世界で活躍するレーシングカーの最新モデル
マクラーレンは、レーシングカーの720S GT3の改良型として、720S GT3エボを発表した。ダウンフォース、冷却性能、ダーティエア対策の改善のために数多くの変更が加えられている。
【画像】名門マクラーレンの最新型レーシングカー【720S GT3エボと公道用モデルを写真で比較】 全43枚
発売から4年、720S GT3はアジアン・ル・マンやIMSAスポーツカー選手権、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパなどさまざまなレースで活躍してきた。2023年はデイトナ24時間レースでの表彰台獲得とともに幕を開けた。
「720S」の名を冠してはいるものの、サーキット走行用にチューニングされており、最高出力720psのツインターボ4.0L V8エンジン以外は公道用モデルとほとんど共通点はない。また、シャシーとボディには軽量かつ高剛性のカーボンファイバーが使用されている。
720S GT3エボの最も大きな変更点は、新しいデザインのフロントバンパーとスプリッターで、エアロダイナミクスの改善によりダウンフォース強化を図っている。また、車体全体のバランスを前方にシフトさせることでコーナリング性能を高め、レース中のダーティエアの中でより安定した挙動を実現するという。
フロントボンネットにガーニーフラップを追加し、エンジンとブレーキの冷却効率も改善している。
また、リアウィングのガーニーフラップを高くすることでダウンフォースを向上させた。これは全体のバランスを崩すことなく行われた、とマクラーレンは言う。
足回りも強化されている。サスペンションは、オーリンズ製4ウェイ・アジャスタブル・ダンパー「TTX40」と新しいピストンが採用された。フロントとリアのアッパーウィッシュボーンも変更され、フロントはタイヤマネジメントを改善するためにアジャスタブル式となった。
アップライトも新しいもので、フロントには迅速な交換を可能にするボルト止めのブレーキキャリパーと、ホイールとの接触に強いトラックロッドクレビスを使用する。また、ブレーキもより制動力と耐久性に優れたものを採用する。
マクラーレンは720S GT3エボの受注を開始しており、価格は税抜47万5000ポンド(約7650万円)からとなっている。また、既存の720S GT3オーナー向けに、アップデートキットが8万5000ポンド(約1370万円)で販売されている。
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