだ。

これはなかなか競争力のあるプライスだ。そしてこうしたハイエンドのマーケットでは、多くの顧客がより多くの出費をして、よりバリューの高いものを求め、よりスペシャルなクルマを手に入れようとする。

残価率は、アストンマーティンやロールス・ロイスの競合車より高いと予想されるが、どれをとっても自慢できるほどではない。もっともベントレーは常に、オーナー次第な部分はあるものの、決して少ないコストで乗れるクルマではなかった。出費がかさむのは覚悟しなくてはならない。

スペック

レイアウト

プラットフォームはフォルクスワーゲングループのMSBで、フロントにベントレーお得意のW12エンジンを縦置きし、電子制御カップリングを介して四輪を駆動する。

エアサスペンションとアダプティブダンパー、アクティブスタビライザーは標準装備で、GTスピードには四輪操舵とトルクベクタリング機構を持つリアデフが追加される。前後重量配分は、実測で54:46だった。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:W型12気筒5950ccツインターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ84.0×89.5mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:659ps/5000-6000rpm
最大トルク:91.8kg-m/1500-5000rpm
エンジン許容回転数:6200rpm
馬力荷重比:290ps/t
トルク荷重比:40.4kg-m/t
エンジン比出力:111ps/L

ボディ/シャシー

全長:4850mm
ホイールベース:2851mm
オーバーハング(前):898mm
オーバーハング(後):1100mm

全幅(ミラー含む):2195mm
全幅(両ドア開き):4200mm

全高:1405mm
全高(トランクリッド開き):1405mm

足元長さ(前席):最大1110mm
足元長さ(後席):最大620mm
座面~天井(前席):最大980mm
座面~天井(後席):890mm

積載容量:358L

構造:スティール/アルミモノコック
車両重量:2273kg(公称値)/2279kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前/後:9.5Jx22/11.0Jx22
タイヤ前/後:275/35 ZR22 104Y/315/30 ZR22 107Y
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:なし(パンク修理剤)

変速機

形式:8速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.97/7.6
2速:3.24/13.8
3速:2.08/21.6
4速:1.42/31.5
5速:1.05/42.6
6速:0.84/53.3 
7速:0.68/65.8  
8速:0.53/84.3   
最終減速比:3.15:1(フロント:3.13:1)

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:5.9km/L
ツーリング:7.8km/L
動力性能計測時:2.2km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.1km/L
中速(郊外):6.8km/L
高速(高速道路):8.5km/L
超高速:9.0km/L
混合:7.3km/L

燃料タンク容量:90L
現実的な航続距離:529km
CO2排出量:311g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング、アクティブスタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、アクティブスタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:11.2m

ブレーキ

前:440mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
後:410mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
制御装置:ABS、EBD、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、センターコンソール右側にスイッチ設置

静粛性

アイドリング:42dBA
全開時(4速):75dBA
48km/h走行時:59dBA
80km/h走行時:62dBA
113km/h走行時:65dBA

安全装備

ABS/ESP/EBD/EBA/TC/HBA
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温8℃
0-30マイル/時(48km/h):1.5秒
0-40(64):2.0秒
0-50(80):2.6秒
0-60(97):3.4秒
0-70(113):4.2秒
0-80(129):5.1秒
0-90(145):6.3秒
0-100(161):7.6秒
0-110(177):9.0秒
0-120(193):10.6秒
0-130(209):12.5秒
0-140(225):14.7秒
0-150(241):17.2秒
0-160(257):20.3秒
0-170(273):24.1秒
0-402m発進加速:11.5秒(到達速度:201.0km/h)
0-1000m発進加速:20.7秒(到達速度:259.7km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
0-30マイル/時(48km/h):1.9秒
0-40(64):2.4秒
0-50(80):3.0秒
0-60(97):3.7秒
0-70(113):4.5秒
0-80(129):5.3秒
0-90(145):6.3秒
0-100(161):7.4秒
0-110(177):8.5秒
0-120(193):10.0秒
0-130(209):11.5秒
0-140(225):13.4秒
0-150(241):15.6秒
0-160(257):18.4秒
0-170(273):21.8秒
0-402m発進加速:11.6秒(到達速度:210.5km/h)
0-1000m発進加速:20.5秒(到達速度:268.4km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.2秒(2速)/2.1秒(3速)

30-50(48-80):1.2秒(2速)/1.6秒(3速)/2.6秒(4速)/4.6秒(5速)

40-60(64-97):1.6秒(3速)/2.3秒(4速)/3.4秒(5速)/5.5秒(6速)

50-70(80-113):1.7秒(3速)/2.3秒(4速)/3.3秒(5速)/4.3秒(6速)/7.0秒(7速)

