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ポルシェ、ル・マンのトップカテゴリーに復帰! LMDh規定プロトタイプ開発を決定

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ポルシェ、ル・マンのトップカテゴリーに復帰! LMDh規定プロトタイプ開発を決定

最高出力500kWを発揮するハイブリッドレーシングカー

ポルシェAGの取締役会は、長い評価期間を経て「LMDh規定プロトタイプレーシングカー」の開発を承認。ポルシェモータースポーツに対して、新たなレギュレーションに基づいたレーシングカーの開発を命じた。

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ポルシェは、北米のスポーツカーシリーズのMSAウェザーテックスポーツカー選手権と、FIA世界耐久選手権(WEC)のトップカテゴリーに、2023年からLMDh規定車両を導入。LMDh規定はIMSAが2020年に発表した新規定であり、LMP2シャシーをベースにハイブリッドパワートレインを搭載、WECとIMSAの両シリーズを戦うことができる。

ポルシェは、ACO/WECとIMSAが新しいハイブリッド・プロトタイプカークラスの導入を発表した時点から参戦を表明。LMDh規定車両は重量約1000kgで、最高出力500kW(680hp)のハイブリッドシステムが搭載される。

また、WECにはトヨタやプジョーが参戦を予定している「LMH規定車両」が2020-2021年シーズンから導入される。つまり、トップカテゴリーにLMH規定とLMDh規定という、ふたつの規定が並ぶことになる。

ポルシェAG取締役会のオリバー・ブルーメ会長は、新型レーシングカーの開発について次のようにコメントした。

「LMDhカテゴリーはル・マンやデイトナ、セブリングにおいて膨大なコストを掛けることなくハイブリッドシステムで総合優勝を争うことができる、ポルシェにとって魅力的なプロジェクトです。耐久レースは我々のブランドにとってDNAの一部です」

ひとつの車両でふたつのカテゴリーに参戦可能

同じ車両を用いて、世界中で争われる耐久レースのトップカテゴリーへ参戦が可能となるのは、この20年間で初となる。新しいLMDh規定車両は、アップグレードしたLMP2クラスシャシーを採用。コントロールユニットを含むハイブリッドシステムのスペックをレギュレーションで統一するなど、コストの効率化に焦点を当てている。

シャシーは4つのマニュファクチャラーによって供給され、エンジンコンセプトとボディデザインはレギュレーション内であれば参戦するメーカーが自由に選択することができる。

ポルシェAG研究開発部門の役員であるミヒャエル・シュタイナーは、新規定について次のように説明した。

「中期的にポルシェはフル電動システム、効率に優れたプラグインハイブリッド、そしてエモーショナルな内燃エンジンと3つのドライブトレイン戦略に取り組んでいます。これは市販車とモータースポーツにおいても同様です」

「フル電動コンセプトは環境に対する我々のコミットメントの一環として、FIAフォーミュラEに参戦。効率的かつエモーショナルな内燃エンジンで、GTカテゴリーを戦っています。ここにLMDhクラスが加わることで、ふたつのカテゴリーのギャップを埋めることができます。ポルシェが多くの市販車に採用しているパワフルなハイブリッドドライブによる戦いが繰り広げられるのです。合成燃料の使用が可能なレギュレーションは、サステナビリティの観点からも魅力的です」

ハイブリッドレーシングカーでの経験豊富なポルシェ

ポルシェのモータースポーツ部門の責任者を務めるフリッツ・エンツィンガーは、耐久レースへのワークス参戦決定に喜びを隠さない。

「我々が提示したモータースポーツ戦略に絶大なる信頼を示してくれた経営陣に感謝します。ル・マン24時間レースでの総合優勝19回という記録に加え、ポルシェはアメリカの大きなレースでも何度も表彰台に上がっています。こういった伝統をLMDh車両でもコスト管理をしながら続けていきたいと思います」

「他にも多くのマニュファクチャラ―がこのカテゴリーに興味を示しています。1980年代や1990年代と同様に、多くのライバルと激しい戦いを繰り広げることが、モータースポーツへの大きな後押しになることでしょう」

これまでポルシェモータースポーツは高性能ハイブリッドパワートレインで多くの成功を収めてきた。2010年と2011年には革新的な「911GT3 Rハイブリッド」が、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにおいて新たなベンチマークを記録。この当時、ハイブリッドドライブを搭載したライバルは不在だった。

さらに、2014年から2017年には最高の効率と性能を兼ね備えたハイブリッドシステムを搭載する「919ハイブリッド」を投入。WECのLMP1クラスではル・マン24時間レースで3連勝を達成、マニュファクチャラーズ選手権とドライバーズ選手権において、3年連続で王座に輝いている。

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