デジタルネイティブな「Z世代」を魅了するテスラの新価値ってなんでしょうか?
私、YouTubeでさまざまな動画を観るのが趣味のひとつです。その中でも最近、気になるのが、いわゆるZ世代といわれる若い人がアップしているクルマの動画です。Z世代とは1990年代後半(1997~98年以降)から2010年代に生まれ、人生が始まったときからデジタル機器に囲まれ、インターネットも普及している、いわゆるデジタルネイティブ世代です。まさに私の世代(1960~70年代生まれ)の子どもたちで、現在20代中盤から10代になります。
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YouTubeで目立つのは、クルマ好き、というよりBEV(電気自動車)好き、もっといえば「テスラ好き」の動画です。Z世代には、圧倒的にテスラが人気なのです。
彼らの多くはテスラをガジェットのひとつと捉え、遠隔でアップデートが可能な点や、これまでのクルマにはない機能に魅力を感じているようです。テスラが初めての愛車、という人も多く、他のクルマに乗る選択は現状考えられない、という指向が特徴に挙げられます。
テスラに乗る前に触れた親のクルマがハイブリッドであったり、カーシェアで選ぶのもハイブリッドで、できるだけエンジンを掛けないで燃費を伸ばすという「遊び」をすでにしていた、という人も。いうなれば、「モーターネイティブ」が多いのも特徴のひとつです。
ある人は「加速がもっさりしているので、エンジン車には戻れない」、といいます(笑)。確かにテスラ車の0→100km/hの加速は最も遅いクルマでも6秒台、いちばん速いモデルは2秒台と、エンジン車でいえば完全にスポーツカーか、スーパーカー以上です。
価格は540万円から、と高価ではありますが、日本導入直後のモデルSが1000万円以上(現在は1500万円)、だった時代を考えると、Z世代の人でも手が届くようになったということでしょう。現状、税金の優遇や65万円の補助金もありますので実質、もっと安く購入できます。さらに、YouTuberさんもいっていましたが、私も調べたところ、各社の低金利ローン(例1.7%)が組めるので、思ったより負担が少ない、とのことです。
テスラを所有しているYouTuberさんの動画を拝見すると、世間でいうハイスペック感が漂っているのですが、その生き方にもZ世代を感じます。共通しているのは、多くの人が副業、というより複数の仕事をしており、YouTubeでの収入も含めて、Z世代平均より経済的に恵まれている様子がうかがえます。性格は総じて穏やか。テスラ・オーナー同士の交流も盛んです。
そして意外、というかうれしいのが、若い世代に「クルマを所有する楽しさ」を伝えたい、という意志が感じられることです。正確にいうと「テスラを所有する楽しさ」なのかもしれませんが(笑)。
彼らは共通して、「テスラを所有する前は、カーシェアで十分だと思っていたが、やはり、好きなときに好きな人と好きな場所に行けることは何にも代えがたい喜び」と頻繁にアピールしており、これこそクルマの魅力の大きな部分を占めています。Z世代の、しかも都市部に住む若い人が、同世代の人たちに魅力を伝えてくれている現状を、X世代の私は有り難い?と感じてしまいます。
運転支援も自然に受け入れており、運転に疲れたときには運転支援をスマートに活用。運転したいときは圧倒的な加速を自分の運転で楽しむという、われわれの世代とは違う新しいクルマとのつきあい方を楽しんでいます。
一方で、クルマを止めた後に自分のクルマを見て「いやー、俺のテスラ、カッコイイな~」と何度も見てしまう、というわれわれと同じ感覚も持ち合わせています。クルマが特別な存在であることは、Z世代の若者にとっても同じなのかもしれませんね。
購入方法は、メーカーサイトを見てクリック。その後のアップデートも自分で行い、セールス担当者がいないので、「たまにメールでテスラのスタッフと、やりとりをするだけ」という新しいスタイルです。若い人にとっては、そのほうが楽でしょうし、それは私も理解できます。さて新種のクルマ好き、というコラムを書いていたら中国で無人タクシーの営業が始まっているというニュースを見ました。さらに違う趣向のクルマ好き?が現れるかもしれませんね。
【プロフィール】あんどうひろき/フリーアナウンサー。1967年、神奈川県生まれ、元TBSアナウンサー、現在は独立し、TBSラジオ「UP GARAGE presents GARAGE HERO’s~愛車のこだわり」。TOKYO MX「バラいろダンディ」、MBS「朝日奈央のキラめきスポーツ~キラスポ~」、テレビ東京「ミライの歩き方」、bay fm78「MOTIVE!!」など多くのテレビ、ラジオ番組で活躍。趣味・特技はモータースポーツ、クルマ全般、弓道、スキー。日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員
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全て遠隔でスマホで動かせる時代なのに