8月4日、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、第5戦鈴鹿から公式予選の方式を変更すると発表した。今シーズンはQ1、Q2のタイム合算方式、さらにタイヤ1セットでのアタックなどさまざまな変更が行われていたが、第5戦はこれまで分かりづらかった部分が変更された。今回の変更について、GTアソシエイションの坂東正明代表と沢目拓レース事業部長が、メディアに向けて説明を行った。
第5戦からは、GT300クラスの公式予選の手順などが変更されたほか、Q1、Q2でのタイヤ使用方法の変更、GT500クラスでの未勝利タイヤメーカー供給先の2セット追加など、予選とタイヤについてはさまざまな変更が行われた。
スーパーGT第5戦鈴鹿から公式予選形式、タイヤセットについて変更。よりシンプルなスタイルに
詳細は別項に譲るが、この変更について坂東代表、沢目レース事業部長から説明が行われた。「開幕戦から3戦、合算方式で予選を行ってきましたが、さまざまなファンの皆さんからの声、エントラントの声が寄せられました。また予選の結果を総合的に判断して今回の変更に至っています」と沢目レース事業部長は説明した。
「我々として、変更のポイントはふたつあります。まずはルールとしての不公平さがあったのではないかという部分、それから分かりにくさの解消という部分のふたつです」
不公平さで挙げられるのは、GT300クラスのQ1のA組、B組の組分け。後から走る組の方がタイムが上がるなどコンディションによる変化については多くの声がこれまでも上がっていたが、この不公平さの解消に向け、GT300クラスはQ1が20分間の1回となった。なお27台が走ることでコースによってはトラフィックの心配があるが、これについては開催コースで何かしらの変更が加えられることはないという。
また、分かりづらさの面では、GT300クラスのQ2アッパーグループ、ロワーグループでの順位入れ替えがあった。ロワーグループとなったチームにとってはグリッドを上げるチャンスがあるものだったが、これも分かりにくいという指摘が多かったことから廃止になった。
こちらも多くの声が上がっていたタイヤセット数については、「戦略が採れるルールにしています」と変更され、Q1、Q2でそれぞれニュータイヤを投入することが可能になったほか、今までどおり1セットで予選すべてを戦ったり、フロント、リヤで2本ずつ変更したりと、さまざまなパターンを採ることが可能になった。
一方、多くの声が上がっているタイム合算方式については、今回は変更が加えられなかった。この理由について、沢目レース事業部長は「正直なところ、それに関する議論はかなりありました。レース部会でもありましたし、(GTアソシエイション内の)取締役会でもかなり議論させていただきました」と語った。
ただ「モータースポーツのなかでも、特にスーパーGTはプロスポーツなので、シーズンの途中で真逆のルールを入れて変更してしまうことは、スポーツの精神として曲げないべきだろうと考えました。そこで、合算自体は維持させていただきたいと決定します」とその理由を沢目レース事業部長は説明した。
「ルールの不公平さや分かりにくさなど、ルールとして直せるべきところは手を入れていこうと、今回の後半戦から変更することになりました」
これらの変更については、エントラントやメーカーなども参加するレース部会で決められた内容であり、2025年に向けては「またレース部会を通じて決めたい」という。
坂東代表は、これらの変更について「先に進める状況のなか、観て分かりやすいように今回の改正に至りました。環境を壊すことがないようにルールを作っていかなければならず、今後もそういったことを念頭に置きながらルール作り、理解度を求めていきたいと思います。ぜひご理解をいただきたいと思います」と語った。
坂東代表、沢目レース事業部長が語るとおり、今季の予選方式変更は、環境対応ロードマップ『スーパーGTグリーンプロジェクト2030』に基づくもの。今回は、そのなかで出てきた問題点を解消するものだ。一方で、合算方式まで変更してしまうと大きな変化となりすぎてしまう。これについては2025年に向けたさらなる検討を待つべきだろう。開幕前から柔軟な対応が検討されていた予選スタイルだが、3戦での変更発表はこの柔軟さが生んだものと言える。
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みんなのコメント
自分もそうですが、混雑を嫌ってサーキットに行かなくなった人が多くなっていると思います。