同じクルマに違うエンジンが2種類以上あると、購入する時迷いますよね。試乗しにディーラーに行ってもすべてのエンジンが用意されているわけではないので、なおさらです。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジン、または排気量が違うガソリンエンジンとハイブリッドなど2種類以上エンジンを積んでいるクルマがあります。なかには同じ車種なのに5種類のパワートレイン(駆動方式含む)が選べるクルマもあるんです。
カタログ値は非力だけど走ると超楽しい【羊の皮を被った狼車】7選
そこで、今回はパワートレインが2種類以上あるコンパクトカーをピックアップして、どれがベストエンジンなのか、モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が指南します!
文/渡辺陽一郎
写真/ベストカー編集部
本題に入る前に、エンジンを選ぶ条件は3つあることを説明しておきたい。最も大切なのは、動力性能と燃費のバランスだ。車両重量に対して過不足のない性能を備え、なおかつ燃費効率の優れたエンジンを選びたい。
2つ目の条件は価格だ。動力性能や燃費に対して、割安なエンジンが好ましい。仮にエンジンの価格が高くても、エコカー減税額が大きければ、価格の負担を実質的に抑えられる。
3つ目は車両とエンジンの相性だ。例えばスポーツカーに搭載する場合、動力性能と燃費のバランスが優れ、価格が割安でも、運転感覚が退屈では物足りない。
スポーツカーには、少々燃費が悪かったり価格が割高でも、文字通りスポーティなエンジンが要求される。以上のような観点から、車種ごとにベストなエンジンを探したい。
■マツダデミオは1.3Lガソリンと、1.5Lディーゼル
●エンジンの種類とグレード
■1.5L、直4ガソリン:110ps/14.4kgm。JC08モード燃費:19.0km/L(6AT)、19.8km/L(6MT)
■搭載グレード:15C/139万3200円、15S/149万4000円、15Sツーリング/173万3400円、15SツーリングLパッケージ/181万4400円
■1.5L、直4ディーゼル:105ps/25.5kgm(6AT)、22.4kgm(6MT)。JC08モード燃費:26.4km/L(6AT)、30.0km/L(6MT)
■搭載グレード:XD/181万4400円、XDツーリング/201万4200円、XDツーリングLパッケージ/207万3600円
※6MT、6ATと価格は同じ。FFの価格を掲載
マツダデミオは直列4気筒1.5Lのガソリンとクリーンディーゼルターボを用意する。ディーゼルはガソリンエンジンに当てはめると2.5L並みのトルク(駆動力)を発揮して、燃料代は軽油価格も考えるとハイブリッド並みに安い。
そしてディーゼルのXDツーリング(201万4200円)の価格は、ガソリンの15Sツーリング(173万3400円)に比べて28万800円高いが、エコカー減税ではディーゼルが免税になる。税額の違いを差し引くと、実質価格差は約20万円だ。
そこでレギュラーガソリンの価格を1L当たり150円、軽油を130円、実用燃費がJC08モードの85%(ガソリンのWLTCモード燃費は補正なし)で計算すると、1km当たりの燃料代はガソリンが7.9円、ディーゼルは5.8円だ。ディーゼルは1km当たり2.1円安く、20万円の実質差額を9~10万km走れば取り戻せる。
この距離は少し長く思えるが、前述のようにディーゼルは動力性能も優れているから、割安感だけでは判断できない。
またデミオはスポーティな性格のコンパクトカーだから、動力性能の高いディーゼルとは相性が良い。従って最も推奨度の高いグレードは、ディーゼルのXDツーリングになる。
■ベストグレード/1.5L、直4ディーゼルのXDツーリング、201万4200円(6MT、6AT共通)
■スイフトは1Lターボ、1.2LNA、1.2LマイルドHV、1.2LフルHVの4種類!
