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驟雨の幕開け。勝田含む3台が“戦線離脱”のサバイバルラリーをロバンペラがリード/WRCフィンランド

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驟雨の幕開け。勝田含む3台が“戦線離脱”のサバイバルラリーをロバンペラがリード/WRCフィンランド

 8月2日(金)、WRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』のデイ2が行われ、SS10終了時点でTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS5でのクラッシュによるデイリタイアで大会2日目を終えた。

 第9戦『ラリー・フィンランド』は、シーズンハイライトに上げる選手もいるほどの人気を誇る北欧最大のラリーイベント。迎えた2024年大会は、前日の1日(木)のスーパーSSでいよいよ開幕し、翌日のデイ2から本格的な走行がスタートした。

【追記アリ】ラリー・フィンランドのSS3でタナクがクラッシュ。コドライバーのヤルヴェオヤが病院に一時搬送/WRC

 SS2からSS10までの全9本を走るデイ2は、全ステージの総走行距離は116.33km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は554.91kmだ。

■雨の幕開け。SS3はクラッシュで中断

 この日は午前中から雨に見舞われ、コースのいたるところに水たまりが散見されるコンディションのなか、現地時間8時13分よりSS2『ラウカー』が開始となった。

 グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)やサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がコースアウトを喫するなど、滑りやすく難しい状況と見られるなか、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)勢がここで速さを披露。

 トップタイムはエルフィン・エバンス、さらにセバスチャン・オジエ、ロバンペラ、勝田(ともにトヨタGRヤリス・ラリー1)が続き、上位を独占。オジエは総合首位に浮上し、ロバンペラ、エバンス、勝田の順でTGR-WRT勢がラリー前半戦のリードを握る。

 雨脚残るSS3『サーリカス』(15.93km)では、最初にコースインしたティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が終盤でオーバーランするシーンがあり、まだまだ難度の高い状況が続く。

 その直後には、2番目出走のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)がコーナーで姿勢を乱してコースオフ。立ち木にクラッシュしてしまい、ステージは赤旗中断となった。

 ヒョンデ・モータースポーツの公式Xにて、タナクの無事がアナウンスされたが、コドライバーのマルティン・ヤルヴェオヤはさらなる検査のために病院に搬送されたことが声明されている。(※その後チームは、両名は無事なもののヤルヴェオヤの経過観察が必要なため、8号車はリタイアとなったと公式リリースで発表した)

 中断から20分弱が経過したころに走行は再開。ここではロバンペラがトップタイムを刻み、総合順位でも首位に浮上。

 全長15.51kmのSS4『ミヒンパー』では、雨が降っては止むような曖昧な空模様となり、エバンスがトップタイムをマーク。総合首位でもロバンペラを上回って首位へ立った。

 午前最後のSS5『ルイヒマキ』は、シェイクダウンでも使用された7.76kmのステージだ。ここでは、“第2のホームラリー”で健闘を見せていた勝田が痛恨のコースオフを喫してしまった。

 ステージ序盤の中低速コーナーでリヤのグリップを失った勝田車は、アウト側の立ち木にヒットしハーフスピン。サスペンションアームにダメージを負いながらも完走し、「リヤがスナップしてしまいました。(午後までに戻れるよう)トライしてみます」と言葉少なにステージを後にした。

 その後、勝田とコドライバーのアーロン・ジョンストンはマシン修復を試みたが、サービスパークへ自走で戻ることは叶わず、デイリタイアとなってしまった。

 SS5でトップタイムを刻んだロバンペラは、ふたたび総合首位に浮上して午前を終えた。


■午後も続く荒れ模様。地元ラッピが森の餌食に

 各車、ミッドデイサービスを経て迎えた午後のループステージ。気温は20度前後まで上がったものの、天候は雨と晴れ間が気まぐれに入れ替わる状況だ。

 この日最長の『ラウカー』を再走するSS6では、陽が射して少し乾いたエリアや、深い轍が形成されたコーナーもあるなかで各車アタックへ向かう。

 好調を維持するロバンペラや、午後のクラッシュから持ち直したパヤリといった地元勢がワン・ツーにつけるなか、もうひとりの地元出身エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)が、立ち木に囲まれた林道エリアで轍に足を取られてクラッシュを喫した。ラッピの乗るヒョンデi20 Nラリー1は大きなダメージを負い、12.9km地点に停車してデイリタイアとなってしまった。


 続くSS7は、タナク車が離脱を喫した『サーリカス』の再走となる。アタック後の各ドライバーのインタビューによると、コンディションはかなり滑りやすくリスキーな状況の様子。各車はペースコントロールに徹しながらのアタックをこなし、ロバンペラ、エバンス、ヌービルというトップ3となった。

 SS8『ミヒンパー』の2度目のランでも、水たまりの目立つ荒れたコンディションは変わらず。ここでは、僚友2台が戦線を離れたことで孤軍奮闘となっているヌービルが、今大会2度目のステージウインをあげる。

 徐々に青空が広がってきたSS9『ルイヒマキ2』では、コンディションが改善し午前よりもペースが向上した。各車は、集まった観客の前でアタックを締めるジャンプを披露し、最終的にパヤリがラリー1初のステージウインを飾るトップタイムを刻んだ。

 この日最後のSS10『ハルユ』は、ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)を交互に走るステージで、デイ1でも走ったステージ。距離は短縮の2.01kmだ。トップタイムとなったのはオジエとなり、総合順位では、ロバンペラ、エバンス、オジエのTGR-WRT勢がトップ3を確保。出走順の入れ替わるデイ3でも有利となる体制を築いた。

 WRC2クラスは、オリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が速さを発揮し、荒れたデイ2で24.1秒のリードを築いている。2番手には、TGR-WRTのチーム代表でもあるヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタGRヤリス・ラリー2)がつけ、3番手には7.2秒差でロベルト・ヴィルヴェス(シュコダ・ファビアRSラリー2)が続いている。

 折り返しを迎え、土曜日時点での暫定ポイントが決まるデイ3は、復活の『オウニンポウヤ』を含むSS11からSS16までの全6本が予定されている。全ステージの総走行距離は144.22km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は580.14kmだ。

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