現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 待っているぞ新型WRX!! 世界最強フラット4の軌跡と期待

ここから本文です

待っているぞ新型WRX!! 世界最強フラット4の軌跡と期待

掲載 更新 19
待っているぞ新型WRX!! 世界最強フラット4の軌跡と期待

 まもなく、スバル「WRX」の新型が登場する。2021年6月末に、スバルの北米部門が、次期型WRXのシルエット画像を公開しているのだ。

 ベースのS4、スポーツモデルのSTI共に、すでに販売終了(S4は、2021年1月、STIは2019年12月受注終了)となっているWRXの次期型は、筆者含め、ファン待望のモデルだ。そんなファンの方々がもっとも気になるのは、次期型WRXのエンジンがどういったスペックで登場するのか、であろう。

8月発表10月発売!!! スバルフォレスター ビッグマイナーチェンジで堂々帰還!!!!

 本稿では、次期型WRX登場目前のいま、WRXと世界最強の2.0リッター水平対向4気筒(フラット4)のこれまでの軌跡を振り返りつつ、次期型WRXの姿について、そして将来のWRXについても考えていく。

文:吉川賢一
写真:SUBARU、ベストカー編集部、西尾タクト

【画像ギャラリー】世界最強の水平対向2.0Lターボを搭載するWRX S4と、その次期型の予想CG

スバルスポーツセダンのトップ「WRX」

 WRXの歴史は、90年代にWRCで大活躍した「インプレッサWRX」から始まる。2014年にインプレッサWRXからスポーツカーブランドとして独立し、スバルのスポーツセダンの頂点に位置付けられたWRXは、ベースグレードとなるS4と、ハイパフォーマンスカーのSTIの2タイプ構成で登場。どちらも2.0L水平対向4気筒エンジンであるが、異なる世代のパワートレインを搭載した。

 STIはお馴染みEJ20、2.0Lツインスクロールターボ(308ps/6400rpm、43.0kgm/5600rpm)で、S4は、新世代(EJ20に対してだが)の水平対向2.0L直噴ターボのFA20(300ps/5600rpm、40.8kgm/2000~4800rpm)。トランスミッションは、リニアトロニックCVTのS4に対し、STI は6速MTだ。

2019年12月に受注終了となったWRX STI。最終版のEJ20ファイナルエディションは中古車オークションで高額で取引されるほど、貴重なクルマとなった

 エクステリアデザインは、リアウイングのありなしという違いはあるが(STIにはリアウイングがあったが、S4にはなかった)、どちらも戦闘力が高そうに見えるデザインであった。

2021年1月24日に受注終了となったWRX S4。人気グレードは「STIスポーツ」であった

 しかし、WRXの魅力は、エンジン性能とデザインだけではない。ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの挑戦、そして活躍こそが、ファンの心を惹きつけて離さない、WRXの魅力であろう。

レースへの挑戦そして連勝こそ、WRXの魅力

 スバルが2008年から12年間継続して参戦してきたニュルブルクリンク24時間耐久。2011~2012年、2015~2016年(2017年はリタイヤ)、そして2018~2019年と、クラス優勝を果たしたのは記憶に新しい。残念ながら、2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で、出場を見送っている。

 出場マシンの準備が進んでいただけに残念であったが、2022年こそは、その勇姿をみることができるよう、期待している。

 このニュルブルクリンク24時間におけるWRX STIの活躍は、今や、90年代のWRCと同じくらい、スバル、そしてWRX STIの知名度を引き上げていると思う。

 自動車メーカーがレースに力を入れるのは、「レース活動を通して開発した技術を市販車へとフィードバックする」というのが主な理由だが、ドライバーはもちろん、技術エンジニア、現場メカニック(なんとディーラーメカニックからの選抜もある)、マネージメント、チーム監督など、参加する人たちが、それぞれの立場で必死に頑張る姿は、見ていて応援したくなるものだ。

 勝ちにこだわる姿勢をぶつけるには、ニュルブルクリンク24時間は格好のレースなのだろう。こうしたレースへの挑戦は、技術的な面だけでなく、WRX STIそしてスバルブランドへの信頼性向上にも、大きく貢献しているように思う。

スバルWRXのニュル24時間チャレンジ。プロジェクトに参加するそれぞれの立場で勝利に貢献するよう頑張る姿は、見ていて応援したくなる

次期型は「e-BOXER」付となるのでは

 次期型WRXについて、現時点スバルが公開しているのは、冒頭で触れたようにシルエットのみであるが、実はデザインについては、ほぼ想像がついている。

北米スバルの特設サイトにて公開されている、新型WRXのシルエット画像

 このところのスバルは、モーターショーで市販型に通じるデザインのコンセプトカーを発表している。例えば、2018年のスイスジュネーブモーターショーで登場したVIZIVツアラーコンセプトが、ほぼそのままレヴォーグになった。