●エンジンの種類とグレード
■1.2L、直4NA:91ps/12.0kgm、JC08モード燃費:CVT=24.0km/L、5MT=23.4km/L(XG)
■搭載グレード:RS/169万2000円(FF、CVT)、XL/155万9520円(FF、CVT)、XG/134万3520円(CVT)
■1L、直3ターボ:102ps/15.3kgm、JC08モード燃費:6AT=20.0km/L
■グレード:RSt/168万5880円(FF、5MT)、169万200円(FF、CVT)
■1.2L、直4+マイルドハイブリッド:91ps/12.0kgm+モーター3.1ps/5.1kgm、JC08モード燃費:27.4km/L(FF、ハイブリッドRS)
■グレード:ハイブリッドRS/169万1280円(FF、CVT)、ハイブリッドML/162万5400円(FF、CVT)
■1.2L、直4+ハイブリッド:91ps/12.0kgm+モーター13.6ps/3.1kgm、JC08モード燃費:32.0km/L(ハイブリッドSG)
■搭載グレード:ハイブリッドSL/194万9400円(FF、5AGS)、ハイブリッドSG/166万8600円(FF、5AGS)
※価格はFF
スズキスイフトは、エンジンの種類が豊富だ。直列4気筒の1.2Lには、ノーマルタイプ、マイルドハイブリッド、フルハイブリッドがあり、直列3気筒1Lのターボも選べる。これにスイフトスポーツの1.4Lターボが加わる。
これらのエンジン性能を比べると、1.2Lはすべて共通化され、最高出力は91ps、最大トルクは12.0kgmだ。1Lターボは102ps/15.3kgmに高まるが、アイドリングストップも装着されず、JC08モード燃費は20.0km/Lにとどまる。スイフトスポーツを別の車種として考えると、1.2Lエンジンから選ぶことになる。
まずエアロパーツなどを割安に装着したRS同士で、ノーマルエンジンとマイルドハイブリッドを比べると、後者は前者に比べて約10万円高い。この金額であれば、マイルドハイブリッドの燃費節約により、約10万円の価格差を9万kmで取り戻すことができる。従ってマイルドハイブリッドが買い得だ。
いっぽう、フルハイブリッドは割高になる。装備の違いを補正すると、価格はエコカー減税を考慮しても、マイルドハイブリッドに比べて20万円以上高い。この金額を燃料代の節約で取り戻すには、20万km以上の走行を要する。
ATの違いにも注意したい。フルハイブリッドのATは、1組のクラッチを使う5速AGSで、シングルクラッチ方式としては制御を綿密に行う。それでもマイルドハイブリッドのCVT(無段変速AT)に比べると、滑らかさに欠けてしまう。
そうなると最も買い得なエンジンはマイルドハイブリッドで、グレードは前述のスポーティなRSがベストだ。
■ベストグレード/1.2LマイルドハイブリッドのRS、169万1280円(FF、CVT)
■日産ノートは5種類のパワートレインを用意!
●エンジンの種類とグレード
■1.2L、直3NA:79ps/10.5kgm。JC08モード燃費:23.4km/L(S)
■搭載グレード:S/142万1280円、X/152万3880円
■1.2L、直3スーパーチャージャー:98ps/14.5kgm。JC08モード燃費:26.2km/L(X DIG-S)
■搭載グレード:X DIG-S/176万6880円、メダリスト/209万1960円
■1.2L、直3+e-POWER:エンジン79ps/10.5kgm+フロントモーター109ps/25.9kgm。JC08モード燃費:37.2km/L(e-POWER S)
■搭載グレード:e-POWER S/190万1880円、e-POWER X/202万1760円、e-POWERメダリスト/235万3320円
■1.2L、直3+e-POWER+リアモーターアシスト(4WD):エンジン79ps/10.5kgm+フロントモーター109ps/25.9kgm+リアモーター4.8ps/1.5kgm。JC08モード燃費:28.8km/L(e-POWER X-FOUR)
■搭載グレード:e-POWER X-FOUR/223万7760円、e-POWERメダリストFOUR/256万9320円
■1.2L、直3+リアモーターアシスト(4WD):79ps/10.8kgm。JC08モード燃費:18.2km/L(X-FOUR)
■搭載グレード:X-FOUR/173万9880円、メダリストX-FOUR/195万480円
※価格はX-FOURグレード以外はFF
日産ノートは1.2Lの直列3気筒エンジンを搭載する。ノーマルタイプ、スーパーチャージャー、ハイブリッドのe-POWER、これにリアモーターでアシストする4WDのe-POWER X-FOUR、1.2L、直3NAエンジンにリアモーターアシストを加えた4WDのX-FOURの5種類と豊富。
このうち、スーパーチャージャーは魅力が乏しい。動力性能と燃費がいまひとつ不満で、ノイズも耳障りだ。従ってノーマルエンジンとe-POWERの選択になる。
X同士で価格を比べると、e-POWERはノーマルエンジンに比べて49万7880円高いが、エアコンのオート機能などが備わる。この違いにより、実質差額は45万円少々に縮まる。さらにエコカー減税でも約5万円の差が付くから、最終的な負担額の差は約40万円だ。
そこでデミオと同様に損得勘定を計算すると、1km当たりの燃料代はe-POWERが5.2円、ノーマルエンジンは7.5円になる。e-POWERでは1km当たり2.3円を節約できるが、40万円の価格差を取り戻すには、約17万kmの走行を要する。
それでも推奨グレードは、e-POWER Xになる。理由は運転感覚だ。エンジンは発電機の作動に使われ、駆動はモーターが行うから、ノーマルエンジンに比べると加速が滑らかに感じる。動力性能も上まわる。
