現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > WEC第2戦、7号車トヨタが今季初勝利、巧みな戦略でポルシェの追い上げを退ける。8号車トヨタも5位入賞 【イモラ6時間決勝】

ここから本文です

WEC第2戦、7号車トヨタが今季初勝利、巧みな戦略でポルシェの追い上げを退ける。8号車トヨタも5位入賞 【イモラ6時間決勝】

掲載 3
WEC第2戦、7号車トヨタが今季初勝利、巧みな戦略でポルシェの追い上げを退ける。8号車トヨタも5位入賞 【イモラ6時間決勝】

2024年4月21日(現地時間)、WEC(世界耐久選手権)第2戦イモラ6時間の決勝がイタリアのイモラ・サーキットで行われ、6番手からスタートしたトヨタGR010ハイブリッド 7号車が逆転で優勝を飾った。2位は開幕戦で優勝した6号車ポルシェ 963、3位には5号車ポルシェ 963が入った。トヨタGR010ハイブリッド 8号車は5位に入賞している。

残り2時間で降り始めた雨が戦略のポイントになった
7号車トヨタGR010ハイブリッドが、降雨のためコンディションが大きく変わる難しいレースを巧みな戦略で走り抜き、ハイパーカーの激戦を制した。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

6番手からスタートした7号車のトヨタは、すぐに5位へとポジションアップ。コース上での追い抜きが難しいイモラでは、優れた戦略とピット作業が重要となるが、2時間を過ぎたところで、7号車は3位でコンウェからデ・フリースへとドライバー交代。フルコースイエローからの再スタートのタイミングで2位へと浮上し、その後、首位のフェラーリ51号車がピットインしたことで首位に立った。

3時間半が経過したところで再びバーチャル・セーフティカーが出されると、7号車トヨタは小林へドライバーチェンジ。その直後、雨が降り始めて路面コンディションが一気にウェットへと変化したが、迷わず再びウェットタイヤへと交換。この素早い判断が功を奏し、2位以下との差を広げることに成功した。

レースが残り1時間となったところで、7号車トヨタはまたも上位陣ではいち早く最後のピットストップを行い、スリックタイヤへと交換。その少し後にライバル勢も続いたが、トップのまま終盤を迎えることになった。

8号車も貴重なポイントを獲得。まだまだ激戦は続く
しかし、7号車トヨタは最後のピットインがライバル勢よりもやや早めのタイミングだったため燃費とタイヤに厳しく、最終盤に2番手のポルシェ6号車から猛烈な追い上げを受けたが、なんとかこれをしのぎ切り、トップでチェッカーでチェッカーを受けた。2位のポルシェ6号車との差はわずか7.081秒だった。

レース後、小林可夢偉は「とてもタフなレースで、本当に驚くべき勝利でした。我々のGR010 ハイブリッドはこの週末最速ではありませんでしたが、チームが素晴らしい仕事をしてくれました。ウェットタイヤへ交換した判断は的確で、後続との差を広げることができ、その後もウェットタイヤで良いペースを維持できたのが大きかった。最後のスティントは本当に大変でした。最高の仕事をしてくれた皆に感謝しています」と語っている。

なお、もう1台の8号車トヨタは、8番手スタートから粘り強く走行を重ね、5位でフィニッシュし貴重なポイント獲得を果たした。

トヨタは今季初となった勝利と5位入賞により、WECのマニュファクチャラーズ選手権ではポルシェとの差を9ポイントに縮め、7号車はドライバーズ選手権でトップと16ポイント差の2位に浮上した。

次戦WEC第3戦は、5月9日(木)~5月11日(土)、ベルギーのスパ・フランコルシャン6時間となる。

2024年WEC世界耐久選手権第2戦イモラ6時間 リザルト
2024年WEC世界耐久選手権第2戦イモラ6時間 決勝
1位 7 トヨタGR010ハイブリッド(コンウェイ/小林可夢偉/ロペス)) 205周
2位 6 ポルシェ 963・ペンスキー(エストレ/ロッテラー/バンスール)+7.081s
3位 5 ポルシェ 963・ペンスキー(キャンベル/クリステンセン/マコヴィッキィ) +25.626s
4位 50 フェラーリ 499P・AFコルセ(フオコ/モリーナ/ニールセン) +31.469s
5位 8 トヨタGR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮)+33.777s

2024年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第2戦終了時)
1位 エストレ/ロッテラー/バンスール(ポルシェ) 562位 コンウェイ/小林可夢偉/ロペス(トヨタ)403位 キャンベル/クリステンセン/マコヴィッキィ(ポルシェ) 394位 スティーブンス/アイロット/ナトス(ポルシェ)275位 フオコ/モリーナ/ニールセン(フェラーリ)25***7位 ブエミ/ハートレー/平川亮(トヨタ)16

2024年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第2戦終了時)
1位 ポルシェ 57
2位 トヨタ 48
3位 フェラーリ 31
4位 BMW 17
5位 アルピーヌ 15

[ アルバム : 2024年WEC世界耐久選手権第2戦イモラ6時間 はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

