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過去と未来を繋ぐ場所 バイチェスター・モーション 自動車世界の未来を体現?

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過去と未来を繋ぐ場所 バイチェスター・モーション 自動車世界の未来を体現?

もくじ

ー 過去だけでなく 新たなR&D拠点
ー 出会いは偶然 敷地内をご紹介
ー 建設はこれから ルーツへの帰還
ー 番外編:バイチェスターをご案内

英ロータス セダン/SUV/クロスオーバー/GTモデル、検討も

過去だけでなく 新たなR&D拠点

4~5年前、オックスフォードシャーにあるバイチェスター・ヘリテージが、英国のクルマ好きにとって、もっとも訪れてみたい場所に突如としてランクインしたとき、この場所が目指しているのは、ヴィンテージカーやクラシックカーと、そうしたクルマを愛し、実際に所有していたり、修理や売買に関わるひとびとにとっての、新たな楽園になることだと思われていた。

1926年に英国空軍基地として建てられたレンガ造りの建物は、驚くほど素晴らしい状態を保っており、チャーチルの伝記映画、Darkest Hour(邦題:ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男)のロケ地にも選ばれている。

オールドスタイルの黒と白に塗り分けられた昇降式ゲートをくぐり、昔気質のゲートキーパー、ニールとのちょっとした会話を楽しめば、まさにここが建てられた当時にタイムスリップしたかのような気分を味わうことができる。

だが、バイチェスター・ヘリテージは単に過去を振り返るだけの場所ではない。それは、バイチェスター・モーションと呼ばれる、壮大な計画の一部に過ぎず、1.8平方キロメートルの広さを持つかつての空軍基地は、英国初となる自動車をテーマにしたリゾートとテクノロジーセンターへと、その役割を変えようとしているのだ。

つまり、ヘリテージがこの計画全体に占める割合はほんの一部に過ぎず、責任者のダン・ゲーガンによれば、バイチェスター・モーションが計画どおりに進めば、まったく新しい方法で、毎年100万人ものひとびとを、新たに自動車世界と結びつけることができるようになるという。

ゲーガンの壮大な計画のなかでも特に重要となるのが、周囲に点在するレースエンジニアリングやテクノロジーの専門企業と協力して、あらゆる自動車関連の革新的技術開発を行うひとびとをサポートすべく、2万平方メートルの新たなエリアと、自動運転とコネクテッドカー向け専用テストコースを備えた、FAST(Future Automotive Speed and Technology:フューチャー・オートモーティブ・スピード・アンド・テクノロジー)という名の、新たなR&D拠点を創り出すというものだ。

この地で父親がガレージを運営していたエンスージァストでもある不動産開発業者のゲーガンは、ウェールズと深い繋がりを持つとともに、英国が世界で主導権を握ろうとしている革新的技術の発展を手助けしたいという強い思いを抱いている。

出会いは偶然 敷地内をご紹介

6年前、ゲーガンが当時すでに閉鎖されていたバイチェスター英国空軍基地を訪れた時、ここは英国で危機に瀕する歴史的エリアのリスト登録から5年が経過しており、彼がバイチェスター・モーションの舞台として、この場所を発見したのは偶然だった。

「これほど広大で、これほど完ぺきな場所が見つかるとは思っていませんでした」と彼は言う。「ここはバイチェスターで人気のショッピングビレッジからも目と鼻の先です。3年後には危機リストから除外され、その直後にはイングランド歴史的・記念物委員会から、積極的保護を行う優れた例として表彰を受けることができました。このことはわれわれにとって、大きな誇りとなっています」

ここにあるオリジナルの建物のほとんどが、目を引く赤いレンガ造りとなっているが、それは、こうした建造物を好んだ高名な建築家、サー・エドウィン・ラッチェンスが、公共建築管理委員会のメンバーだったからだ。

ゲーガンたちが調査を始めると、落書きや割れた窓、さらには火災によるダメージはあったものの、基本的に建物はしっかりした状態を保っていることが明らかとなっている。

新たにオーナーとなったゲーガンは、計画的な修復作業を進めるとともに、いくつかの建物には新たな役割を与えており、いま、この場所を訪れてみれば、秩序のなかに、その伝統に裏打ちされた落ち着きを感じることだろう。

ゲーガンが運転するロングホイールベースのランドローバーか、軽快な走りが魅力の1920年代製アルヴィス 2シーターで、敷地全体を巡るツアーに出てみれば、その驚くべき広さと、潜在力の大きさを実感するとともに、バイチェスター・モーションが2000人分の新規雇用を創出し、すでにこの地で計画が進められている、数千もの新規居住者を集めることになるのも当然だと思えてくる。

芝敷きの離着陸場との境界に立つ4棟の1920年代製の格納庫は、エントランスゲートからでも、滑走路のエプロンからでも目にすることのできる、ザ・ラジアルという名の高速周回路に面したバイチェスターでもっとも目立つ建物であり、可能な限りオリジナルの姿を維持したまま修復され、最大2000人が入ることのできる展示イベントスペースとして活用されることになる。

建設はこれから ルーツへの帰還

1920年代当時、全部で6棟の格納庫建設が計画されていたが、実際に建てられたのは4棟に留まっており、ゲーガンは同じ建築様式で残り2棟の格納庫を増設したうえで、そのうちの1棟を344の客室を備えたホテルにする予定だ。

格納庫のエプロンから反時計回りに周回路を辿ると、ヒストリックカーとFASTの研究拠点となる建物の一群が目に入るとともに、それに続いて、宿泊施設を備えたガレージへと転用予定の、敷地境界にある湖畔に立つ耐爆性能を備えたかつての武器庫が並んでいるのが見えてくる。

全長6.4kmの周回路をさらに進むと、地図上ではバイチェスター・リザーブと表示されている0.4平方キロメートルの公園へと達し、そこを越えると、オフロードコース用スペースと、新たに建設されたデモ走行用コースに面した新製品発表会用の体験型施設へと続いてゆく。

その多くがこれからの建設となるが、設計自体はほとんど完了しており、あとは着工を待つだけの状態だという。設計承認は今年末を予定しているものの、新たな宅地化を防いだことと、大型イベントを開催した実績によって、承認作業もスムーズに進むだろうとゲーガンは話す。

バイチェスターでもっとも重要だとゲーガンが言うFASTは、当初英国空軍が掲げていた目的と奇妙な一致を見せる。

「1926年にここがオープンしたとき、その目的は英国の主要なテクニカルセンターになるというものでした」と彼は説明する。「蒸気機関に始まり、ガソリン車を発明し、そして空へと飛び立ったのです」

「バイチェスターの歴史が主要なR&D拠点として始まったことを考えれば、そのルーツに戻るのは当然ではないでしょうか?」

番外編:バイチェスターをご案内

Bicester Reserve:バイチェスター・リザーブ
Technology demonstrations:デモ用スペース
Driving training and 4×4:オフロードトレーニングコース
Brand experience centre:ブランド体験施設
Aviation hangar:航空機格納庫
Bicester Heritage:バイチェスター・ヘリテージ
The Radial:ザ・ラジアル
Hotel:ホテル
Bicester Expo:バイチェスター・エキスポ
Motor Vaults:保管庫
Historic Bomb Stores:旧武器庫
FAST:フューチャー・オートモーティブ・スピード・アンド・テクノロジー
Flying Field:離着陸場
New technical site:新テクニカルサイト

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