まもなく、スバル「WRX」の新型が登場する。2021年6月末に、スバルの北米部門が、次期型WRXのシルエット画像を公開しているのだ。
ベースのS4、スポーツモデルのSTI共に、すでに販売終了(S4は、2021年1月、STIは2019年12月受注終了)となっているWRXの次期型は、筆者含め、ファン待望のモデルだ。そんなファンの方々がもっとも気になるのは、次期型WRXのエンジンがどういったスペックで登場するのか、であろう。
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本稿では、次期型WRX登場目前のいま、WRXと世界最強の2.0リッター水平対向4気筒(フラット4)のこれまでの軌跡を振り返りつつ、次期型WRXの姿について、そして将来のWRXについても考えていく。
文:吉川賢一
写真:SUBARU、ベストカー編集部、西尾タクト
【画像ギャラリー】世界最強の水平対向2.0Lターボを搭載するWRX S4と、その次期型の予想CG
スバルスポーツセダンのトップ「WRX」
WRXの歴史は、90年代にWRCで大活躍した「インプレッサWRX」から始まる。2014年にインプレッサWRXからスポーツカーブランドとして独立し、スバルのスポーツセダンの頂点に位置付けられたWRXは、ベースグレードとなるS4と、ハイパフォーマンスカーのSTIの2タイプ構成で登場。どちらも2.0L水平対向4気筒エンジンであるが、異なる世代のパワートレインを搭載した。
STIはお馴染みEJ20、2.0Lツインスクロールターボ(308ps/6400rpm、43.0kgm/5600rpm)で、S4は、新世代(EJ20に対してだが)の水平対向2.0L直噴ターボのFA20(300ps/5600rpm、40.8kgm/2000~4800rpm)。トランスミッションは、リニアトロニックCVTのS4に対し、STI は6速MTだ。
2019年12月に受注終了となったWRX STI。最終版のEJ20ファイナルエディションは中古車オークションで高額で取引されるほど、貴重なクルマとなった
エクステリアデザインは、リアウイングのありなしという違いはあるが(STIにはリアウイングがあったが、S4にはなかった)、どちらも戦闘力が高そうに見えるデザインであった。
2021年1月24日に受注終了となったWRX S4。人気グレードは「STIスポーツ」であった
しかし、WRXの魅力は、エンジン性能とデザインだけではない。ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの挑戦、そして活躍こそが、ファンの心を惹きつけて離さない、WRXの魅力であろう。
レースへの挑戦そして連勝こそ、WRXの魅力
スバルが2008年から12年間継続して参戦してきたニュルブルクリンク24時間耐久。2011~2012年、2015~2016年(2017年はリタイヤ)、そして2018~2019年と、クラス優勝を果たしたのは記憶に新しい。残念ながら、2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で、出場を見送っている。
出場マシンの準備が進んでいただけに残念であったが、2022年こそは、その勇姿をみることができるよう、期待している。
このニュルブルクリンク24時間におけるWRX STIの活躍は、今や、90年代のWRCと同じくらい、スバル、そしてWRX STIの知名度を引き上げていると思う。
自動車メーカーがレースに力を入れるのは、「レース活動を通して開発した技術を市販車へとフィードバックする」というのが主な理由だが、ドライバーはもちろん、技術エンジニア、現場メカニック(なんとディーラーメカニックからの選抜もある)、マネージメント、チーム監督など、参加する人たちが、それぞれの立場で必死に頑張る姿は、見ていて応援したくなるものだ。
勝ちにこだわる姿勢をぶつけるには、ニュルブルクリンク24時間は格好のレースなのだろう。こうしたレースへの挑戦は、技術的な面だけでなく、WRX STIそしてスバルブランドへの信頼性向上にも、大きく貢献しているように思う。
スバルWRXのニュル24時間チャレンジ。プロジェクトに参加するそれぞれの立場で勝利に貢献するよう頑張る姿は、見ていて応援したくなる
次期型は「e-BOXER」付となるのでは
次期型WRXについて、現時点スバルが公開しているのは、冒頭で触れたようにシルエットのみであるが、実はデザインについては、ほぼ想像がついている。
北米スバルの特設サイトにて公開されている、新型WRXのシルエット画像
このところのスバルは、モーターショーで市販型に通じるデザインのコンセプトカーを発表している。例えば、2018年のスイスジュネーブモーターショーで登場したVIZIVツアラーコンセプトが、ほぼそのままレヴォーグになった。
そのことから、2017年の東京モーターショーで登場したVIZIVパフォーマンスコンセプトが次期型WRX S4相当、そして、翌2018年の東京オートサロンで登場したVIZIVパフォーマンスSTIコンセプトが、次期型WRX STIのベースデザインになるのは間違いない。
東京オートサロン2018で登場した「SUBARU VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT」。これが、WRX STIのデザインのベースとなる、と思われる
さて、エンジンであるが、次期型WRXに搭載されるエンジンは、従来型のFA20ターボと、新型BRZ/86に搭載される2.4L水平対向NAをターボ化したFA24ターボ、というのが、自動車メディア界隈で一般的に予想されているところだ。
しかしこれらは、現在求められる環境性能には全くそぐわないパワートレインであり、筆者は、次期型WRXはマイルドハイブリッドのe-BOXER付のFA24ターボで登場するのではないか、とみている。
しかしこれは、「お茶を濁す」程度の対策でしかなく、その先のWRXではおそらく通用しない策だ。将来のWRXの姿は、次の2つのうち、どちらかでしかない。
WRXに搭載されていた2.0L水平対向ターボエンジンのEJ20。スポーツ向けエンジンとして、長きにわたってスバル車へ搭載されてきた
このままターボエンジンでいくのか、スポーツハイブリッドに進化するか
スバルの技術戦略では、将来的なパワートレインは、新世代1.8Lターボエンジン(レヴォーグ搭載のCB18型)のさらなる高効率化、ハイブリッドシステムの導入(マイルドはe-BOXER、ストロングとプラグインはトヨタのシステムを流用と予測)、そしてBEV(=Battery Electric Vehicle=バッテリー動力のみで駆動するEV、トヨタと共同開発するSUV「ソルテラ」が相当)の3本柱となっている。
将来的なWRXの姿については、スバル全体の技術戦略の流れに寄り添わず、これまで通りにイケイケのターボエンジンのまま進むのか、それとも、いずれかのハイブリッドシステムと組み合わせてスポーツハイブリッドとして進化させるのか、考えられるのはこの2パターンだ。どちらのシナリオであっても、非常に面白いことになるだろう。
前者は、スバルのスポーツイメージを引っ張るWRXにターボエンジンを与えるため、レヴォーグ、フォレスター、インプレッサ、アセントといった他の車種で、CO2企業平均値を引き下げるようにする、という策であるが、それでいつもまでもWRXが生き残れるのかは、ファンとしては気がかりだ。ターボエンジン中止に伴って、WRXそのものが廃版になってしまうのだけは、避けてほしい。
ファンとしては、確実にWRXが生き残れる道=スポーツハイブリッドとして進化を選んでいく方が安心ではあるが、はたしてどうなるか。まもなく登場するであろう次期型に、その命運がかかっているかもしれない。
将来的なパワートレインは、新世代の1.8LターボエンジンCB18のさらなる効率化、ハイブリッドシステムの導入、BEVの3本柱となっている(2020年1月のスバル技術ミーティング資料)
【画像ギャラリー】世界最強の水平対向2.0Lターボを搭載するWRX S4と、その次期型の予想CG
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みんなのコメント
そんな丸くなったWRXなんて買いたくない。