2度の“もらい事故”でBMW両車リタイア。母国レースでの悲劇に「飲み込み難い」とWRTのボッセ代表
2度の“もらい事故”でBMW両車リタイア。母国レースでの悲劇に「飲み込み難い」とWRTのボッセ代表
AUTOSPORT web
BMW、WECハイパーカークラスでは“進歩”もまだ「ミスとペナルティが多すぎる」ル・マン前哨戦スパでは初のトップ10落ち
BMW、WECハイパーカークラスでは“進歩”もまだ「ミスとペナルティが多すぎる」ル・マン前哨戦スパでは初のトップ10落ち
motorsport.com 日本版
プジョー、WECスパでの9X8のペースに落胆も、次戦のル・マン24時間では異なる結果に期待
プジョー、WECスパでの9X8のペースに落胆も、次戦のル・マン24時間では異なる結果に期待
AUTOSPORT web
F1第7戦、フェルスタッペンがノリスをなんとか抑えて今季5勝目【エミリア ロマーニャGP】
F1第7戦、フェルスタッペンがノリスをなんとか抑えて今季5勝目【エミリア ロマーニャGP】
Webモーターマガジン
2024年F1第7戦は5月17日開幕、欧州ラウンドの幕開けを告げるグランプリが始まる【エミリア ロマーニャGP プレビュー】
2024年F1第7戦は5月17日開幕、欧州ラウンドの幕開けを告げるグランプリが始まる【エミリア ロマーニャGP プレビュー】
Webモーターマガジン
962C以来35年ぶり/バック駐車はダメ/最多観客数を更新etc.【WECスパ決勝後Topics】
962C以来35年ぶり/バック駐車はダメ/最多観客数を更新etc.【WECスパ決勝後Topics】
AUTOSPORT web
ロータス72でモナコ・ヒストリックGPに参戦した久保田克昭が2度目の栄冠。ニューウェイが同グループ4位
ロータス72でモナコ・ヒストリックGPに参戦した久保田克昭が2度目の栄冠。ニューウェイが同グループ4位
AUTOSPORT web
レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2
レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2
AUTOSPORT web
【2024 スーパーフォーミュラ第2戦】牧野任祐がスーパーフォーミュラ初優勝!
【2024 スーパーフォーミュラ第2戦】牧野任祐がスーパーフォーミュラ初優勝!
Webモーターマガジン
急きょ出場のデビュー戦でファステストラップの爪痕「シングルシーターでも速いことを示せた」バーニコート/SF第2戦
急きょ出場のデビュー戦でファステストラップの爪痕「シングルシーターでも速いことを示せた」バーニコート/SF第2戦
AUTOSPORT web
アコスタ「奇妙な動きをしていたライダーがいた」上位争い中に行き場を喪失、初の転倒リタイアに/第5戦フランスGP
アコスタ「奇妙な動きをしていたライダーがいた」上位争い中に行き場を喪失、初の転倒リタイアに/第5戦フランスGP
AUTOSPORT web
マクラーレン、ノリスのF1マイアミGP優勝が僚友ピアストリにも追い風に「最新仕様でないことを考えると……」
マクラーレン、ノリスのF1マイアミGP優勝が僚友ピアストリにも追い風に「最新仕様でないことを考えると……」
motorsport.com 日本版
角田を攻略できたかも? ハースF1小松礼雄代表イモラ決勝を悔やむ「別のタイミングでピットストップすれば入賞を狙えた」
角田を攻略できたかも? ハースF1小松礼雄代表イモラ決勝を悔やむ「別のタイミングでピットストップすれば入賞を狙えた」
motorsport.com 日本版
山本尚貴vs岩佐歩夢、白熱したバトルの裏にあった“それぞれの誤算”/SF第2戦オートポリス
山本尚貴vs岩佐歩夢、白熱したバトルの裏にあった“それぞれの誤算”/SF第2戦オートポリス
AUTOSPORT web
予選大失敗のアロンソ、エミリア・ロマーニャGP決勝に向けセットアップ変更。ピットレーンスタートを選択「その方が、いくつかメリットがある」
予選大失敗のアロンソ、エミリア・ロマーニャGP決勝に向けセットアップ変更。ピットレーンスタートを選択「その方が、いくつかメリットがある」
motorsport.com 日本版
牧野任祐が泣いた! 吠えた! シリーズ初優勝で6年目の悲願成就。PP岩佐歩夢はスタートでポジション落とし2位|スーパーフォーミュラ第2戦
牧野任祐が泣いた! 吠えた! シリーズ初優勝で6年目の悲願成就。PP岩佐歩夢はスタートでポジション落とし2位|スーパーフォーミュラ第2戦
motorsport.com 日本版
待望のSF初優勝に大号泣。参戦6年目、牧野任祐がついに表彰台の頂点に【第2戦決勝レポート】
待望のSF初優勝に大号泣。参戦6年目、牧野任祐がついに表彰台の頂点に【第2戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
ストロール、優れたタイヤ管理と戦略で入賞「ニコや裕毅をパスできて楽しかった」アストンマーティン/F1第7戦
ストロール、優れたタイヤ管理と戦略で入賞「ニコや裕毅をパスできて楽しかった」アストンマーティン/F1第7戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

3件
  • kvg********
    >Kobayashi, however, managed to repel several changes,(WEC HPから)
    manage to には、「首尾よくやり遂げる」と言う意味もあるが、このレースは内容的に別のぎ表現の「…をなんとかなし遂げる」に近いようだ。各チームの決断のタイミングが問われたレースだったみたいだな。
  • ツアラー
    あれだけのハンデもらって優勝できないダサいメーカーポルシェとフェラーリ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村