 そのことから、2017年の東京モーターショーで登場したVIZIVパフォーマンスコンセプトが次期型WRX S4相当、そして、翌2018年の東京オートサロンで登場したVIZIVパフォーマンスSTIコンセプトが、次期型WRX STIのベースデザインになるのは間違いない。

東京オートサロン2018で登場した「SUBARU VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT」。これが、WRX STIのデザインのベースとなる、と思われる

 さて、エンジンであるが、次期型WRXに搭載されるエンジンは、従来型のFA20ターボと、新型BRZ/86に搭載される2.4L水平対向NAをターボ化したFA24ターボ、というのが、自動車メディア界隈で一般的に予想されているところだ。

 しかしこれらは、現在求められる環境性能には全くそぐわないパワートレインであり、筆者は、次期型WRXはマイルドハイブリッドのe-BOXER付のFA24ターボで登場するのではないか、とみている。

 しかしこれは、「お茶を濁す」程度の対策でしかなく、その先のWRXではおそらく通用しない策だ。将来のWRXの姿は、次の2つのうち、どちらかでしかない。

WRXに搭載されていた2.0L水平対向ターボエンジンのEJ20。スポーツ向けエンジンとして、長きにわたってスバル車へ搭載されてきた

このままターボエンジンでいくのか、スポーツハイブリッドに進化するか

 スバルの技術戦略では、将来的なパワートレインは、新世代1.8Lターボエンジン(レヴォーグ搭載のCB18型)のさらなる高効率化、ハイブリッドシステムの導入(マイルドはe-BOXER、ストロングとプラグインはトヨタのシステムを流用と予測)、そしてBEV(=Battery Electric Vehicle=バッテリー動力のみで駆動するEV、トヨタと共同開発するSUV「ソルテラ」が相当)の3本柱となっている。

 将来的なWRXの姿については、スバル全体の技術戦略の流れに寄り添わず、これまで通りにイケイケのターボエンジンのまま進むのか、それとも、いずれかのハイブリッドシステムと組み合わせてスポーツハイブリッドとして進化させるのか、考えられるのはこの2パターンだ。どちらのシナリオであっても、非常に面白いことになるだろう。

 前者は、スバルのスポーツイメージを引っ張るWRXにターボエンジンを与えるため、レヴォーグ、フォレスター、インプレッサ、アセントといった他の車種で、CO2企業平均値を引き下げるようにする、という策であるが、それでいつもまでもWRXが生き残れるのかは、ファンとしては気がかりだ。ターボエンジン中止に伴って、WRXそのものが廃版になってしまうのだけは、避けてほしい。

 ファンとしては、確実にWRXが生き残れる道=スポーツハイブリッドとして進化を選んでいく方が安心ではあるが、はたしてどうなるか。まもなく登場するであろう次期型に、その命運がかかっているかもしれない。

将来的なパワートレインは、新世代の1.8LターボエンジンCB18のさらなる効率化、ハイブリッドシステムの導入、BEVの3本柱となっている(2020年1月のスバル技術ミーティング資料)