60-80(97-129):1.8秒(3速)/2.3秒(4速)/3.3秒(5速)/4.3秒(6速)/5.7秒(7速)/8.4秒(8速)

70-90(113-145):2.4秒(4速)/3.3秒(5速)/4.4秒(6速)/5.9秒(7速)/8.2秒(8速)

80-100(129-161):2.5秒(4速)/3.3秒(5速)/4.6秒(6速)/6.1秒(7速)/8.7秒(8速)

90-110(145-177):2.7秒(4速)/3.5秒(5速)/4.7秒(6速)/6.3秒(7速)/9.4秒(8速)

100-120(161-193):3.0秒(4速)/3.7秒(5速)/4.9秒(6速)/6.8秒(7速)/10.1秒(8速)

110-130(177-209):3.9秒(5速)/5.2秒(6速)/7.2秒(7速)

120-140(193-225):4.2秒(5速)/5.6秒(6速)

130-150(209-241):4.6秒(5速)/6.1秒(6速)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温8℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):23.6m
70-0マイル/時(80km/h):45.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.92秒

ライバルの制動距離アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
30-0マイル/時(48km/h):7.8m
50-0マイル/時(64km/h):21.7m
70-0マイル/時(80km/h):42.1m

各ギアの最高速

1速:46.7km/h(6200rpm)
2速:85.3km/h(6200rpm)
3速:133.6km/h(6200rpm)
4速:194.7km/h(6200rpm)
5速:263.9km/h(6200rpm)
6速:329.9km/h(6200rpm)
7速:334.7km/h(5088rpm)
8速(公称値):335.0km/h(3966rpm)

8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1335rpm/1525rpm

結論 ★★★★★★★★☆☆

ベントレーが、現行コンチネンタルの最強バージョンで見せた仕事ぶりは、賞賛に値する。

GTスピードは、ドライバーズカーとしての顔もありつつ、レザーやアルミで囲まれた重たい回転椅子のように感じさせるところもある。それがカタパルトから打ち出されるように加速するさまは、記憶に焼きついた。

しかし、最新のアクティブ駆動系やサスペンション、ステアリングシステムをもってしても、限界はある。スポーツ選手が足首に打った注射のように、新しいアイテムは違いをもたらす。しかし、一流のバレリーナのごとき華麗なステップを可能にすることはない。GTスピードもまた、公道でもサーキットでも本当に注意を引くようなことにはならない。

過去の多くのベントレーがそうだったように、八分目くらいの力で道幅の広いカントリーロードを流すのは最高。長距離を走る高級GTとしてはさらに上々。その筋では、並ぶものはそう多くない。生垣が迫るような狭い道では、ボディのワイドさと重さが気になる。そして、例によってよそよそしく、ダイレクトさは感じられない。

麗しく、贅沢で、心が和むクルマだ。ドライビングも魅力的だが、本当に夢中になれるというわけではない。この上なく妥協なき速くて高級なクーペとしてなら、満足させてくれる。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラートオプションの赤外線ナイトビジョンは、なかなかよくできたアイテムだ。人体のように熱を帯びた物体を検知すると音声で通知してくれるので、ディスプレイを注視している必要がなくなる。歩行者と野生動物の違いも教えてくれるようだ。

マット・ソーンダース後輪駆動モードを用意しなかったのは手落ちだと思う。それも、アクティブ系システムがあまり介入しない状態のそれを。名前をつけるならドリフトモードではなく、ピュアモードとでも呼ぶのが適切だろう。これほど重いクルマでは、サーキットでそれほど長く周回を重ねることはできない。とはいえ、そういうモードがあれば、走行可能な間は今以上に楽しめるはずだ。

オプション追加のアドバイス

ツーリングパックとフロントシートスペシフィケーションパックはつけたい。サーキットや峠道を走ろうというのでなければ、カーボンセラミックブレーキは避けたほうがいい。画面が完全に隠れる回転ディスプレイはおすすめだ。

改善してほしいポイント

・ワイルド寄りの走行モードは、もっと磨きをかけてほしい。駆動系や四輪操舵のシステム介入は、もう少し抑えてもらいたい。
・運転席はもっと低いほうがいい。
・W12だけでなく、V8にもスピード仕様を用意してもらいたい。鼻先が軽いぶん、ハンドリングがシャープなV8には、よりマッチするはずだ。

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みんなのコメント

1件
  • こういう車を買う人々は規制だとかゼロエミだとかとは無縁の人たちですよ。
    お金に余裕があって強力なパワーの快適な高級車が好きなんですよ。
    それらを次々と乗り換えていくんです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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