e-POWERはアクセル操作に対する反応も機敏だ。エコ/Sモードを選ぶと、アクセルペダルを戻すと同時に駆動用モーターが回生充電を開始するから、効率の良い運転が行える。アクセル操作だけで速度を自由に調節できるため、運転の楽しさも味わえる。低燃費だけでなく、さまざまな付加価値が得られることもe-POWERの魅力だ。
■ベストグレード:ノートe-POWER X、202万1760円(FF、CVT)
■ホンダフィットは1.3L、1.5Lと1.5LHVの3種類
●エンジンの種類とグレード
■1.3L、直4NA:100ps/12.1kgm。JC08モード燃費:24.6km/L(CVT)、21.8km/L(5MT)
■搭載グレード:13G/142万8840円、13G・Lホンダセンシング/165万3480円、13G・Sホンダセンシング/179万640円
■1.5L、直4NA:132ps/15.8kgm。JC08モード燃費:21.0km/L(RS、CVT)、19.2km/L(RS、6MT)
■搭載グレード:15XLホンダセンシング/185万3280円、RSホンダセンシング/205万920円
■1.5L、直4+モーター:エンジン110ps/13.7kgm+モーター29.5kgm/16.3kgm。JC08モード燃費:37.2km/L(ハイブリッド)
■搭載グレード:ハイブリッド/169万9920円、ハイブリッドF/181万5480円、ハイブリッドLホンダセンシング/207万9000円、ハイブリッドSホンダセンシング/220万5360円
※価格はFF
ホンダフィットは、直列4気筒1.3Lと1.5Lのノーマルエンジン、1.5Lのハイブリッドを用意する。これらのなかで、最も買い得なのが1.3Lのノーマルエンジンを搭載する13G・Lホンダセンシングだ。
一番の理由は価格にある。13G・Lホンダセンシングは、緊急自動ブレーキを作動させる高機能なホンダセンシング、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドライトなどの実用装備を充実させて、価格を165万3480円に抑えた。
コンパクトカーで160万円を超えると割高に思えるが、今は安全装備が充実するから、フィット13G・Lホンダセンシングでも買い得な部類に入る。1.5Lエンジン搭載車になると、快適装備も充実する代わりに、価格が180万円を超えてしまう。1.5Lはコンパクトカーとしては選びにくい。
またハイブリッドLホンダセンシングの価格は207万9000円だ。13G・Lホンダセンシングとの価格差を燃料代の節約で取り戻すには、10万km以上の走行を要する。
これらの機能を考えると、フィットに最も相応しいエンジンは1.3Lだ。割安な価格に加えて、車両重量が約1トンと軽いために、運転感覚も適度に軽快でバランスが良い。JC08モード燃費は24.6km/Lだから、ハイブリッドでなくても燃費性能が優れている。
■ベストグレード:フィット13G・Lホンダセンシング、165万3480円(FF、CVT)
■1Lと1.3L、1.5LHVを3種類用意するヴィッツ
●エンジンの種類とグレード
■1L、直3NA:69ps/9.4km/L。JC08モード燃費:21.6km/L。スマートストップパッケージ装着車は24.0km/L
■搭載グレード:1.0F/132万5160円、1.0F Mパッケージ/118万1520円、1.0Fスマートストップパッケージ/140万5080円、Jewela1.0/146万2320円、Jewela1.0スマートストップパッケージ/154万2240円
■1.3L、直4NA:99ps/12.3kgm。JC08モード燃費:25.0km/L(FF、U)
■搭載グレード:1.3F/148万1760円、1.3U/178万7400円、1.3Uスポーティパッケージ/194万1840円。Jewela1.3/169万2360円
■1.5L、直4+モーター:エンジン74ps/11.3kgm+モーター61ps/17.2kgm。JC08モード燃費:34.4km/L(ハイブリッドF)
■搭載グレード/ハイブリッドF/181万9800円、ハイブリッドU/207万6840円、ハイブリッドUスポーティパッケージ/222万6960円、ハイブリッドJewela/197万3160円
※価格は特に記載のないものはFF
トヨタヴィッツは、直列3気筒1Lと直列4気筒1.3Lのノーマルエンジン、1.5Lのハイブリッドを用意する。
このなかで最も買い得なのは、1.3Lのノーマルエンジンだ。1.3Fの価格は1.0Fスマートストップパッケージに比べて7万6680円高いが、1.3Fでは、後席が一体可倒式から分割可倒式に上級化されたりする。
こういった装備の上級化を差し引くと、1気筒/300ccの価格換算額は4万円に収まる。一般的には、気筒数の違いも含めると12万円以上に相当するから、ヴィッツでは1.3Lエンジンが割安だ。
しかもJC08モード燃費は、1.0Fスマートストップパッケージが24km/lなのに対して、1.3Fは25km/Lに達する。
つまり1.3Lエンジンは、1Lに比べると動力性能が高まり、4気筒化によってノイズと振動は抑えられ、さらに燃費効率も優れているわけだ。
1Lエンジンのメリットは、自動車税が年額5000円、自動車重量税が1年当たり2500円安いことだが、機能の違いを考えると1.3Lエンジンが明らかに買い得になる。
またハイブリッドの価格は、1.3Lのノーマルエンジンに比べると、装備の違いを補正して約28万円高い。この金額を燃料代の差額で取り戻すには、エコカー減税の違いを含めても13万kmを要する。
なお1.3Lエンジンは、車両重量に見合った動力性能を発揮するため、ハイブリッドと比べても運転感覚の満足度が高い。従って1.3Fが最も買い得なグレードになる。
■ベストグレード:ヴィッツ1.3F、148万1760円(FF、CVT)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?