【画像ギャラリー】世界最強の水平対向2.0Lターボを搭載するWRX S4と、その次期型の予想CG

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【ほぼ確】待ってろルーミー&トール![新型キューブ]はやっぱり左右非対称ボディだった! 最新情報をついに
【ほぼ確】待ってろルーミー&トール![新型キューブ]はやっぱり左右非対称ボディだった! 最新情報をついに
ベストカーWeb
ベスパ「スプリントS150」【1分で読める 150ccバイク紹介 2024年現行モデル】
ベスパ「スプリントS150」【1分で読める 150ccバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
シンプルだからアウトドアに最適! 日産キャラバンがベースのキャンパー
シンプルだからアウトドアに最適! 日産キャラバンがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
新型エルグランドはどうすればアルファードに勝てるのか?
新型エルグランドはどうすればアルファードに勝てるのか?
ベストカーWeb
新型[プレリュード]に期待大!! 4代目の内装がありえないほど近未来! 話題沸騰の[サラウンドインテリア]とは
新型[プレリュード]に期待大!! 4代目の内装がありえないほど近未来! 話題沸騰の[サラウンドインテリア]とは
ベストカーWeb
【さあ、夢のロードトリップへ】 ダニエル・リカルドが故郷の西オーストラリアを巡る
【さあ、夢のロードトリップへ】 ダニエル・リカルドが故郷の西オーストラリアを巡る
AUTOCAR JAPAN
新型[エルグランド]は340馬力超えか!? 日産自慢のハイブリッドで燃費にも期待大! 気になる予想CGを大公開
新型[エルグランド]は340馬力超えか!? 日産自慢のハイブリッドで燃費にも期待大! 気になる予想CGを大公開
ベストカーWeb
こりゃ歩行者が悪いだろ!! 納得いかん!! なんでもクルマが悪いのかっ!?
こりゃ歩行者が悪いだろ!! 納得いかん!! なんでもクルマが悪いのかっ!?
ベストカーWeb
オーストラリアの国内線乗り換えで早速トラブル! 旅慣れしてない仲間との行程は余裕をたっぷり確保しましょう【豪州釣りキャンの旅_03】
オーストラリアの国内線乗り換えで早速トラブル! 旅慣れしてない仲間との行程は余裕をたっぷり確保しましょう【豪州釣りキャンの旅_03】
Auto Messe Web
事故現場で誰もが1度は見たことのある「レッカー車」! でも意外と知られていない「中身」とは?
事故現場で誰もが1度は見たことのある「レッカー車」! でも意外と知られていない「中身」とは?
WEB CARTOP
この子はパワーがありあまってる! 16歳のレーサーがランボルギーニの新世代フラッグシップ「レヴエルト」に初試乗【動画】
この子はパワーがありあまってる! 16歳のレーサーがランボルギーニの新世代フラッグシップ「レヴエルト」に初試乗【動画】
WEB CARTOP
ほぼ「完全に新しい」 アウディ S e-トロン GTへ試乗 ポルシェ共同開発のアクティブサス獲得
ほぼ「完全に新しい」 アウディ S e-トロン GTへ試乗 ポルシェ共同開発のアクティブサス獲得
AUTOCAR JAPAN
NISMO仕様の「Be-1」があった!? 当時の日産開発関係者が手に入れて3日目のバブルなパイクカーをご紹介…南青山の「Be-1ショップ」覚えてますか?
NISMO仕様の「Be-1」があった!? 当時の日産開発関係者が手に入れて3日目のバブルなパイクカーをご紹介…南青山の「Be-1ショップ」覚えてますか?
Auto Messe Web
合意された発表スケジュールを遵守するよう細心の注意が払われたニューウェイの契約。現在はすでにガーデニング休暇中
合意された発表スケジュールを遵守するよう細心の注意が払われたニューウェイの契約。現在はすでにガーデニング休暇中
AUTOSPORT web
ルノーの王者が今季6回目のポール獲得も、トヨタの“セカンド”が約5年ぶり2勝目から連勝劇/TC2000第8戦
ルノーの王者が今季6回目のポール獲得も、トヨタの“セカンド”が約5年ぶり2勝目から連勝劇/TC2000第8戦
AUTOSPORT web
世界最速の「新型MT車」初公開! 1300kgの軽量ボディで「MRマシン」! 6.6リッター「V8」搭載のヘネシー「F5-Mロードスター」米に登場
世界最速の「新型MT車」初公開! 1300kgの軽量ボディで「MRマシン」! 6.6リッター「V8」搭載のヘネシー「F5-Mロードスター」米に登場
くるまのニュース
昔懐かし「ミゼット」を中国製三輪車「APトライク」で再現! 幻の「アポロ」も装備して昭和レトロ感満載…なんとポップアップルーフも装備!?
昔懐かし「ミゼット」を中国製三輪車「APトライク」で再現! 幻の「アポロ」も装備して昭和レトロ感満載…なんとポップアップルーフも装備!?
Auto Messe Web
「六輪駆動」のハイパーSUV、525馬力のV8搭載 装備盛り盛りのゴツすぎ「ランドローバー」登場
「六輪駆動」のハイパーSUV、525馬力のV8搭載 装備盛り盛りのゴツすぎ「ランドローバー」登場
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

19件
  • >>ファンとしては、確実にWRXが生き残れる道=スポーツハイブリッドとして進化を選んでいく方が安心ではあるが

    そんな丸くなったWRXなんて買いたくない。
  • いつもコンセプトカーはかっこいいのにね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

452.1485.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

95.01180.0万円

中古車を検索
WRX STIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

452.1485.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

95.01180.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村